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アメリカ在住大学生が映画を語るブログ

【隠れた名作】「ブルージェイ」感想ネタバレ: 中年男女の儚い恋を描く本作は最高の恋愛映画だ!

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©Netflix

こんちくわ!Shygonです!

今回はNETFlIX製作の低予算・長編映画 

Blue Jay(ブルージェイ)

 

2016年NETFILX製作の映画です。大々的に広告をする訳でもなく、ましてや配信後も脚光を浴びることがなかったため聞いたことのない方も多いのでしょうか。

ですが、観た方はご存知の通り、みんな口を揃えて言う、

最高すぎると。

なので、一種の隠れた名作だと僕は思っています。さらにこれも観た方共通事項、リチャードリンクレイター監督作品、ビフォア3部作に似ていると。

僕自身も友人からこの映画をみるように勧められ、気のならないまま見たのですが、見た後その謎に躊躇したことを謝るくらい良作であったのを覚えています。

なぜもっと脚光を浴びないのか不思議になってくる本作の本当の魅力に今回は迫っていきたいと思います。

 

では各カテゴリーに分けて熱く語っていきます!

 

サクッとあらすじ

アメリカのカルフォルニアを舞台に高校の時に町で有名だった仲良しカップルが突然12年後に故郷で再開する。

もうお互い違う道を歩み始めていて、突然再開にびっくりするのだった。久しぶりに会った彼らは昔を懐かしみ、思い出話にふけるが、徐々に彼らがなぜ別れたのかという本質に迫っていくのであった。

それは実に切なく胸が痛む話でもあった‥

 

上品だけどピュアすぎる恋愛映画

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©Netflix

本作は恋愛映画に部類されるのは間違えないが、その細かい分類に頭を抱えてしまう。

というのは、青春恋愛映画であるといえばそうであり、大人の恋愛映画であると言われればそうでもあるのです。

 

いまはもう別れた、昔の仲良しカップルの一日だけの再開の中の会話で、過去の彼らの関係の全容が明るみになります。

高校生だった自分たちの青春物語を懐かしむかのように、いい年した大人たちが再現するのです。それはとてもイタすぎますが、実に純粋な男女のジャレ合いなのです。

 

12年前と変わらず、昔の自分たちを追いかけるかのようにマネをする彼らは10代の高校生が恋愛をする恋愛映画に何一つかわりはありません。

自分たちは永遠に入れると信じ、後先考えずに当時恋人同士で流行っていたであろう恥かしい録画のテープを聞いてみては大笑いをするのです。

これは現代でいうTwitterなどのSNSでカップル共通のアカウントを作るのと変わらないことなのでしょうが、ほかにも夫婦を演じてみたりと、

まるでお茶目な若いカップルがイチャイチャするところが描かれるのです。

 

しかし、それはいま現在の話ではなく、まぎれもなく遠い過去の話なのです過去の話であればあるほど、一日の楽しい

カップルの時間の経過をこんなにも切なく、時間が止まってほしいと観る人に感じてもらえる映画は他にあるであろうか?

 

ただの現在軸でのカップルのイタイイチャイチャ話とは意味が全く違い、厳しい現実が目の前にあるにも関わらず、それから目を背け、過去の思い出に浸る大人の切なすぎる話なのです

 

映画として僕らが見ていることはその辺の10代が繰り広げる恋愛映画に何一つ変わりませんが、そこの根底にある彼らの心情や現実をふと考えたとき、180℃違った映画に生まれ変わってしますのです。

なので、青春映画ともいえるのですが、同時に大人の恋愛映画でもあるのです。

 

最後に‐Blue Jayという映画とは‐

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©Netflix

この映画の本編をご覧になった方はお分かりでしょうが、本作は全編白黒で描かれているのです。

最近技術も発展してきて、VFXなどのCGもかなり発達してきている中で、白黒映画にあえてする意味は何なのでしょうか?

 

最近の白黒映画として思い出す映画は、「ネブラスカ~二つの心をつなぐ旅~」や、「フランシス・ハ」などの良作などがあります。

この二つの映画もとてもいい作品であることは間違えないですが、本作ブルージェイはこれらの作品に匹敵するほど僕のお気に入りの作品であるといまは確信しております。

 

白黒映画にした理由として様々な理由が挙げられると思いますが、この映画に関しては時間軸は現在を描いていますが、彼らの世界へ引き込まれると、

現在の時間軸なのに彼らの過去も現在の彼らと違いがわからなくなってしまうのです。

 

いい意味での時間軸の錯乱を白黒映画は可能し、映画の魅力が増していくのです。 

 

それは紛れもなく画面の色を単色にし、無駄な色彩情報を省いたから成し遂げれたことなのかもしれません。

いまのカラー映画は様々な色彩が映画を色鮮やかにしていますが、それは同時に情報肥大化を可能にし、情報の多すぎにより、

 

本当に映画として伝えたいことを伝えにくくしてしまうときがあります。

 

それに比べ、白黒映画の情報の少ないことが逆に長所になるときがあります。

そのうまい使い方を本作ブルージェイでは垣間見ることができ、映画の魅力を感じることができるのかもしれません。 

そして、話は少し変わりますが、この魅力こそが昔の名作映画と言われる映画にもあり、僕が愛してやまない白黒映画を見る面白みでもあるのです。  

 

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これからはネタバレになります。

昔の思い出に老けていた彼らは徐々に現実へと引き来れていくのです。実は高校卒業後お互い違う道を送ることになったのですが、女性の方は既に結婚して子供までいる状況に。はたや男性の方はいまだ独身で、仕事をクビになったばっかりの状況でした。

交際中も手紙のやり取りをしていたのですが、男性の方は真髄をついた話を切り出せずに時間だけが経ってしまっていたのです。そのまま卒業までもつれこみ、女性の方が故郷を出る前、最後に一通の手紙をもらいます。

 

しかし、その手紙にもいつもと同じようなことがダラダラと書いてあったのです。その後距離的に会えなくなり、お互い自然消滅でその関係は消えていったのです。

ところが12年越しの再会後、女性は自分が見たこともない一通の手紙を彼の自宅で発見するのです。

 

それをあえて、隠して持って帰ろうと思う彼女だったのですが、最後の最後でバレてしまい、それがきっかけで喧嘩まで勃発してしてしまいます。

最後の別れ際に男性はそれを彼女に挙げるのです。そんなに頑なにその手紙を見せたくなかった理由がその男性にはあったのです。

 

実はその手紙高校卒業の最後の日に最後の手紙として彼女に「愛の告白」を書いた手紙だったのです。

つまり、男性は最後の手紙として2通り書いたのですが、その恥かしさから本当の気持ちを書いた手紙を最後まで渡すことができなかったのです。

そして12年越しに手紙を読んだ彼女は泣き崩れるのです。

 

そうなんです

もしあそこで違う手紙の方を男性が渡すことができれば、未来は変わっていたと、どちらも思ったのです。

こうして本編は幕を閉じたわけなのですが、この終わり方は本当に胸が熱くなり、考えることをあきらめてしまいそうになります。

これはあの男性だけに通ずることではなく、すべての男性に当てはまる気がしてしまう気がするのです。

普段あれだけ威勢がいい男性はいざという大事なときに限って間違った選択をしてしまうのだ、とあの映画は男性の無常さを訴えているのかもしれません。

これは恋愛映画の一部分として描かれたことですが、このことは恋愛に限らず全てのことに通づることだとと思います。

そんな考え出したらきりがない映画ブルージェイでしたみなさんはこれをどう感じるでしょうか?

びぇ!

 

 

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映画「ウィンドリバー」感想ネタバレ:インディアンと女性権利向上 を静かに訴える社会派ミステリー傑作!!!

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©Weinstein Company

こんちくわ!Shygonです!

今回はアメリカ国内でもとても話題になったいまアメリカが抱えている社会問題に真っ向から立ち向かった

ウィンド・リバー

について熱く、熱く語りたいと思います!

 

2017年に製作された本作はサスペンススリラー映画ですが、それ以上に評価された理由は本作が真っ向からいまアメリカが抱えている社会問題に真っ向から立ち向かったからです。 

一言この作品にかける言葉があるとすれば この作品は見るべきです。

 

サクッとあらすじ

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©Weinstein Company

アメリカ中部、ワイオミング州ウィンドリバー。

壮大な自然に囲まれ、町全体が雪に覆われ、ネイティブアメリカンの住む場所としても知られている美しい田舎町が突然事件に巻き込まれます。

ある日突然の山中から若い女性の遺体が発見され、捜査が始まるのですが、気候など厳しい悪環境のため、助っ人がFBIから新人女性警官(エリザべス・オルセン)が捜査のため街を訪れてきます。

第一発見者のコーリー(ジェレミー・レナー)は人手不足から捜査の手伝いを、自らの仕事ハンターをしながら手伝うのだが、、、

 

ただのミステリー映画の枠を超え、いまのアメリカを突き動かすような問題作なのです。

 

ウィンド・リバーの背景

時間の上映時間の中だけで十分この映画の魅力は詰まっているのですが、製作背景を知ると魅力が倍増するので、先に映画製作の裏を語らせてください。

 俳優

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©Weinstein Company

主演はジェレミー・レナーとエリザベス・オルセンです。

どちらも現在マーベルのアベンジャーズに参加しているいま旬な俳優で、とくにジェレミーレナーは主要人物のホークアイを演じている俳優でもあります。

俳優の魅力は最後のパートで語ります。

 製作スタッフ

次に監督です。この映画の背景としてこの人物を語らないわけにはいきません。

テイラー・シェリダン監督を務めていますが、同時に脚本も書いています。脚本家として何本かの映画に参加した後、本作が始まる初監督作品です。 

 

この人脚本家として何本か映画製作に参加しています。

「メッセージ」「ブレードランナー2049」のドゥニ・ヴィルヌーブ監督の映画「ボーダーライン」に参加して高い評価を得ると、前作「最後の追跡」では見事アカデミー脚本賞にノミネートされます。

脚本家として確実に名声を得ている新税の脚本家のひとりです。僕個人としてはもう少し脚光を浴びて、評価を受けるべき人物だと思います。

 

ミステリー映画の枠組みを超えるワケ

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©Weinstein Company

この映画の魅力を伝えるのは結構難しいです。

本作の監督テイラー・シェリダン の過去の作品を拝見したことのある方は僕がいま言っていることを十分できると思います。

本作の魅力を語る前に、彼の作品の傾向とその魅力を抽象的にご説明します。

 脚本家テイラーシェリダンの仕事の流儀

過去作品の「ボーダー・ライン」「最後の追跡」のどちらにも当てはまることなのですが、一面的に彼の作品をみるとただのその辺の映画と変わりません。現になぜ過去2作品が評価されたか理解できない方は多いと思います。

 

彼の映画の作風は、一面的に捉え感じた彼の作品と、視点を変え多面的に見るのとでは違う感覚を持つということが言えます。

今作ウィンドリバーも含めて、彼の描く世界観は一瞬単純に見えるのですが、実は奥がすごく深いです。


社会的メッセージの含まれる作品は初めからそのような方向性で映画製作をするので、大衆向けには決してならず、観客にはアクション映画で味わうようなハラハラウキウキ感は一切ありません。

しかし、彼の映画は映画という最低限観客が楽しめる、ハラハラドキドキや興奮を覚えるような描写がしっかりあるのです。

 

ですが、その根底には現代に訴える力強い魂が込められているのです。それを表面的に押し込むのではなく、フワッと後からついてくるような感覚です。

つまり、自分のラーメンをたらふく食べた後、予期せぬサプライズでシロップがたんまりかかったアイスクリームをたいらげるような、あの感覚なのです、、、

 

実はこれは簡単のようでとても難しいことです。

上映時間が決まっているためどこに重点を置いて映画製作を行っていくのかという、さじ加減がものすごく難しいのです。その微妙な味付けを彼は絶妙にコントロールすることに長けているのだと僕は強く思います。

 

いままでいるようでいなかったアクション映画かつ社会派映画。

この分野はもしかすると彼にしかできない唯一無二の分野になるかもしれないです。そして、次に本作ウィンドリバーについて語ります。

 

ウィンド・リバーのココがスゴい!!!

 心理的描写とミステリー感

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©Weinstein Company

舞台がアメリカ中部の田舎ワイオミングであり、中でも壮大な自然が広がる山々に囲まれれたウィンドリバー。

そして、そこに住んでいる人たちはネイティブアメリカンたちです。それだけで映画の画作り的には映画として成り立っていると思います。

しかし、この映画では壮大な美しい自然を大きな画面で見せることが目的ではないので、監督はそこの美しさを全面的には表現してこなかったのです。

 

彼が我々に見せたいことは、 その壮大な大地で起こる密室事件を描くことです。なので、見ている人は不思議に思うことでしょう。

なぜならそんなに壮大な山々に囲まれた中部の田舎街が舞台なのにも関わらずまるで狭い一室の中で犯人捜しをしているかのように思えてくるからです。

そして、そんな美しい景色と大雪の中を背景に、犯人を追い詰めていく警察と彼らとの逃亡劇が描き出されます。

 

これからはネタバレになりますが、物語の進行とともに犯人を絞っていくと、

目の前にいる疑がわしい犯人たちとの心理的描写は言葉が出ません。

そして、逆境に立たされた犯人と警察との間にはいまでもはち切れそうな糸が緊張感を作り出すのです。

 

いざ犯人たちの正体が暴かれそうになったとき、そのイイ時に、物語は過去の殺人が行われた経緯を回想シーンとともに突如切り替わるのです。そんなことはサビの前でお気に入りの音楽が止められるようなものです。

 

いままで、ミステリー映画の常識として、日本でいう「相棒」のように、動機は犯人が捕まった後なのです。

そのいわばルールを無視し、一番の見せ場の前に挿入してくるのです。その方法がまた絶妙なのです。

 

1991年に公開された名作「羊たちの沈黙」で使われた初めて披露された技術で、最後犯人を捕らえようとしたときに、ドアを押し入った警察と犯人の家の距離感の撮り方をうまく表現した、映画史史上数少ない名シーンがあるのですが、

その名シーンに似た画作りが「ウィンド・リバー」からも垣間見ることができました。

その描き方や前置きは観客を間違えなくハラハラさせ、最高の興奮をこのシーンから得ることができ、僕からしたら最高過ぎました。

   アクションを忘れるべからず

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©Weinstein Company

そして、最後に銃撃シーンについてです。

結局警察に追い詰められ、後がない犯人たちは銃を乱射しはじめ、警察と撃ち合いに発展するのです。そこでも監督の腕が光ることになったのです。

ただただ銃弾が飛び交う描写ではないのです。その辺の陳腐なアクション映画ではなく上品に描きます。

1995年に公開されたアクション映画の金字塔「ヒート」の銃撃シーンを彷彿されると思います。あの映画の魅力はここではかたりきれないほどありますが、そのひとつとして、

 

銃撃シーンを’パンパン’という銃の発射音ではなく、銃が鳴っていないときの無音で、臨場感を出しているところが最高にカッコいいといえるのです。

そのお洒落な臨場感を本作ウィンドリバーからも感じ取ることができます。


ウィンド・リバーが現代に訴え続けることとは?

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©Weinstein Company

そして最後に映画の一番重要と言って過言ではない、映画の中で本作ウィンドリバーが訴え続けることはなんなのかです。

この映画が込めるメッセージはこの映画の舞台がなぜここに選ばれたのかに直結してきます。

舞台が田舎町のネイティブアメリカンが主に住む町に焦点に当て、映画を撮影したことも初めから一貫していいたいことは一つしかなかったのです。

 

女性の立場とネイティブアメリカンの権利向上への認知

 

これ以上これ以下もなく、このメッセージこそがこの映画を見る上で全てであったのです。物語の中では、若い女性が何者かに殺され、その犯人捜しからこの映画はスタートします。

しかし、その犯人捜しをサポートしていた主人公のハンターはこの事件の前に娘をこの事件のように殺され、失っていたのです。

そして、映画の中でははっきりは言及されていませんでしたが、そのことが原因で奥さんとも離婚をしていたのです。

 

物語は最終的に娘を犯した犯人を突き止めることが出来たのですが、殺された娘の父であったネイティブアメリカンの人と主人公を演じるハンターが最後のシーンで、言葉にできず、怒りの向け口のわからないもどかしい気持ちを坦々を語る会話のところでエンドロールが流れ始めるのです。

 そして、それと同時に世界が女性の権利向上のため動いている中、

 

ネイティブアメリカン女性の被害者が年々増えて続けていること

そしてそのほとんどが未解決のまま捜査が打ち切られていること

 

を知らされるのです。

 

つまり、ネイティブアメリカンのことはいまのアメリカでは忘れ去られ、時代の産物として無視され続けているのです。

ちょっとスパイスの効いたミステリー映画を見ていたはずの僕らはエンドロールが流れ始めたのと同時に気付くのです。

単なるミステリー映画ではないと。

びぇ!

 

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映画 「キングスマン」 感想ネタバレ:現代版ボンドはオシャレな真面目っ子だった!?

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          ©20th Century Fox

こんちくわ!Shygonです!

今回は新感覚の英国アクション映画

キングスマン

について熱く語りたいと思います!

 

2014年に公開された本作は日本でも話題になり公開された直後に続編の製作が決定するほど注目を集めました。

スパイ映画として面白みがあるだけではなく、映画製作として新しい道を開拓した新感覚のアクション映画です

本作の最大の魅力はスパイ映画の金字塔べき存在007シリーズを彷彿させるような描写が劇中に何度も登場し、スパイ映画ファンにはたまらない良作に仕上がっているのです。

 

そんな完成度の高いキングスマンは現代版007と呼ばれ、今後の作品の動向が気になるところです。今回も様々なカテゴリーに分けて熱く語っていきたいと思います。

本作の続編である「キングスマン:ゴールデンサークル」をご覧の方はこちら

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サクッとあらすじ

舞台は現代のイギリス、ロンドン。

表面上では高級紳士服を売っている「キングスマン」しかし裏ではどこにも所属しない機関として、スパイ活動をし、影で世の中の秩序を保っています。

主人公ハリー(コリン・ファース)は諜報員エージェントして活躍する中、次世代のエージェント育成の中で殺された同僚の息子エグジー(タロン・エガードン)を推薦するのでした。

そんな中、人間自体を病気と考え、人口調整が必要をと考えたヴァレンタイン(サムュエル・ジャクソン)は、人間同士が殺し合いをするようにプログラムされたSIMカードを世界中にまき散らします。そこに危機感を覚えたハリーは行動するのでした。

 

007との関連性

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©20th Century Fox

映画製作が本格的に始まり早100年以上が経ちましたがどの時代も変わらず過去の作品をリスペクトし、それを自分なりに取り入れ新しい映画として世の中に送り出してきました。

 

今まで様々な名作映画が世の中に存在する中、本作キングスマンはあのスパイ映画の代表的存在007シリーズのパクリ映画といってもよいでしょう。

監督がそれを公言しているくらい製作陣の007へのリスペクトを本作を見ると感じることができるでしょうこれからいくつかの例とともに007とも関連性についてお伝えします。

  設定と背景

007シリーズは第二次世界大戦後、イアン・フレミングによって書かれた小説が原作となっています。

実際に戦争中イギリスの諜報機関MI6で特別工作員として活躍していた本人の体験談を元に作られています。

それを裏付けるかのように、主人公ジェームズ・ボンドはMI6で謎の諜報部員で、実際の政府形態に類似しています。

 

これに比べて、キングスマンは政府直属の諜報機関ではなく、一般的な紳士服店を舞台としています。

「キングスマン」の紳士服店は、007シリーズでジェームズ・ボンドがスーツを伸長するときにスーツの伸長を口実に新しい武器の仕入れにも行くのです。もしかするとそこからこのアイディアが来ているのかもしれません。

 男のロマンが詰まった技術

 まずは007シリーズの醍醐味であったMやQとジェームズボンドの関係です。研究者Qはジェームズ・ボンドのスパイ活動に技術的に貢献しています。

毎作「ボンドカー」と呼ばれるスポーツカーに特殊な道具が兼ね備えられているジェームズ・ボンド専用の車を彼は製造しています。

 

これは007シリーズが人気な理由がひとつであるこの要素がキングスマンにもQのような専門の技術職員が付き添いとしてスパイ活動の手助けをし、キングスマンにもこのシビれる新技術が使われた道具がいくつか登場します。

そしてその道具たちは007に変わりのない、いわゆるほぼパクリなのです。 

 

 作品の進行と登場人物たちの関連性

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©20th Century Fox

ジェームズボンドは基本的に一人で行動します。

世界中問題が発生すれば危険をも顧みず飛び込んでいくのです。そして己の能力を頼りに坦々と問題を解決していくのです(多少は寄り道をします(笑)それに関しては下記に記しています。

 

それに対して、キングスマンは新人のトレーニング機関ということもありますが、新人を引き連れ基本的に2人行動です。

しかし、ここに女性が入ると雰囲気が変わってくるのです。ジェームズボンドの場合綺麗な女の人には目がありません

それが毎作出てくるボンドガールの存在なのです。そして、女性に一度気がそれるとスパイとして機能しなくなるほど使い物にならなくなるのです。

 

ですが、そのやりとりや描写こそがこの007シリーズの醍醐味だったのですが、キングスマンではその女性関係の描写は受け継がれることなく、真面目に一人の女性とお付き合いしたり、仕事に没頭しているのです。

 

キングスマンの真の魅力とは?

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©20th Century Fox

ここまで読まれてると、キングスマンってただの007のパクリじゃんって感じる方の多いでしょう。

ですがパクリ映画を製作したところで世界的に注目される映画には絶対ならないのです。では一体どこが007にはない斬新的なのでしょうか?

 ファッション

やはりこの一言に尽きるでしょう。このブログを読むまで、007の世界観にそっくりなことを気付かずに映画を見ていた人が中にはいるかと思います。007にかなり寄っているのにも関わらず、そう感じないのは

 

視覚的印象が全く違うからです。

007では時代設定的に物語自体が現代ではないのもそうですが、登場人物の全員がスーツをまといピシっと引き締まっています。

ところが、キングスマンではスーツ姿の人間だけではなく、いまのトレンドとなっている服装を老略男女構わず身に着けているのです。

 

登場人物全員がイチイチおしゃれに服を着こなすのです。さすが、世界でも数少ないファッション街ロンドン

 

そしてもう一つ筆者が注目したのは、主人公エクジーの服装です。もちろん仕事中はジェームズボンドのようにスーツを身に着けるのですが、同年代の仲間たちと戯れるときはスーツなど着ず、おしゃれを彼らと一緒に楽しむのです。

ジェームズボンドはいつであろうとスーツを着ているのに対して、キングスマンでは服装からそんなエージェントの一般人の顔も同時に垣間見ることができるのです。

ジェームズボンドの方が人物の年齢設定上、キングスマンよりも上なので、理解ができるのですが、この2つの映画を例えると、

007は大人の映画。キングスマンはその層より少し下の層を狙って撮られている気がします。

 脚本の相違

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©20th Century Fox

いくら外見的要素に革命的な新しさがあってもやはり映画製作に欠かせないものがあります。それは脚本です。そんな物語を重点的に焦点を置いても、この映画には新しい何かがあるのだと感じるのです。

ここからはネタバレになってしまうのですが、バレンタインを抹殺しようと動き出したハリーは早々に敵バレンタインに殺されてしまいます。あんなにジェームズボンドに寄せてきた作品なのに、あっという間に死んでしまうのです。

 

いままで僕らは

 

ジェームズボンドの映画を見てきて、圧倒的な主人公像から、死ぬことはないと心のどこかで安心している節があった

 

今回のキングスマンでは一杯やられた感覚でした。ジェームズボンドに堂々と寄せていた、その安心感を見事に裏をかかれました。

彼の死ほど映画にインパクトを与えることはないでしょう。そのまま彼が登場することなく、映画は終わるのです。そこで僕は感じました。

 

この映画一味違うぞ、と。

ですが、エンドロール終了後、僕らはもう一回転覆するのです。エンドクレジット終了後、死んだはずのハリーがキョロっとした顔でこっちを向いているのでありませんか!!!!!

彼は何らかの形で一命を取り留めたということになるのでしょう。もう次作を見たくてたまらない映画こそがキングスマンなのです

そして、最後にこの話に触れていきたいと思います。 

 

 キングスマンの設定上の不備

 今回007とは一貫して違うところとして政府機関なのかと紳士服店の違いが挙げられます。007では毎回様々な新技術やスポーツカーが登場します。

そんな大金のかかることを007では所属が政府の勢力下にあるためこのようなことが成り立っています。

しかし、キングスマンではただの紳士服店には不可能な大金はどこからきているのでしょうか。

スパイ活動は大量の金がかかるためそこのつじつまを紳士服店キングスマンは説明できていないのではないかと思ってしまうのです。そこのつじつま合わせを次作に期待したいと思います。

続編である「キングスマン:ゴールデンサークル」をご覧の方はこちら

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びぇ!

 

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凄腕プロデューサーのハーベイワインスタインが自ら作り上げた会社から追放!?

こんちくわ!Shygonです!

今回は今まで数々の有名映画を世の中に送り出し、

ハリウッドでは知らない人がいないといわれている名プロデューサー、

ハーベイワインスタインのことで不祥事が起きました。

そのことについて今回は触れたいと思います。

 

 事件の全容

このの突端は2017年10月第一週、

アメリカの大手通信会社「New York Times」の記事で、

ハーベイ自身による複数の女性に対してセクハラ行為を行ったという告発がありました。それは30年以上に及ぶことで、被害者の女性たちは実名、匿名で、記事を通して告発しています。

 

その後、同氏がCEOを務める「ワインスタインカンパニー」では取締役会を開き、

その際に重役の3人が辞職するなど事の重大さを再認識した形となりました。

 

記事によると、その当時被害を受けた女性たちは多額の賠償金を受け取り、

沈黙を貫いて生きたのですが、最近女性の権利がハリウッドでもよくやく認知されることになり、さすがの名プロデューサーでも特別扱いできなくなり始めたそうです。

 

そして、米時間10月9日午後、緊急速報で

彼は自身が一から作り上げ、数々の名作映画を世に送り出し

二人三脚で歩んできたワインスタインカンパニーから追放されたと発表がありました。

 

なぜこの速報を聞いてから、僕はすぐにブログに記事として残そうとしたのか、

それは僕自身彼の作る映画に感銘を受けましたし、僕の中で彼は尊敬する人のひとりです。

これから数時間のタイムラグを受け、日本にも正式にこのことが報道されると思いますが、彼の偉業を当ブログでは扱いたいと思います。

 

ハーベイワインスタインが辿った軌跡

1952年にアメリカで生まれた彼はハリウッドの中でも生粋の名プロデューサーとして有名です。

映画をあまりご存じない方でも彼が実際にプロデュースした作品を見るとどれだけすごいのかがわかります

 

  1. グットウィルハンティング/旅立ち(1997)
  2. 恋に落ちたシェイクスピア(1999)
  3. ロードオブザリングシリーズ(2001-2003)
  4. シカゴ(2002)
  5. コールドマウンテン(2003)
  6. アビエーター(2004)
  7. イングロリアスバスターズ(2009)
  8. 英国王のスピーチ(2010)
  9. ファイター(2010)
  10. アーティスト(2011)
  11. 世界にひとつのプレイブック(2012)
  12. イミテーションゲーム(2014)
  13. ウィンドリバー(2017)

なお、最新作の日本未公開「ウィンドリバー」は、こちらをご覧ください

 

shygon.hatenablog.com

 

これは彼がかかわってきた作品の一部に過ぎず、

これらの作品の共通することは

ほとんどの作品がアカデミー賞を受賞しているということです。

 

関わった作品のほとんどをアカデミー賞にさせる名プロデューサーとして

 

ようは、天才なのです。

 

そして、僕のお気に入りの監督である「クエンティン・タランティーノ」関連の作品のほとんどは彼のプロデュース下で製作されているのです。

 

そんな彼のキャリアは「ミラマックス」という両親の名前を社名につけた小さな会社から始まります。

昔から弟ボブ・ワインスタインと共に二人三脚で歩んできた彼らは同社を売却後、いまの「ワインスタインカンパニー」を立ち上げ、怒涛の快進撃が始まります。

 

 

そんな彼の輝かしい実績とは裏腹に

ハリウッドの中でもかなりのお金持ちとして有名であり、同時に暴君として度々メディアを盛り上げます。

 

彼に対する噂はこのスキャンダル以前からあり、沈黙を貫いてきた彼ですが、今回ほど大きく発展するとは思っていなかったのでしょう。

 

 

 今後と彼のキャリア

ハリウッドの中でも重要な人物の失脚はとても残念です。

毎年彼のプロデュースする作品はアカデミー賞で注目されるため、

盛り上げるのには彼は起爆剤のような存在でした。

 

今年もウィンドリバーという作品がアメリカではすでに公開され、評価が高ため来年のアカデミー賞にこの不祥事が影響するととても残念です。

 

最近ハリウッドでも女性の権利がようやく認知されるようになり、いくら凄腕の彼にでもその勢いを鎮めることができなかったのでしょう。

 

勿論彼のしたことは絶対許されることではないのですが、

彼の栄光を知っている僕にとってはここで台無しにされるのはハリウッドとしても痛手になることは間違えないでしょう。

 

そして、一度ハリウッドで干された人間がまた再び表舞台に帰ってくるのはそう簡単ではありません。

そして、いまの世の中の動きを見ると、女性関係のスキャンダルは彼のキャリアの中でも相当痛手になることは間違えないです。

 

しかし、僕は彼にまた表舞台に戻ってきてほしい、そんな願いを込めて、このブログを書いています。

 

あのAppleを立ち上げ、世界を変えたスティーブジョブスは1980年代自ら立ち上げた会社から追放されます。そこから10年間後、彼は確かに再びAppleのCEOとしてカムバックし、その後世界を変える製品を何度も世に送り出してきました

 

そんなジョブズの道のりより、はるかに大変ではあるでしょうが、ハーベイワインスタインは必ずまたアカデミー賞を盛り上げてくれることでしょう。

もしかするといとも簡単にハリウッドに戻ってくるかもしれませんが、それはわかりません。

 

これからの動向を当ブログでは随時更新するつもりです。

彼のこれからの活躍に期待したい限りです。

 

びぇ!!!

 

ヒッチハイカーがポートランドの魅力を語る![2017年夏アメリカでのヒッチハイク] part 2

こんちくわ!Shygonです!

 

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2017年夏, 西海岸を舞台にヒッチハイクを行ったのですが、

その旅を綴った記事はこちらです。

shygon.hatenablog.com

 

今回はヒッチハイカーShygonが訪れたアメリカ北西部に位置するオレゴン州に注目したいと思います。

特に州都ポートランドをご紹介します。


この街は様々な雑誌が全米一住みやすい都市として毎年名前が挙がり、

一位に輝くことも少なくありません。
ニューヨーク、ロサンゼルスなどのビックシティを退いて、なぜいわば田舎町に過ぎないココ、ポートランドに人々は魅力を感じるのでしょうか。

大きく分けると3つのカテゴリーに分かれると思います。
それでは順番に語っていこうと思います!

 

魅力① : 魅力的な観光地!!

王道な旅行としてどこかに旅行にいくと必ず有名なスポットは抑えると思います。

ポートランドで一番有名と言って過言ではないUnion station はポートランドの人々の大事な足になっている場所です。

単なる駅として機能しているのではなく、観光目的として多くの人が訪れる場所の1つなのです。


そして、ポートランドアートギャラリーです。

絵画が好きな僕にとっては最適な場所です。建物も単なる建物として存在しているのではなく、見ているだけでうっとりしそうな美しさを兼ね備えているのです。

中でも有名な絵画は山ほどあり、フランス印象派巨匠のクロードモネとルノワールの絵が見事です。他にもゴッホの絵やフラゴナールの絵もありとても有意義な時間を過ごせました。
そして、代表的な観光地だけで終わらないのがポートランドです。
街全体が観光地と言えるのがポートランド
この詳細は下記の魅力②にありますので、そちらをご覧下さい。

 

魅力② : 自然と街並み

この街ポートランド、とにかく綺麗の一言に尽きます。街並みを一目眺めるだけで一位に輝く理由がわかった気がするのです。
建物もニューヨークやロサンゼルスにはない

西洋風な傾向が強く、ヨーロッパを彷彿させます。


ドイツのような赤レンガで埋め尽くされる要素を持ち、同時にアメリカが誇るタイムズスクエアのような発展した文化社会を垣間見ることも可能なのです。

まさに都市社会の弱点をきちんと網羅し、都市化していく街と自然が見事にマッチングしているのです。
そして、部分部分がとてもお洒落なんです。

例えばこの橋。ただの鉄筋で覆うゴツい橋にするのではなく、真っ赤に染めるなど今までの僕のイメージを覆すようなインパクトがありました。
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魅力③ : 溢れ出る住民のポートランド愛

この街の住民とにかく自分の街に誇りを持っているということが伝わってきます。

僕がヒッチハイクをやった1つの理由として様々なひとと話を実際にできるという利点があるからしたのですが、ポートランドのひとと話していると地元愛をものすごく感じるのです。

道を尋ねても気さくに答えてくれて、さらにおすすめの場所まで教えてくれるのです。

アメリカの共通認識として皆さん家や車に米国旗を立てるように自国愛が凄いんです。

それをポートランドでもしっかり感じることができます。

そして、ココがポートランドの注目すべきポイントです。

僕がアメリカに来て一番驚いたこととして挙げられるのが、

太っている人が本当に多いということです。

どこにいっても老若男女太ってます。

しかし、ココポートランドはその常識を全て覆すのです。

街を歩いていてもほとんど見かけないくらい

みんなスリムな体型を維持しているのです。

その理由がまた僕は素晴らしいのではないかと思っています。

 

朝ポートランドの街中を散策しているとわりと多くの人がジョギングやスポーツをして楽しんでいます。

その効率のいい、理にかなったポートランドの生活は朝から始まっていたのです。

そして、その光景がポートランドの自然に満ち溢れた生活感と見事合っているのです。

もしポートランドに行く機会があったら朝の住宅街に行くことをおすすめします。

観光地でない、何気ない住宅街の一角にポートランドの最大の魅力が隠れているのではないかと僕は強く思っています。

そして、これを感じたのはホテルに泊まり飛行機移動の普通の旅行ではなく、

ヒッチハイクや野宿を経験したからこそガイドブックには載っていないコアな部分のポートランドを体感することができたのかもしれません。

 

shygon.hatenablog.com

 

 

前代未聞のクレイジージャーニーはじまる!?[2017年夏アメリカでのヒッチハイク] part 1

はじめに

これは何かを伝える、語る記事ではありません。

ある一定層の方のみ該当しており、申し訳ありませんが、

その他の方が読んでもよくわからないと思いますが、ご了承下さい。

こんな形が一投稿となってしまい申し訳ありません。

 

 

これは筆者Shygon

月中旬アメリカのある小さな町から始めた、極めて壮大でイカれた旅行記を綴ったものです。

 

では本題に移ろうと思う。

 

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8月某日カリフォルニア州北部の高速道路で、

Northの紙を片手に親指を立てながらアピールするひとりの青年がいた。

 

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そう、ヒッチハイクの旅の始まりである。

小柄な体格である彼には大きすぎるバックパックを担ぎ、行き交う多くの車に無視されながらも果敢に異国の地アメリカで生きていたのであった。

 

20歳である僕はまだ親から養ってもらっている立場なため、どこにいくにしても親にいま自分がどこにいるか伝える義務があるのだ。

 

ここでこれを読んでいる母親はじめ一同はギョッとしていることであろう。

補足すると僕はこの期間、彼女にはロサンゼルスに住む友達の家に行くと行って飛び出してきている。

ところがどっこい、$45を片手に握りしめ、友達などさらさらいない、 真逆な北部の街バンクーバーへ一文無しで目指しているのである。

友達の家どころか、各地で野宿を経験し、歩いて国境まで超えるという全く予想のつかないことばかりだった

 

ココで深く謝罪します。

申し訳ありませんでした。僕はわかっていたのです、ヒッチハイクをするというとはっきりNoと言われることを。

なので、考えた結果がこれです。 

 

話を戻すと僕はいまカリフォルニア州の北部のこじんまりした田舎街にいる。ここから壮大な、命の保証のないヒッチハイクの旅のはじまりである。

 

今回はこのヒッチハイクの旅をした事後報告をここでさせて頂きます。

次回からは

僕が実際に訪れた都市、

 

  • ポートランド
  • シアトル
  • バンクーバー

 

の3つの都市をご紹介すると共に、ヒッチハイク自体の実態やメリット、デメリットなど様々な角度からヒッチハイクとはに迫ります。

そして、ヒッチハイクをして実際に感じたアメリカという国にも焦点を当てたいと思います。

 

実際このヒッチハイクを経験して、ものすごい自分の中の価値観が変わり、本当にいい経験をしたと身にしみて感じているところです。

なので、その一部を本ブログでは共有していきたいと思います。

 

今回はこの辺で失礼します

 

 

shygon.hatenablog.com

 

 

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びぇ!

映画「ワンダーウーマン」 あらすじ感想:全世界の女性を鼓舞する本作が歴史的な偉業を成し遂げたのはなぜか

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©2017 DC Entertainment

こんちくわ!Shygonです!
今回は話題のDCコミック作品の実写映画化

ワンダーウーマン

について熱く語ります。

 

2017年に製作された本作は、「バッドマン」や「スーパーマン」が原作のDCコミック出身で一番人気の女性キャラクターであり、いままでも何度も実写映画化されてきたのですが、幾度も失敗を重ねてきたのです。

ですが、本作はアメリカで公開されるとすぐさま話題を呼び、低迷中で成功が少なかったDC関連の作品の復帰の兆しが見えたのです。

 

ハリウッドはいままでこのような大作映画を女性には任せてこなかったのですが、本作は女性が監督した作品の中で興行収入が史上一番なのです。

こんな偉業成し遂げてきたその裏には監督の些細な努力や、男性社会の中でたくましく生きてきた彼女の存在も本ブログでは触れたいと思います。

 

サクッとあらすじ

時は1940年代。

世界は第二次大戦に翻弄され、ヨーロッパはナチスの占領下になりつつありました。そんな時ドイツのある基地でイギリス出身のスパイが新作猛毒ガスの存在を突き止め、設計図とともに空に逃げ込むのでした。

ですが圧倒的な追手を前に力尽き、一面広がる海に失墜するのでした。

実はそこは外界と一切縁を持たない女性だけが住む島、パラダイス島だったのです。そこに住む主人公ワンダーウーマンは人生で初めて見る男性に興味を示し、彼の話を真剣に聞くのでした。

しかし、その島は男性禁制であり、審議の結果男性は死刑。ですが、外界での出来事を知った彼女は第二次大戦を集結させるために彼とともに初めての外界に飛び出していくのでした。

 

 圧倒的な映像美と美貌

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©2017 DC Entertainment

今回のヒーロー映画は一言で、映像が綺麗過ぎるという点です。

上記に示したように、大作ヒーロー映画史上初めての女性監督ということもあり、いままでの男性監督にはない作品の魅力というものがあるのです。

性別によって特徴があるように芸術面においても女性の感性は時に男性にも太刀打ちできないのです。

冒頭のシーンにて、ワンダーウーマン達が住んでいる島を圧倒的な映像美で観光できるのですが、思わず唾をゴックンと飲み込んでしまうくらい目が離せないのです。

さらに男性禁制というのもあり、そこらを歩いているのが女性だらけなのです。

 

これは映画という域を超えて、実際に観光として島に行くと、まわりはモデルみたいな女の人が歩く楽園天国なのです。こんな素晴らしい旅をたったの10ドルで堪能できる旅行はありません。

映画として、CGを駆使し、映像美を売りにする映画はいくらでもありますが、こんなにも映画ということを忘れて現実逃避できる映画はワンダーウーマンただ一つなのかもしれません。

そこにはやはり、女性が作品の統括をしたという事実も根底にはあり、男性で固められてきた社会のおわりの到来を意味するのです。

 

 ワンダーウーマンの誕生秘話

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©2017 DC Entertainment

本作はDCコミックが元となっているので、原作があるのです。

第二次大戦の最中、バッドマンやスーパーマンのように男性ヒーローしかいなかったとき、女性ヒーローの必要性を感じ、当時弁護士、発明家など幅広い顔を持っていたウィリアムマーストンによって考案されたのです。

 

なので、彼独特の特徴がワンダーウーマンにも反映されているのです。例えば、今もある、あのウソ発見器の原型を発明したのは彼なのです。それがワンダーウーマンの三種の神器として数えられる、"ラッソオブトゥルース"です。

初期設定も原作のコミックにあったものと今回の実写映画での設定は完全に違うものとなっています。これはコミック作品にはよくあることですが、作られた当時はギリシャの神々が形成したとなっております。

しかし、本作ではかつての師匠アレスの命に背き、アレスの殺し、取って代わって新たな軍神となったという設定でした。

 

ワンダーウーマンのモデルはその頃かなり珍しく、弁護士をしていた妻エリザベスと愛人のオリーブであると言われています。

この原作者は戦う強い女性ヒーローを作ったのですが、実際にワンダーウーマンのキャラクター性と原作者マーストンの実生活には矛盾が生じており、それが最近わかってきたのです。

つまり、性差別を無くすために運動する戦う女性のシンボルとして誕生したワンダーウーマンの原作者マーストンには彼がコミックで求めた理想と現実世界の彼の女性に対する行いは相反するものだったのです。

さらに原作者ウィリアム・マーストンはワンダーウーマン以上に劇的な人生を送っていたことから映画化するようです。

 

 考察

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©2017 DC Entertainment

ここまで読んで頂くとお分かりになっていると思いますが、本作新し試みだらけなのです。

  • 大作映画作品史上初の女性監督
  • 女性監督作品史上最高の興行収入
  • 史上稀な単発女優の大作主演&大成功

などこの映画の成し遂げた新たな映画制作においての指標は計り知れません。

一昔前までは女性はあくまで男性と恋に落ちる相手役に過ぎず、彼女らに焦点を当てる映画が多くありませんでした。しかし、今回はこの映画に携わった主な主要人がみんな女性なのです。

 

この背景が重なり、アメリカでは半数以上の観客が女性である、という大手米国通信社の調べもあるのです。

最近は女性も徐々にではありますが、映画製作の際に重要な役職を任されることが増えてきましたが、この作品を機にもっと女性の活躍の場が広がるのではないかと僕自身思っております。

 

つまり、

ワンダーウーマンとは単に興行的に大成功した"面白い映画"ではなく、間違えなく今後の映画制作に爪跡を残す結果となったのです。

 

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©2017 DC Entertainment

 

(ネタバレが含まれます。)

 

最後毒ガスの基地を見つけた彼らはその処理に迫られるのですが、何も打つ手がなくなったとわかったとき、脱走兵でワンダーウーマンに助けてもらった兵、スティーブはある決心をするのでした。

冒頭シーンで設計図を死ぬ気で奪い、逃げる覚悟をしたように最後も毒ガスを積んだ飛行機に1人で乗り、空中で自爆するのです。

 

僕はここのシーンを見せられたときヒーロー映画を超える何かを感じました。

なぜなら、ヒーロー映画は正義が勝つという決まった流れを守る兆候があるのですが、この映画は主要人物の1人が亡くなってしまうのです。ここのシーンで、綺麗事ばかりで終わるヒーロー映画の域を完全に超えたことを確信したのです。

 

そして、最後に監督とワンダーウーマンの映画の中での主張です。これは劇中から例を挙げたいと思います。

はじめにワンダーウーマンとスティーブが毒ガスの設計図を持ってイギリスの議会に入り込むシーンです。ここで監督の性差別への反対の意がわかります。

その当時女性は参政権すらなかったため、勿論議会に入ることは断固道断です。さらにそこで意見をいうワンダーウーマンはもっと常識はずれなのです。やはり、議会にいたご老人たちはびっくりした顔で怒鳴るのです。

このようにこの映画では華やかな映像やアクション以外に、女性監督ならではの主張というものが物語を通じて汲み取ることができるのです。

 

 最後に

今作ワンダーウーマンは映画として圧倒的な映像美、美貌をスクリーンを通じて体感できるだけではなく、そこには現状の男女間の性差別に対しての異議を唱え、映画を通じて世の中を変えようと試みているのです。

それはワンダーウーマンというキャラクターが出来た起源にも紐付けられ、戦う女性のシンボルでもあるからです。

びぇ!

 

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Netflix映画『オクジャ』はなぜカンヌ映画祭から嫌われたのか?

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Netflix

こんちくわ!Shygonです!

あの世界三大映画祭のひとつカンヌ国際映画祭で物議を醸しだし、今後映画を作っていくにあたり、映画とどう向き合っていくべきなのか考えさせるキッカケになった映画があります。

 

オクジャ(Okja)

 

2017年に大手映画配信サービスNETFLIXにて配信され、あのカンヌ国際映画祭では様々な映画クリエーターに反発を買い、結果前から受賞はないと通告されるなど謎が多く、2017年度最大の問題作となっています。

ではなぜ本作オクジャがこんなにも注目され、世界の映画関係者から反感を買ってしまったのか。今回は映画オクジャとそこの陰に潜む映画業界の裏側を探っていきたいと思います。

 

ではカテゴリーに分けて、熱く語っていきたいと思います。

 

 オクジャってナンジャ?

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Netflix

2016年ポン・ジュノ監督が新作を撮るという情報が出ました。世界的に有名な彼の新作は期待されました。

ン・ジュノは韓国出身の監督で2003年日本でも話題になった「 殺人の追憶 」を封切りに韓国国内で知名度を高めていきました。これは本が原作ですが、結末を映画の中で変え、僕の中でこの作品はお気に入りのひとつです。

そして、その数年後新作「グエムル」を発表すると、韓国国内では観客動員数歴代一位を記録して、世界に名が知られる結果となりました。

前作「スノー・ピアサー」では全編英語作品をハリウッドで撮り、注目を集めました。個人的に「スノーピアサー」は僕のお気に入りではないのですが、とてもユニークな韓国を映し出し、興味を沸かせる監督の1人だと思っております。

 

本作「オクジャ」は路線的には「グエムル」に近い、モンスターパニック映画として新作を映画館ではなく、ネット配信サービス大手のNETFLIX で配信することが決定したのです。

彼の作品では、「JSA」,「渇き」で知られる常連のソン・ガンホという俳優が出ていなかったのが、残念でした。

 

そして、予算は50億と言われるほど大作で、あのブラッド・ピット率いる会社プランBも製作に携わっています。

これは僕個人の意見ですが、ブラッド・ピットは本当に才能のある方だと思います。なぜならプランBの携わる映画のほとんどがユニークで見て価値のある映画ばかりだからです。

例えば、2017年作品賞「バイス」「ムーンライト」,「それでも夜は明ける」など社会的メッセージの強く、芸術性に長ける作品がものすごく多いです。なので、映画を見る基準としてプランBが携わっている映画を見るというのもアリだと思います。

 カンヌとオクジャの関連性

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IBTimes UK

本作、実は作品自体が問題作と言う訳ではないのです。というより普通の良作なのです。さすが、製作がNETFLIXということもあってまともです。

 

問題はカンヌとオクジャのペアです。

例えると、水と油の関係で、両者単品で捉えると単なる映画や、映画祭に過ぎません。しかし、その両方が混じり合うと爆発するのです。

カンヌ映画祭では毎年、問題作が取り糺され、話題になります。僕は一個人として、問題作がメディアに取り上げられるのもカンヌ映画祭の魅力であり、斬新な映画のほとんどがココ、カンヌで初披露されます。

 

2016年カナダの若きホープ、グザヴィエ・ドラン監督の作品も問題作として話題になりました。毎年どれか一本が問題作となる中で今年はたまたま本作オクジャになっただけで、たまたま今年はかなりの大問題作だったのです。

 

ですが、カンヌ映画祭の仕組みを理解しない以上この騒動を知ることができません。カンヌ映画祭の仕組みについては以前にまとめたものがあるので、宜しければこちらをご覧下さい。

shygon.hatenablog.com

では、これからこの騒動の全容をお話します。

この問題は一言でいうと今後の映画製作について、技術の発展が可能にした新しい配信方法と伝統的な昔ながらなの配信方法の意見の相違が事態を大きくしました。そして、大手動画配信サービスを行うNETFLIXとAMAZONについても触れておこうと思います。

 

  • AMAZON: 自社でオリジナル作品を製作しますが、はじめに映画館で放映し、時間を置き、AMAZON Primeで配信します。
  • NETFLIX: 自社でオリジナル作品を製作し、それを映画館で放映するのではなく、はじめからネット配信してしまうのです。

 

映画館に従事する人達はネット動画配信サービスが人気になると映画館への客足が悪くなるため、当然それを好ましく思いません。

その議論が各地で行われている渦中に、NETFLIXは製作費50億の大作をカンヌにぶち込んできたのです。

カンヌ映画祭というのは世界で最大級であり、歴史ある映画祭なため、古風な考えを持った方や、舞台がフランスであるということなど、いろんな要素が重なったのです。その結果、カンヌの映画祭の関係者はNETFILXの斬新な方法にはっきりとNOと突きつけ、結果前から受賞はない、と断言されてしまったのです。

 

 Shygonの考える映画配信の未来

僕は一個人としてカンヌは新たな配信方法を頑なに拒否するのではなく、寛容に受け入れるべきだと思っております。

映画というものは技術の発展とともに良くも悪くも変わっていくものです。ここで映画の歴史というものに焦点を当てると、

 

1970年代に史上最悪のデカい壁に当たります。その一昔前のテレビの普及により映画界は大打撃を受けます。

その最中アメリカではベトナム戦争で人々の映画に対しての好みや映画自体に関心をあまり示さなくなってしまったのです。ですが、また盛り返し、いまも映画は人々の生活の中に確かに浸透しています。

このように時代に映画界というものは翻弄され続けていますが、様々な人達が逆行の中知恵を振り絞りなんとか乗り越えてきたのです。

今回のカンヌ映画祭の対応は理解はできますが、新たな斬新なアイディアは時間の問題で一般社会に必ず浸透します

なので、断固反対するのではなく、次のステップに進み、そのネット配信にどう対応していくのかを考えるべきだと思います

 

しかし、ここが面白いポイントです。本作「オクジャ」の監督ポン・ジュノはインタビューにてこんなことを話していました。

「オクジャ」を見るに当たって、なるべく大きいスクリーンで楽しんでほしいと言ったのです。

せめて、タブレット。スマホは嫌だとはっきり言っています。やはり一映画製作者として大きいスクリーンで映画を楽しんでほしいという思いはどんなひとでも思っていることなのです。

この事態をかなり深刻に捉えるのではなく、未来の映画製作への第一歩だと思うと荷が軽くなるかもしれませんね。 

びぇ!

 

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映画「ジョンウィック:チャプター2」あらすじ感想: 大ヒットした前作越えな2作目

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©2017 Summit Entertainment

こんちくわ!Shygonです!

今回は大ヒットを記録した前作「ジョン・ウィック」

ジョンウィック:チャプター2

を熱く語ります!

2017年に製作された本作は前作「ジョンウィック」の続編です。「マトリックス」以降あまりヒット作に恵まれていなかったキアヌ・リーブスにとって久しぶりの大ヒットした前作で第一線に完全復帰し、注目を受けました。

 第二作目にあたる本作は公開直後にかなり脚光を浴びたのです。公開から一週間あまりで前作の合計興行収入を超えるという前代未聞の興行成績を叩き出したのです。

前作「ジョン・ウィック」につきまして詳しく知りたい方は以前にまとめておりますので、こちらを参照ください。

shygon.hatenablog.com

 
サックとあらすじ

  アブラム・タラソフのアジトから愛車を取り戻したジョン・ウィックは、かつての借り(「誓印」)があるイタリア系犯罪組織カモッラの幹部サンティーノ・ダントニオから暗殺の依頼を受ける。

今度こその引退を決意していたジョンは断るが、その代償として亡き妻との想い出が残る家が爆破される。

ジョンは、ウィンストンの助力を得ようとするも、誓印の掟は絶対だとし、サンティーノの依頼を受けることを勧める。諦めたジョンは、

引用元Wikipedia(ジョンウィック:チャプター2)

 

本作もあらゆるカテゴリーに分けて、語っていこうと思います。

 

前作との比較してみて

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©2017 Summit Entertainment

記録的な大ヒットを記録した前作に対して、続編にあたる本作は前作は超えることができなかった。というのが正直な感想です。

これをつまらないと言っているのではなくて、斬新なアクション映画だった前作の面白さをそのまま引き継ぎ、ストーリを展開しているので前作ファンには期待ができる内容になっています。

前作の大ヒットを受け製作費が約40億と2倍かかっていたため規模や、アクションは確実にレベルが上がっているのは確かです。

 

ほとんどのアクション映画のシリーズの場合、第1作というものをアクション映画の域を超えて面白いものとなっています。

それは2作目が作られるほど第一作目がヒットしたからです。でも2作目以降は1作目の洗礼的なデビューに打ち勝つことができないのです。

なので、このジョンウィックも多くのアクション映画シリーズと変わらないということです。

 

再度繰り返しますが、

アクション映画として、新たな道を開き、独特の世界観のもと前作同様のスタンスで映画製作がされています。

アクション映画の路線として考えると僕は「キングスマン」の部類に入るかと思います。ただひとが殺し合い、爆発や乱闘が起こるだけではなく、他の映画にはない、新しいスパイスを加えているのです。  

 独特の世界観

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©2017 Summit Entertainment

アクション映画を語る上で最も重要なのことはいかに人の感情の推移がアクションシーンと関連性があるのか、というところを重点的に観ています。

アクション映画でもキャラクターの感情や行動に焦点を当て、それに付随するかのようにアクションシーンを作り上げている映画はアクション映画の域を超え名作になっているものばかりです。

本作は個人的にアクション映画というカテゴリーの中でも素晴らしい作品に入ると思います。

 犬の与える印象と影響

「ジョン・ウィック」と言えば前作の解説でもご紹介通りアクションのゴツさや酷い印象を持つものに犬という正反対の印象のものをつなぎ合わせることでこれまで見たことのない場面展開を可能にしました。

 

伝説の殺し屋が可愛い犬を連れて歩くシーンなんて想像できますか?

なぜか不器用なシーンが出来上がるのです。アクション映画というものはホラー映画のように新しいことをすることが新鮮であり、評価されるひとつの指標なのです。

このようにその観点からこの映画をみると、

犬という要素がこの映画に新しい風を吹き込んだ


ジョンウィックというキャラ

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©2017 Summit Entertainment

本作を語る上で必ず通らなければならないのは主人公ジョン・ウィックです。

彼の服装は単なるスーツであまり新鮮味がなさそうですが、実はアクション映画で、必ずスーツを着用し、あの独特なヒゲや髪型のキャラが登場する映画は他にありますでしょうか?

 

その違和感しかない風貌がこの映画の雰囲気を作る上で最も重要であるのかと思います。

本作では裏で暗躍する国際的な犯罪組織が登場し、その彼らにジョン・ウィックは翻弄されていくのですが元から無口な彼は黙々と敵をなぎ倒して行くのです、持ち前の独特なスーツ姿で。

舞台のニューヨークとローマの殺し屋全員を敵に回した彼は落ち着く場所がなく、街のあちこちで突然攻撃されるのです。

敵の数が増えてもそれを黙々と仕事をこなすかのように坦々と殺していきます。それこそがこの「ジョン・ウィック」シリーズの醍醐味なのです。

しかし、前作のセンセーショナルなデビューからそれほど前進しておらず映画の新鮮味は0です。

 

 復讐と理由付け

最後にこの映画の大きな特徴のひとつである復讐ついて触れておきます。

前作「ジョン・ウィック」ではかつての大事な仲間が無残に殺され、観客の気持ちを主人公に同情させることに大成功しました。

それらの要素はアクションシーンを作る上でとても重要であり、スムーズに映画を楽しむための秘訣なのです。

しかし、本作では前作のように愛犬が殺される訳でもなくましてや仲間が殺される訳でもないのです。家が燃やされるだけでこんなに怒るのかと若干思ってしまいました。

前作に比べて本作を見ただけでは復習の理由付けとしてはインパクトがなく、納得できる内容ではないのが本心です。

 

前作の復讐の理由作りは僕の中でも最高の出来でした。

 

しかし、今作はそれに劣る復讐劇なのです。

ジョン・ウィックは映画の中のキャラクターとして、最大限に観客を楽しませてくれるのは確かです。駄作ではなく映画を充分に楽しめるのですが、映画のインパクトは前作ほどの勢いはありません。

ですが、希望が持てるのです。なぜなら本作の終わりが明らかに次作ジョンウィックチャプター3に意識しており、次作が楽しみな結末作りになっております。

ですので、見て損はなく、オススメするかと言われますとします。そんな映画が「ジョン・ウィック:チャプター2」です。

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名作『アメリカンヒストリーX』をなぜこんなに愛しているのか?【あらすじ感想ネタバレあり】

poater of movie american history x

©2006-2018 Fanpop

100本に一本くらいのペースで本当に好きな、普段の生活の中で突然見たくなる映画があるのです。今回ご紹介する映画もその中に数えられ、数少ない本当に好きな映画の一本です。

 

アメリカンヒストリーX 

 

ではなぜこんなに僕が好きなのでしょうか。今回は正確に伝えるため、細分化し、様々なカテゴリーに分けて語っていきます!

 

 あらすじと背景

1998年製作の本作はアメリカ、ロサンゼルスを舞台に、白人至上主義でネオナチの中心的な人物であった兄貴とそれに影響される弟の兄弟物語を、過去シーンを途中で組み込み、なぜ兄弟が過激な思想に傾倒していったかを現在の時間軸と共に交互に進んでいく話です。

 

製作サイドの話をすると監督トニー・ケイは他に作品はなく、主にCMなどの監督を担当する人です。

その影響もあり、場面場面のインパクトがとても強く、見た後も鮮明に頭に残るほど画作りが印象的です。

主演のエドワード・ノートンがグループの中で中心的な位置を占める兄貴を演じています。

彼は本作以外に、「バードマン(あるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡)」,「真実の行方」など非常に映画のキャラクターとして変わったイカレキレ者を演じることが多いです。

 

そんな本作も彼の特徴がしっかり反映されていて、彼の活躍が間違いなく映画の出来を左右しているに違いありません。

この映画の評価として世界最大級の映画データベースIMDbでは、全映画の中でトップ250にランクインしており、評価自体も8.5とかなり高評価であるのです。 

 

 交わる2つの時間軸

one young man and one boy talking from the scene american history x

©2015 Visual Parables

本作は非常に変わった場面展開をします。はじめに、時間軸が2つあるのです。

1つ目は現在です。兄貴は人殺しで刑務所に3年入っていて、その後の出所した初日から映画がスタートします。

2つ目は過去です。現在軸で出所した兄貴は、以前のシンボルであったスキンヘッドから掛け離れ、普通の髪型に戻っているのでした。

 

さらにあんなに白人至上主義として人種差別に傾倒していたにも関わらず、人が変わったかのようにムショ入り前の自分が導いていたネオナチの集団を脱退し、その彼らと対立するまで人が変わったのです。

 

なぜ彼があんなに傾倒していたのか

なぜあんな思想を持つようになったのか

 

を過去軸として描くのです。白人至上主義に傾倒していった背景には、昔真面目に働いていた父親が黒人の麻薬売人に殺されたという悲しい過去があったのです。その情緒不安定な時期にネオナチの思想を持つようになってしまったのです。

そして、グループの中心的な存在になった矢先に刑務所に放り込まれるのですが、その中で囚人の大部分が黒人であり、そこで多人種との関わりを無理矢理にでも持つようになったのです。

 

この主人公というものはとても頭のいい人です。なぜなら環境が変わると徐々にですが自分の間違いを自分で見つけ、危険を顧みず行動に移すのです。

過去の経験が引きつり、有色人種に完全なる偏見を持っていたのがネオナチへ導いたのだと自分で気付くのです。

このようにこの2つの重要な場面を分けて、同時に描くことで、彼らがなぜどうなったのかということが非常にわかりやすくなり、見た後でも鮮明に頭に残る映画に出来上がるのです。

 

その2つの対称的な場面を白黒とカラーの映像に区別して描き分けているのです。

過去の場面では白黒の映像加工が施され、現在軸ではカラー加工がされています。完全に視覚的に区別することで、人物の背景を時間軸で切り分けて理解することができるのです。

そして、本作はこの白黒とカラー映像の区別を他の箇所で非常にうまく活用しています。はじまりとおわりのシーンはどちらも有名なベニスビーチの浜辺で波が打ち寄せる箇所なのです。

 

冒頭では白黒であった映像が、終演間際のベニスビーチはカラーの永続加工がされているのです。

では一体この白黒とカラーの区別が成す意味とはなんなのでしょうか。それに関しては最後のコーナーでこの映画の訴えたいこと、つまり僕らへのメッセージについて語ります。

 

 印象的な画作りと影響

one naked man with nazi tatto is almost captured by police from the scene of american history x

©Youtube

映画を見るうえで

 

印象的なシーンや

言葉は観客を大いに奮い立たせ名勝負や

名シーンが生まれるのは映画をみる一種の醍醐味

 

だと思います。

例えば、「ゴッドファーザー」の登場シーンや、「ヒート」でのロバート・デ・ニーロ演じる殺し屋がアル・パチーノ演じる警察官に追い詰められるなど見所がいっぱいあります。

そんな中で、僕個人の意見として「アメリカンヒストリーX」のあるシーンは数ある映画の中でも名シーンを極めていると思います。

過去を振り返るシーンにて、兄貴デレクが刑務所に入る理由となった、殺人事件を起こし現行犯逮捕されるシーンです。

 

もう完全にネオナチに呪われ、

左胸にはナチスの刺青を彫った

狂気染みた顔をしたデレクを見たものは怖気付き

恐怖感以外感情が一切無くなるのです。

 

そんな役作り、画面作りをする兄貴を演じたエドワード・ノートンは天才の何者でもありません。

さらにそれが白人至上主義に徐々に傾倒していく彼らの移り用は見事の一言に尽きると思います。

人というものは常に成長し、その判断材料はそのときにその人が影響を受けているものです。

映画には何らかのキャラクターが登場し、彼らには感情の浮き沈みが存在し、その頂点こそが名シーンとなるデレクが警察に捕まるシーンなのです。

そして、それから更生していくデレクもその名シーンとは対称的にとても見応えがあるものとなります。  

 

 この映画が僕らに訴え続けることとは

two men and two women is walking behind the jail from the scene of american history x

©2018 Sky Cinema

 

(ネタバレが含まれます。)

 

ココの箇所がこの映画の最大の魅力であり、これを語らずしてこの映画を語ったとは言い切れません。実はこの映画物語の筋書きはとてもシンプルで難解な点は何ひとつありません

最終的に兄貴デレクは出所後、人生をやり直すため、以前いたネオナチから即座に脱退し、弟も強制的にネオナチのような過激なグループとは縁を切ります。

やっと兄弟を筆頭に家族全体が人種の違いだけで区別するという一方的な考えを捨て、家族を養うために社会復帰をしようとした矢先に弟は黒人グループに殺されてしまいます。

 

そして、この映画のタイトル「アメリカンヒストリーX」の意味です。

弟はネオナチにて中心的な存在であった兄貴を神のように拝んでおり、学校の宿題の読書感想文でヒトラーの本を絶賛しました。

勿論、いまの学校の教育理念とそぐわないということで、兄デレクの影響が大きいと考えた校長は兄貴が弟の思考回路にどのような影響を与えているのか知るため、兄弟の物語として、それをアメリカンヒストリーXと題し、提出するように求めます。

 

つまり、この映画は決して兄デレクのネオナチへの傾倒と自分の間違えに気付くまでの、彼個人の話ではなく、それが兄弟含め家族全体に響き渡るというところまでを描いているのです。

そして、弟は校長に言われた通り宿題をしっかりやり次の日学校に行くのですが、渡す前に殺されてしまいます。

そして、最後の締めのベニスビーチで弟が書いたエッセイをナレーション方式で読まれ、映画の幕が閉じるのです。

 

争いというものは決して何も生まない

 

これがアメリカンヒストリーXの結論であり、この映画の全てだったのです。

 

そして、冒頭と最後のベニスビーチの波打ちシーンの白黒とカラーについてです。

これについては確かな答えはないと思いますので、見たときにどう思うかが正解であると思います。なのでここでは僕個人の見解を述べさせていただきます。

せっかく正しい舵取りをし、まともに生活が始まった矢先にデレクは最愛の弟を亡くします。

僕は弟の最後の結論を元に考えると、その後もデレクはしっかりと社会復帰を果たすのではないかと思います。

 

弟が殺された後は映画として描かれてはいませんが、その複雑な終わり方は現代社会への投影なのではないかと思います。人種を取り巻く問題はさらに深刻にかつ複雑化しました。

このような本当に腑に落ちない、やるせないようなスッキリしなさすぎる映画は他にありません。

ですが、このやるせない、腑に落ちない気持ちこそがいまの人種を取り巻く問題の現状であり、それを描ききることを考えるとこの結末はとても納得がいくのです。

 

 現代社会と本作の繋がり

view of somewhere with american flag

ここまでご覧になったみなさんはなにか気づくことがあるのではないかと思います。「アメリカンヒストリーX」は1998年に製作されました。この映画で扱っていることと、いま現在アメリカが抱えている社会的な問題は

 

20年経っても全く変わっていないということです。

 

ここ最近世界中で無差別テロが多発や、学校で銃の無差別乱射など到底理解できないことが世界中で巻き起こっています。

その根底にはデレクのように過去の経験や現代社会への不満が募り、その発散の仕方を間違え、赤の他人に多大なる迷惑を掛けてしまうということが起こるのです。

それは本作のようにアメリカの一部だけの問題ではなく、世界中にそのような風習が広がってしまっているようなのです。

あいにくデレクはとても頭がキレるので、自分で気付き、更生をしました。

 

最後の悲劇が表すように冒頭と最後の白黒とカラーの変化は 

 

より事態が複雑化した 

 

と考えるべきでしょう。

そして、もうひとつはトランプ大統領です。2016年前代未聞の結果で彼が新しい大統領になりました。

そこにはデレクがネオナチに傾倒していったようにいまのアメリカの現状への怒りを持っている人たちがいるということを今回の大統領選にて確認できるのです。

本作の劇中で白人ではない人たちが経営しているお店を夜な夜な襲うシーンがありましたが、彼らは違法移民のひとたちを安く囲い込み、純アメリカ人である彼らの職などを奪っているとして憤慨していました。

 

このようにトランプ大統領が就任した背景には昔からいた主に白人たちの立場を奪われた人たちからの支持というものが大きかったのですから、そんな彼らが日常生活からどう思っているのかという断片的な一面を本作で描いているのです。

白人の立場から見るといまのアメリカの対応は数十年前から変わらず、その現状というものを本作、アメリカンヒストリーXでいまも垣間見ることもできるのです。

びぇ!