映画「ワンダーウーマン」 あらすじ感想:全世界の女性を鼓舞する本作が歴史的な偉業を成し遂げたのはなぜか
こんちくわ!Shygonです!
今回は話題のDCコミック作品の実写映画化
ワンダーウーマン
について熱く語ります。
2017年に製作された本作は、「バッドマン」や「スーパーマン」が原作のDCコミック出身で一番人気の女性キャラクターであり、いままでも何度も実写映画化されてきたのですが、幾度も失敗を重ねてきたのです。
ですが、本作はアメリカで公開されるとすぐさま話題を呼び、低迷中で成功が少なかったDC関連の作品の復帰の兆しが見えたのです。
ハリウッドはいままでこのような大作映画を女性には任せてこなかったのですが、本作は女性が監督した作品の中で興行収入が史上一番なのです。
こんな偉業成し遂げてきたその裏には監督の些細な努力や、男性社会の中でたくましく生きてきた彼女の存在も本ブログでは触れたいと思います。
サクッとあらすじ
時は1940年代。
世界は第二次大戦に翻弄され、ヨーロッパはナチスの占領下になりつつありました。そんな時ドイツのある基地でイギリス出身のスパイが新作猛毒ガスの存在を突き止め、設計図とともに空に逃げ込むのでした。
ですが圧倒的な追手を前に力尽き、一面広がる海に失墜するのでした。
実はそこは外界と一切縁を持たない女性だけが住む島、パラダイス島だったのです。そこに住む主人公ワンダーウーマンは人生で初めて見る男性に興味を示し、彼の話を真剣に聞くのでした。
しかし、その島は男性禁制であり、審議の結果男性は死刑。ですが、外界での出来事を知った彼女は第二次大戦を集結させるために彼とともに初めての外界に飛び出していくのでした。
圧倒的な映像美と美貌
今回のヒーロー映画は一言で、映像が綺麗過ぎるという点です。
上記に示したように、大作ヒーロー映画史上初めての女性監督ということもあり、いままでの男性監督にはない作品の魅力というものがあるのです。
性別によって特徴があるように芸術面においても女性の感性は時に男性にも太刀打ちできないのです。
冒頭のシーンにて、ワンダーウーマン達が住んでいる島を圧倒的な映像美で観光できるのですが、思わず唾をゴックンと飲み込んでしまうくらい目が離せないのです。
さらに男性禁制というのもあり、そこらを歩いているのが女性だらけなのです。
これは映画という域を超えて、実際に観光として島に行くと、まわりはモデルみたいな女の人が歩く楽園天国なのです。こんな素晴らしい旅をたったの10ドルで堪能できる旅行はありません。
映画として、CGを駆使し、映像美を売りにする映画はいくらでもありますが、こんなにも映画ということを忘れて現実逃避できる映画はワンダーウーマンただ一つなのかもしれません。
そこにはやはり、女性が作品の統括をしたという事実も根底にはあり、男性で固められてきた社会のおわりの到来を意味するのです。
ワンダーウーマンの誕生秘話
本作はDCコミックが元となっているので、原作があるのです。
第二次大戦の最中、バッドマンやスーパーマンのように男性ヒーローしかいなかったとき、女性ヒーローの必要性を感じ、当時弁護士、発明家など幅広い顔を持っていたウィリアムマーストンによって考案されたのです。
なので、彼独特の特徴がワンダーウーマンにも反映されているのです。例えば、今もある、あのウソ発見器の原型を発明したのは彼なのです。それがワンダーウーマンの三種の神器として数えられる、"ラッソオブトゥルース"です。
初期設定も原作のコミックにあったものと今回の実写映画での設定は完全に違うものとなっています。これはコミック作品にはよくあることですが、作られた当時はギリシャの神々が形成したとなっております。
しかし、本作ではかつての師匠アレスの命に背き、アレスの殺し、取って代わって新たな軍神となったという設定でした。
ワンダーウーマンのモデルはその頃かなり珍しく、弁護士をしていた妻エリザベスと愛人のオリーブであると言われています。
この原作者は戦う強い女性ヒーローを作ったのですが、実際にワンダーウーマンのキャラクター性と原作者マーストンの実生活には矛盾が生じており、それが最近わかってきたのです。
つまり、性差別を無くすために運動する戦う女性のシンボルとして誕生したワンダーウーマンの原作者マーストンには彼がコミックで求めた理想と現実世界の彼の女性に対する行いは相反するものだったのです。
さらに原作者ウィリアム・マーストンはワンダーウーマン以上に劇的な人生を送っていたことから映画化するようです。
考察
ここまで読んで頂くとお分かりになっていると思いますが、本作新し試みだらけなのです。
- 大作映画作品史上初の女性監督
- 女性監督作品史上最高の興行収入
- 史上稀な単発女優の大作主演&大成功
などこの映画の成し遂げた新たな映画制作においての指標は計り知れません。
一昔前までは女性はあくまで男性と恋に落ちる相手役に過ぎず、彼女らに焦点を当てる映画が多くありませんでした。しかし、今回はこの映画に携わった主な主要人がみんな女性なのです。
この背景が重なり、アメリカでは半数以上の観客が女性である、という大手米国通信社の調べもあるのです。
最近は女性も徐々にではありますが、映画製作の際に重要な役職を任されることが増えてきましたが、この作品を機にもっと女性の活躍の場が広がるのではないかと僕自身思っております。
つまり、
ワンダーウーマンとは単に興行的に大成功した"面白い映画"ではなく、間違えなく今後の映画制作に爪跡を残す結果となったのです。
(ネタバレが含まれます。)
最後毒ガスの基地を見つけた彼らはその処理に迫られるのですが、何も打つ手がなくなったとわかったとき、脱走兵でワンダーウーマンに助けてもらった兵、スティーブはある決心をするのでした。
冒頭シーンで設計図を死ぬ気で奪い、逃げる覚悟をしたように最後も毒ガスを積んだ飛行機に1人で乗り、空中で自爆するのです。
僕はここのシーンを見せられたときヒーロー映画を超える何かを感じました。
なぜなら、ヒーロー映画は正義が勝つという決まった流れを守る兆候があるのですが、この映画は主要人物の1人が亡くなってしまうのです。ここのシーンで、綺麗事ばかりで終わるヒーロー映画の域を完全に超えたことを確信したのです。
そして、最後に監督とワンダーウーマンの映画の中での主張です。これは劇中から例を挙げたいと思います。
はじめにワンダーウーマンとスティーブが毒ガスの設計図を持ってイギリスの議会に入り込むシーンです。ここで監督の性差別への反対の意がわかります。
その当時女性は参政権すらなかったため、勿論議会に入ることは断固道断です。さらにそこで意見をいうワンダーウーマンはもっと常識はずれなのです。やはり、議会にいたご老人たちはびっくりした顔で怒鳴るのです。
このようにこの映画では華やかな映像やアクション以外に、女性監督ならではの主張というものが物語を通じて汲み取ることができるのです。
最後に
今作ワンダーウーマンは映画として圧倒的な映像美、美貌をスクリーンを通じて体感できるだけではなく、そこには現状の男女間の性差別に対しての異議を唱え、映画を通じて世の中を変えようと試みているのです。
それはワンダーウーマンというキャラクターが出来た起源にも紐付けられ、戦う女性のシンボルでもあるからです。
びぇ!