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アメリカ在住大学生が映画について熱く語っているブログ

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「ブレードランナー2049」が描く人造人間と人間の識別が薄れていく近未来の陰とは!?[考察と解説] (ネタバレ)

こんちくわ!Shygonです!

 

今回は「SF映画の金字塔」と呼ばれ、

根強いファンがいることから「カルト映画」的人気を誇る

ブレードランナー

続編として35年ぶりの新作

 

ブレードランナー2049」

 

について熱く語りたいと思います。

 

2019年の近未来を舞台に人工知能が人々の生活に浸透する中、

「人間とレプリカント(人工人間)の差とは」というこれから来るであろう未来を40年以上前から描いている前作ブレードランナーは映画史の中でも、絶大的な人気を誇ります。

 

そして、35年の年月をまたぎ、待望の続編「ブレードランナー2049」が封切られたのです。

 

舞台は2049年の近未来に置き換えられ、核戦争の末、廃れたアメリカを舞台に様々な物語が錯綜します。

 

35年ぶりの続編「ブレードランナー2049」とは一体どのような作品なのでしょうか。

 

様々なカテゴリーに分け、熱く語っていきたいと思います。

 

前作「ブレードランナー」が与えた影響とは!?

本作2049を語る前に、前作の「ブレードランナー」について触れておく必要があります。

前作「ブレードランナー」は1982年に公開され当時としては珍しい

デストピア的未来」を描きカルト的人気を起こしました。

 

しかし、公開当時は「スターウォーズ」や「E.T」など明るいSF映画に圧倒され、世の中には浸透されなかったのです。年を重ねるたびに一定数のファンを獲得していき、いまではこれら人気作をしのぐほど人気作品へと上り詰めたのです。

 

前作「ブレードランナー」は間違いなく時代を変え、多くの人に愛されている作品です。なぜこれほど昔の作品にも関わらず、多くの映画人がいまなお映画作りにおいて参考にしていると明言するほどの大作になったのかはここでは語りきれません。

 

本作を理解するまえに前作「ブレードランナー」がなぜそれほど影響力を持ち、いまなお愛され続けているのかを必ず理解してほしいです。

なぜなら「ブレードランナー」をしるということは、つまえい映画を知るということにもなるからです。大げさかもしれませんが的を得ている発言であると自負しています。下記にはかなり内容の濃い記事を前に書きました。是非ご確認ください。

 

shygon.hatenablog.com

 

ブレードランナー2049」は豪華すぎる天才の集い!?

そして、話はやっと本作「ブレードランナー2049」に戻ります。

前作で監督を務めたリドリー・スコットは製作に回り、

本作では新税ドゥニ・ビルヌーブ監督が務めます。これまで彼は「メッセージ」などを手掛けています。

 

 

shygon.hatenablog.com

脚本家は前作同様ハンプトン・フィンシャーとマイケル・グリーンが執筆しました。マイケルの前作「ローガン」はアメコミのアクション映画ながらアカデミー賞脚色賞にノミネートされました。

 

shygon.hatenablog.com

 

次は俳優陣です。主演は「ラ・ラ・ランド」などでおなじみのライアン・ゴスリングが主人公のKを演じ、前作でテッカードを演じたハリソン・フォードも登場します。

ウォレス社社長で敵役のウォレスをオスカー俳優ジャレット・レトが演じます。

 

shygon.hatenablog.com

 

人間とレプリカントが歩んだ道のりとは!? - Kの行方は!?

監督のドゥニ・ビルヌーブは大人気カルト作品の続編を撮るにあたり、その前に短編3本を公開しました。

 

ブレードランナー2022:ブラックアウト」

ブレードランナー2036:ネクサス・ドーン」

ブレードランナー2048:ノーウェア・トゥ・ラン」

 

どれも20分に満たない短編ですが、前作「ブレードランナー」の2019年から2049年の「空白の30年」に一体何があったのかが描かれています。

なので、本作は「空白の30年」後の2049年から始ますのです。

 

前作「ブレードランナー」の本質を理解したうえで、本作へと話を進めます。

 

前作では技術の進歩がレプリカント(人造人間)の製造を可能にし、人類の文明においても需要な役割を果たすと思われていました。

しかし、レプリカントが自由に物事を考え行動するようになると人間との差

「感情の有無」

になっていきます。前作の本編ではレプリカントかを見分けるために感情の落差が実験によって影響するか、否かで人間と識別をしていたのでした。

しかし、レプリカントは徐々に感情が芽生えてくるのです。

 

そこで前作はこんな問いを投げかけて見せたのです。

「人間とレプリカントの差とは!?」

感情を持ったレプリカントは人間ともう変わらず、その境界線をわたしたちは失いつつあったのです。

 

そんな永遠に答えの出ないような問題を前作では投げかけます。

そして、30年後。

 

彼らとの差は「魂の有無」と移り変わるのです。

人間の死とレプリカントの死の徹底的な違いは魂が直結するかであります。

 

ネタバレですが、

前作のレプリカントレイチェルとデッカードの間に実は隠し子がいたのでした。

いままでレプリカントは子供を産めないものとして考えられていたのですが、子供を産んだ後彼女は亡くなっていたのです。

 

レプリカントと人間(?)の子の存在は人間レプリカントと人間の境界線をぶち壊すことを意味するのです。

 

レプリカントが子供を人間のように産めるということを絶対認めたくない人間はその「神の子」を殺すように命じます。

 

逆にレプリカントは我が同胞の希望の星ということで「レプリカント解放運動家」たちは必死で「神の子」を援助するのです。

 

そんな戦いの渦に巻き込まれる主人公Kは新型のレプリカントとして旧型のレプリカントを抹殺する「ブレードランナー」の職に就きます。そして自らがレプリカントながら、レプリカントの希望の星である「神の子」の抹殺を命じられるのです。

 

そんな「神の子」はK自身ではないかという疑心半疑のもと、Kは父親のデッカードへ会いに行きます。それは自分の記憶の奥底に幼少期の頃の記憶が頭の片隅にあったのです。

 

最終的にそれらの幼少期の記憶は植え付けられたものであり、自分は人間でなく、レプリカントであることを知り、失望してしまうのです。

しかし、そんな自分のレプリカントとしての役目は「神の子」を守るということ。

 

父親デッカードを「神の子」、自分の娘と会わせると、真冬の雪積もった場所で、ひとり尽きるのです。

 

近未来の廃れた世界を描く「ブレードランナー2049」の世界観とは!?

雨が画面全面に降り注ぎ、暗黒世界を徹底的に表現した前作とは打って変わり、

重くずっしりとした雲から降り注がれる白い雪があたり一面を覆っているのが本作の特徴でしょう。

 

つまり、「季節の変化」です。

大人気作の続編ということもあり、前作「ブレードランナー」を強く意識して作られており、雨が降り注ぐ真夜中の描写も多々情景描写として登場します。

腐敗したラスベガスを彩るあたり一面に広がった砂漠、アジアの文化を意識したような都市作りは前作同様相当「ブレードランナー」しかない唯一無二の世界観です。

 

それらの情景を大胆に映し出す、カメラワークは名撮影監督ロジャー・ディーキンスの手腕の高さを覗えます。(毎回アカデミー賞を逃すディーキンス、今回こそは初受賞を願ってます笑) ※これまでアカデミー撮影賞には14回ノミネートされていますが、いまだに無冠です…

 

次に音楽です。これも現代の映画音楽家の中でも3本の指に入るハンス・ジマーが作曲を担当しています。音楽についてはただ最高、、、この一言に尽きます。

こんなに見ていて音楽映画の世界観を助長し、完成させられた世界を持つ音楽はやはり唯一無二の神業です。

 

各分野の天才が挙って集まり完成させた本作は稀に見る「何回でも見たいと思う作品」です。特にKが最後に力尽きるシーンほど視聴者をゾっとさせ、エンドロールの間にココrを撃ち抜かれるような感情は感じた者しかわからないのです。

 

そんな本作アカデミー賞では5部門に見事ノミネートされています。

個人的にはもう少し評価されてほしい節はありますが結果が楽しみです。

 

びぇ!

「ブラックパンサー」: アベンジャーズの鍵を握るマーベル史上初の黒人ヒーローとは!?[考察と解説] (ネタバレ)

こんちくわ!Shygonです!

今回は2018年はじめのマーベル映画一昨目で、大注目の

 

ブラックパンサー

 

について熱く語ります。

 

2018年製作の本作は、製作のほとんどが黒人である世界で初めての大作映画です。

 

同じく製作のほとんどが黒人であったムーンライトがはじめてアカデミー賞作品賞に輝くなど、最近黒人の活躍は人種を超えて活発になりつつあります。

 

shygon.hatenablog.com

そして、史上初のマーベルという巨大スタジオまでもが黒人に任すなど時代は変わりつつあるのです。

 

ブラックパンサーマーベルコミックスを原作とし、

「シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ」で映画デビューを飾り、

2018年夏公開予定の「アベンジャーズ インフィニティー・ウォー」に参加が報じられるなど今年を彩るにふさわしい作品です。

 

では様々なカテゴリーに分け、本作を熱く語っていきます!

 

あらすじ

舞台はアフリカの架空の国ワカンダ。

主人公のチャラの父親が国際会議中に殺され(詳しくは 「シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ」参照)、次期王として準備をしていた。

前国王の死により、国が乱れる中、謎の敵エリックに頭を悩ませられるが‥

 

黒人で埋め尽くされる製作たち

出演者はもちろん、監督、音楽までもが黒人で埋め尽くされています。

 

主演はチャドウィックポーズマン。

謎の女戦士を演じるのはオスカー女優ルピタニョンゴ、

敵役エリックはマイケル・B・ジョーダン

 

主要キャラクターは黒人であり、全員がいま注目株で今後が楽しみな俳優さんたちです。

次に監督と共同脚本を務めたライアン・クーグラーも黒人であり、

「ロッキー」シリーズの初のスピンオフ「クリード チャンプを継ぐ男」で世界的な脚光を浴びた新税のクリエーターのひとりです。

 

最後に音楽です。

本作は本編のほとんどがアフリカを舞台としているため、サウンドトラックも自然とアフリカを彷彿させるような伝統的な音楽が鳴り響きます。

そしてなにより注目なのは人気ラッパー「ケンドリック・ラマー」が本作のために新曲を書きおろしているということです!

 

「インフィニティ―・ウォー」に続く貴重な「ブラックパンサー

ここからはネタバレが含まれます。

前王の父が亡くなった後、チャラは伝統的な儀式後、正式にワカンダの新王に即位します。王というものは精神的にも肉体的にも強い存在でなければいけないため、それに不満のあるものは挑戦し一対一の肉体バトルが繰り広げられるのです。

 

実は謎の敵エリックは前王の父の弟の息子であり、20年前に父に殺されていたのです。それに強い憎しみを持ったエリックは仇を討ちをしたかったのです。

一回はエリックの挑戦に撃ち負け、奈落の底に落ちたチャラでしたが仲間の助けもあり命を取り留めます。

国民の象徴的な存在として、エリックを倒し再び王に返り咲いた彼は国際会議でワカンダの最新技術を世界に共有することを宣言し、映画の幕が閉じます。

 

そして最後にマーベル作品御用達のエンドロール後のおまけにはバキが登場します。

「シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ」で自らの身をくらますためワカンダに匿ってもらっていたのです。

 

今年最大の注目作「アベンジャーズ インフィニティー・ウォー」に続く新たなヒーローの単独映画「ブラックパンサー」はマーベル史上初の黒人ヒーローとして期待以上の映画であったこてゃ間違いでしょう。

ますますアベンジャーズの行方が気になります。

 

びぇ!

 

「シェイプ・オブ・ウォーター」が全世界に向ける真の恋愛物語とは!?- イライザは何者なのか?- [考察と解説] (ネタバレ)

こんちくわ!Shygonです!

 

今回は第90回アカデミー賞で最多13部門にノミネートされた映画

 

シェイプ・オブ・ウォーター

 

を熱く語ります!

 

本作は冷戦期のアメリカを舞台に政府の秘密研究所に捕らえられた半魚人とそこで働くひとりの女性との純粋な恋物語です。

 

はじめ聞いたとき、半魚人と女性とのラブストーリーなんてくだらないと思っていました。

ところが、ベネチア映画祭で最高賞にあたる金獅子賞を取り、ほかの映画祭の主要タイトルとみるみる取っていきました。

 

そして、アカデミー賞では最多の13部門が候補となるなど今年一番といっても過言ではないくらいいま勢いに乗っているのが本作の特徴です。

 

いざ映画館に足を運んでみると

なんて美しい映画なんだろう、、、

ぽつりと言葉が出てしまうくらい非常に綺麗で心が洗浄された気分になります。

 

怪獣と人間という不気味なカップルをこれほどにも鮮明に映し出し、心が浄化されるような体験をするのははじめてです

 

そしてこんなに様々な仕掛けが全編通じて張り巡らされている映画は

まさに映画オタクのギレルモ・デル・トロ監督らしいといえるでしょう。

 

では一体どんな体験を本作「シェイプ・オブ。ウォーター」で筆者はしたのでしょうか?

 

早速掘り下げ、熱く語りたいと思います。

 

本作の様々なトリックの種明かしは最後の章でばっちり語っていきたいと思います。

あらすじ

1960年代アメリカ東部。

ソ連との冷戦にシビレを切らす両国は研究に研究を重ね、

他国を圧倒しようと必死であった。ある日、政府の秘密に基地にアマゾン近郊で捕獲したという半魚人が研究所に運ばれてきた。

そこで夜勤として働く発音生涯のイライザは徐々にその半魚人に惹かれていくが・・・

 

ソ連のスパイ、清掃員の恋、それに加担する売れない画家など様々な人たちの思惑が錯綜する中、女性と半魚人の禁断の恋物語がいま幕を開ける。

純粋な恋物語シェイプ・オブ・ウォーター」とは!?

2017年に製作された本作はベネチア映画祭で公開されると最高賞にあたる金獅子賞に輝き、各映画賞でも主要部門を独占した話題作です。

 

脚本と監督を務めたのはギレルモ・デル・トロで、彼は「パシフィック・リム」や「パンズ・リビランス」などで有名です。

彼の特徴として幻想的なおかしな空間を毎回徹底して作り上げます。

 

今作も3年半かけ綿密に作り上げ半魚人には江戸時代の絵をモチーフにしたそうです。

 

キャストはサリー・ホーキンスが発音に障害のある清掃員を、リチャード・ジェンキンスがゲイの売れない老人画家に扮しました。黒人同僚のゼルダオクタヴィア・スペンサーが演じました。

 

サリー・ホーキンス全編通じてほとんど話さず、手話での会話は圧倒的な存在感を魅せる傍ら、妄想の中でのミュージカルシーンや目つきで訴える彼女の演技はまさに天才しかなしえない技です。

 

そして、半魚人はモーションキャプチャーなどは使わず、実際にダグ・ジョーンズが演じました。半魚人という人間離れしたキャラクターを彼は見事に演じ切り、観客は現実世界との区別を難しくさせるほど驚きの連続でした。

「シェイプオブウォーター(水の形)」が意味することとは!?

 

キャラクターの共通点を見ていきましょう。

主要なキャラとして、主人公のイライザ黒人同僚のゼルダゲイの老人画家ジャイルズ、そして半魚人です。

 

イライザは幼い頃のケガから話すことができず、手話で会話をしています。

ゲイの老人は画家をしていながら、絵は全く売れず、、そして黒人女性のゼルダ

 

彼ら3人に共通することは誰も社会的に認められず、なにかを主張しようとすることすら許されない「声を持てない」人たちなのです。

 

1960年代という時代は、ゲイであることは認められず、黒人でかつ女性というのも、障がいであるのも、他の一般的なひとたちと同じ立場で物事を発することができないのです。

 

そんな社会的な立場の低い彼らが気取っている白人に「反逆する映画」なのです。

そしてこの状況というのは数十年経った今でさえ変わっておらず、そんな世界情勢に終止符を打とうという本作の覚悟が見受けられるのです。

 

さらに半魚人と女性の恋愛物語は全世界の人たちへのエールを送っているのです。

 

「半魚人と人間の恋愛物語」を聞くとなにを思い出すでしょうか。

「人魚姫」、そして「美女と野獣」が挙げられるでしょうが、これらの物語は最後には扇様に戻ったり、両者が美男美女であるのが必須条件であることをもとに物語が成り立っているのです。

 

そんな物語を見てきた僕らは勝手に心のどこかで固定概念を植え付けていたのです。

 

人間と半魚人は美男美女じゃないとだめ!と。

 

しかし、そんなのは一種のプロパガンダであり、監督はそんなステレオタイプを打ち砕きたかったのです。

 

いままで、誰が「醜い半魚人と40代の発音障がいを持った女性の恋愛物語」を観ようと思ったのでしょうか。

この映画は紛れもなく新しい映画であり、未来に確実に残っていく映画であることは間違いないでしょう。

 

それこそが「シェイプオブウォーター」、つまり「水の形」であるのです。

 

「シェイプオブウォーター」が思い描く「愛の形」とは!?

ではタイトルの「シェイプオブウォーター(水の形)」にはどんな意味が込められているのでしょうか。

インタビューの中で監督がこのように語っていました。

水はどこでも通り抜け、どんなものにも形が変化します。

つまり水は最も柔軟で強力なのです。

そして、それは「愛」でもあるのです。

年代、宗教、性別、人種など愛する相手によって愛は形を変えます。

題名の「Shape of Water」はそんな水の性質から愛の形へのオマージュなのです。

 

そんなタイトルに込められている本作の訴えは外見の違いや、偏見に捕らわれ、ひとつの枠組みの中でといういまの形の社会的構造からの脱却を試みようとしているのです。

 

水のように愛は柔軟に強力なもの、そしてそれは愛の形でもあるのです。

 

最後にこんな言葉でこの章を閉めたいと思います。

 この言葉は僕がこの映画で一番好きな言葉です。

 

Unable to perceive the shape of you, I find you all around me.

Your presence fills my eyes with your love,

it humbles my heart, for you are everywhere.

 訳

 愛は感じることができる たとえそばにいなくても

 

とてもこの詞的な美しい言葉を日本語にするのは難しいですが

こんなに素晴らしく、ポエムのような言葉で本編は幕を閉じるのです。

 

「シェイプオブウォーター」のトリックを大解剖!?

この章ではいくつかのカテゴリーに分け、本作のトリックを紐解いていこうと思います。

はじめに音楽の存在です。

映画業界でも3つの指に入るアレクサンドラ・デスプラが担当しています。

彼は今まで「英国王のスピーチ」、「アルゴ」、「ハリー・ポッター」をはじめ有名作品を手掛けている他、「グランド・ブタペスト・ホテル」では映画人の最高の栄誉、アカデミー賞もとっています。

 

そして、本作でも勿論ノミネートされています

 

彼の特徴はこれといったことがなく、作品によってかなり雰囲気が変わっていきます。

そして本作では過去作品を上回る最高な音楽が出来上がっていると個人的には思います。

 

「半魚人と発音障がいの女性の恋愛物語」となると現実離れしているため、

観客を自然と別世界へ誘い、本作の世界観と現実世界の別離が不可欠になります。

 

ハリーポッター」のような魔法の世界を観客に提示することが必要なのです。

 

彼の音楽は果てしなく続く深海をさまよう人魚を追いかけているような感覚を気付かぬうちに脳裏で体験している、そんな感覚を覚えます。

 

しかし同時に舞台がアメリカのそう遠くない過去の話なため、現実感もしっかり保てているのです。

言葉では難しいですが、

音楽が本作の雰囲気の枠組みを決めているといっても過言ではないでしょう。

 

そして、主人公のイライザは声を発することができないのに夢の中でミュージカル映画の主演を演じており、現実でもミュージカル映画を見ながらダンスをマネするなど、未知の世界にキャラクターまでもがどっぷり浸かっている状況なのです。

 

最後に、ネタバレが入ります。

主人公イライザについての謎解きをします。

彼女についての情報をまとめると

 

小さい頃の事故で声を発せず、そのキズがいまも首回りに残っている。

さらに捨て子であり、海の麓で発見された。

 

彼女に関しておかしなこともあります。

開始一分経つと、40のおばさんの自慰行為が映し出されます。

しかも、彼女は水の中でそれを行うのです。

ラストのシーンでは海の中で半魚人に抱きかかえられると、ないはずのエラがニョキニョキでてくるのです。

 

これらの情報をもとにするとひとつの仮説が生まれます。

 

イライザは半魚人であった。

 

これが本当だとすると、話せないことや自慰行為までもが海の中、そして事故だとされてたキズはもともとあったものになります。

そして海の近郊で発見されたのも納得がいくのです。

 

そんな仕掛けまで用意する本作はバケモノです。

 

日本公開されるときは一部のシーンがカットされ、R18がR15になって公開されるようですが、ほんとに毎回日本のすることには唖然とします。

 

この映画はもとから「大人の映画」であり、アメリカでもR指定での公開です。

正直この無礼な対応に若干の怒りを覚えますが、ぜひみてほしいものです。

 

 

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びぇ!

「君の名前で僕を呼んで」を見てなぜゲイの友達は号泣したのか?[考察と解決] (ネタバレ)

こんちくわ!Shygonです!

 

今回は話題の作品「君の名で僕を呼んで」を熱く語ります。

 

アメリカは日本とは違いLGBTと呼ばれるレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、そしてトランスジェンダーのコミュニティーが広く認められています。

 

学校を歩いていても、普通のカップルのように過ごしている彼をよく見るほどです。

 

そんな中、僕のまわりにも何人かLGBTの友達がいるのですが、

本作をかれらと見に行きました。

本編が終わりエンドロールが流れ始めると、横で涙しているのです。

 

なぜこれまで様々な同性愛の映画を見てきた彼らはこの映画で涙したのでしょうか?

 

様々なカテゴリーに分け、熱く語っていきます!

 

あらすじ

1983年イタリアの夏。

17際のエリオは夏休みに家族とともに避暑地を求めて、別荘に移っていた。

普段はアメリカの大学で考古学の教壇をとる父と、何か国語も流ちょうに話す母にエリオも引けを取らず、イタリア語、フランス語、英語を操り、ピアノ、ギターをも弾ける秀才であった。

そんな家族のもとに父親のアシスタントでありエリオの面倒をみるようにオリヴァーが訪ねてくるのであった。

エリオとオリヴァーの恋は突然はじまるのであった・・・

 

「君の名前で僕を呼んで」が描く最高の「美」とは!?

この映画ひとことでいうと、

美しすぎるのである。

具体的に本作が描く「美」とはなんなのか、様々なカテゴリーに分け語ります。

真夏のイタリアの別荘地を舞台に、

古代的な建物や壮大に広がる緑に人々は魅せられます。

こじんまりした街並みに、ルノワールやモネの世界観のような生い茂った田舎町は

「美しい」以外の言葉が見当たりません。

 

そんな駆け回りたくなるような大草原を舞台に本作は語られ

そんな贅沢な景色を圧倒的な映像美で描くのです。

 

  • 彫刻のような肉体美

主人公のエリオは、全編通じてほとんどが上裸なのです。

まるで幼い少年のような未発達な体とは対照的に、

オリヴァーは鍛え上げられた筋肉で覆われた体つきをしています。

そんなかれらをみているとローマを描くベルニーニの彫刻を彷彿させます。

まさに「動く彫刻」とべきいえるほど美しいのです。

 

  • 一直線に生きる彼らの恋愛美

この観点に関しては次章で詳しく語ります。

 

「君の名前で僕を呼んで」が描く恋愛観とは!?

ネタバレが含まれます。

限られた夏休みという時間の中で、

誰もが経験したような初恋の甘酸っぱさを詳細に描きます。

エリオにとって愛というものをはじめてしる喜びと、失う喪失感をひと夏に体験するのです。

そんな無頓着なエリオはこんなことを教わるのです。

恋愛というものははじまりがあるが、いずれおわりがくる

 

17歳には辛すぎる夏の経験を切り取り、淡々とカメラは彼を追いかけます。

 

本作は同性愛の映画でも、決定的に他の同性愛の映画と違う個所が何点か見受けられます。

エリオはオリヴァーと恋仲になる一方、同世代の女性の彼女がしっかりいるのです。

一般的な同性愛の映画の特徴として、

二人が結ばれているということを隠したり、それを後ろめたく思う気持ちが必ずどこかで描かれます。

例えば、「ブロークバック・マウンテン」、「ムーンライト」は自分がゲイであることに後ろめたい気持ちを抱き、隠し通そうとする葛藤が非常に巧妙に描かれます。

 

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それは法律上、同性愛が認められていないことや、世間からの風通しがきついなど様々な要因がありますが、

本作にはかれらに後ろめたさが全くないというのが特徴です。

 

まさにココが友達が涙した理由です。

いままで数多くの同性愛映画が存在する中、

そのどれも後ろめたさや自分の本当の気持ちを押し殺す場面ではなく、

本当の自分を全部さらけ出す様に感動を覚えたのです。

 

LGBTコミュニティーを本当に心の底から認める最初の映画になったのではないでしょうか。

 

最近徐々に同性愛が社会的に受け入れられてきましたが、

実は古代ローマでは同性愛は認められており、

これまで古代ローマ」というワードが一貫して出てきたのはそんな理由からきているのです。

 

実は本作自体が古代ローマ風な映画であり、設定は違えど、古代ローマの神話的な話に過ぎないのです。

 

そして、最後シーンでは季節が変わり冬になると家族のもとに一本の電話が入ります。

 

「オリヴァーが結婚した。」という電報です。

 

家族は歓喜に飲まれるほど彼の結婚発表を喜びます、エリオを除いて。

 

家族の誰も知らないふたりの禁断の恋。

彼は夏の思い出を全て囲い込むように暖炉の前で涙するのです。

 

あの暖炉の前でひとりでひと夏を思い出すエリオは言葉になりません。

 

脚本家のジェイムス・アイヴォリーは本作の執筆に9か月かけ、監督のルカ・グァダニーノは「ビフォア・サンライズ」(リチャード・リンクレイタ―監督)のような続編構想を練っていると発言するなど、もう興奮する話ばかり耳に入ってくる本作ですが、

第90回アカデミー賞の最有力と呼び名が高いです。

 

日本公開は4月ですが、、、

 

びぇ!

 

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「バトルオブセックス」はいまだからこそ見なくてはならない作品 !?[考察と解説] (ネタバレ)

 こんちくわ!Shygonです!

 

今回は2018年上半期の中でも注目株の映画を熱く語りたいと思います。

 

「バトルオブセックス」

 

は2018年製作で、1972年に実際に起こった有名テニスプレイヤーの男女がコートの上で熱い死闘を繰り広げた事実が元になった映画を取り扱います。

 

実際に実在し選手としても有名であり、

男女同権を訴えていたビリージーンキング(29歳)と

男性優位主義者の元テニス選手ボビーリッグス(55歳)の「性別を越えた戦い(バトルオブセックス)」を50万人以上がテレビの前で見守りました。

 

カリスマ同士の正面衝突の背景とは?

1970年当時、アメリカでは圧倒的に男性社会であり、

女性は家庭を守り、男性の世話をするもとと思われていました。これはアメリカに限らず、日本でもつい最近まで行われていたことですが、プロスポーツ界もその例外ではなく、

特に賞金では男女間でかなりの格差が生じていました。

その風潮を変えようと

男女同権を訴えるひとりの女性、ビリージーンキングがいました。

彼女は選手として既に名声を得ており、女性のカリスマ的存在でした。

そこに男性優位主義者の元テニス選手ボビーリッグス

彼女にチャチャを入れ始めるのです。

彼の成すこと全てドが過ぎていたのです。

インタビューでは「女は料理とベットにいるときだけだ」と発言し、

自らを「ショービニスト(男性優位主義者)」と称するなど男女間の対立は白熱さをどんどん増していきました。

 

ビリージーンキングは必死にその賞金格差をテニス界にも訴えましたが、

関係者らは「女のテニスは迫力がないし、つまらない」などと言われ、

ボビーリッグスには「55歳の俺でも女には勝てる」などと言われる始末でした。そこで女性の権利向上のため自らこの無謀ともいえる、前代未聞の戦いに挑むのです。

 

公式戦ではないため、試合までビリーはあぐらをかき、様々なことを仕出すのです。

55歳にも関わらず、フルヌードになってキングをおちょくり、

女装でテニスをし、

そして「女性差別のブタ」と書かれたTシャツをきるなど、徹底的に女性を罵倒したのでした。

 

そしてついて前代未聞の男女間の未来を賭けた試合がはじまるのです。

 

この試合が後世に与えた影響

ここからはネタバレになりますが、

公式戦でもないただのテニスの試合に全米が注目する結果となりました。

それはテニスの試合以上に男女平等を訴える女性とそれを阻止せぬとする差別主義者の戦いでもあったのです。

映画の中で、ボビーリッグスのスポンサーとして出てきた「シュガーダディーキャンディー」の創設者のロバートウェルチも極右主義者をして知られ、この試合は女性陣としては勝つこと以上に意味のある試合でもあったのです。

 

テニスの試合は白熱した展開が繰り広げられ、

ビリージーンキングの圧勝で幕を閉じたのです。

この結果は女性を奮い立たせ、女性は男性の補助で、社会の表に立つ必要はないなどの古いしきたりに「ストップ!」をいう出来事のきっかけだったのかもしれません。

そして、ビリーが入場曲として使っていた曲「I am Woman」はその年の大ヒット曲になったそうです。

 

2人のカリスマを演じきった俳優たち

ビリージーンキング役はエマストーンが演じました。

本編通じてノーメイクで演じ、そして実際のテニスを打ち合うシーンはCGではなく、実際に練習し撮っていたそうです。

彼女は本作の前の年に「ララランド」でアカデミー主演女優賞に輝いた人です。

前作でハリウッドで女優を夢見る女の子を演じていましたが、ここまで逆方向の演技まで完璧にこなせるのはまさに天才です。

 

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ボビーリッグス役はスティーブカレルが演じ、その表情、顔全てが本人と引けを取らないまさに絶賛すべき変わりようです。

 

そして、監督です。本作はジョナサンデイトンとヴァレリーファリスの夫婦が務めています。彼らは本作の他にも2006年公開の「ミスリトルサンシャイン」などで知られています。

 

「Battle of Sexes」をいま見る理由

いままで本作を一通り全容を説明してきましたが、

ボビーリッグスの人物像を理解して何か現在に通ずるものあるかと思いました。

 

米国大統領トランプ大統領です。

 

インタビューの中で、監督は当時ヒラリー候補とトランプ候補で大統領選をしていたとき、本作と共通する部分があると答えていましたが、彼が大統領になり、再び男女間の差別というものを考えるべきときが来たのではないでしょうか。

本作は数十年前の話を映画化しただけではありますが、

その当時と状況は変わってなどいなく、トランプのような人が国のトップになってしまったいまの世の中を見直すという意味で、この映画を通して考えるべきです。

 

そして、2017年半ばにハリウッドを驚愕させる出来事がもう一つ起こります。

大物プロデューサー、ハーベイワインスタインの長年に渡ってのセクハラが暴露され、それに伴って多くの大物が芋づる式で明るみになりました。

 

shygon.hatenablog.com

 

多くの女性が#MeTooと被害を訴える一大事に発展しましたが、そんな男女間の差別も本作「Battle of Sexes」にも訴えかけてるのです。

 

いまハリウッドが抱える解決せねばならない問題に対して、本作はダイレクトに訴えかけているのです。

 

2017年夏公開の「ワンダーウーマン」はヒーロー映画の枠に留まらず、女性を鼓舞する映画としてものすごく脚光を浴びましたが、本作も今年を彩る映画の一作になったのは間違いないでしょう。

 

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ひとりの女性が数十年前に訴えかけたかった男女同権。

 

そんな彼女が求める世界はいつになったら訪れるのでしょうか。

 

男女同権に社会が近づく一歩として、セクハラ問題は人々の認識を変え、本作はその動きに間違いなく加担したでしょう。

 

 

本物のビリージーンキングはその後10年以上にわたる女性との不倫が明るみになり、世の中からバッシングを受けることになりますが、本作では彼女の最後が描かれることはなく、あとがきにも一切そのことは触れられていませんでした。

 

びぇ!

「ベイビードライバー」がただのアクション映画以上に評価された理由とは?[考察と解説] (ネタバレ)

こんちくわ!Shygonです!

 

今回は2017年夏公開のちょっと変わったアクション映画

 

ベイビードライバー

 

を熱く語りたいと思います。

 

強盗集団の逃走の手助けとして、

ドライバーをしている主人公が様々なことに巻き込まれてゆく様を描いた本作は、

夏公開のアクション映画と、時期、趣向が全く違うにも関わらず様々の映画祭で取り上げられるなど、

とても芸術性に高い新しい映画として注目を浴びています。

 

あらすじ

主人公べ―ビーは強盗犯のチームの一員として、

ほかのメンバーの逃走経路を確保するとともに、

凄腕ドライバーとして活躍しています。

しかし、彼は仕事中も含め、四六時中イヤホンで音楽を聴いている青年であった。

それは彼の過去の苦い経験が深く関わっていたのだった。。。



ただのアクション映画で終わらない理由とは?

本作はエドガーライトが監督と脚本を担当しています。

彼は昔から変な映画を撮るようなことが多く、

最近の中では

「ワールズエンド 酔っ払いが世界を救う!」

という名前の通り少し移植の映画が多いといった印象です。

 

主演はアイゼンエルゴート。

長身でイケメンな彼は様々な映画にいま引っ張りだこの俳優です。

 

他にも有名どころとしては

ジェイミーフォックスやケビンスペイシーなど豪華な顔ぶれです。

 

一見この映画のあらすじを見ると

「トランスポーター」シリーズを彷彿させます。

 

しかし、その他のありきたりな設定や映画の雰囲気を超えるような魅力がこの映画にはあるのです!

 

いくつかある画期的な仕掛けをご紹介します

 

音楽がブーストベイビー

いままで多くのカーアクションを見てきた筆者はほとんどの仕掛けにはうんざりしています、本作以外は。

 

通常「ワイルドスピード」のような男の中の男が繰り広げるカーアクションは多くのファンを魅了させます。

しかし、本作は全編通じて、主人公ベイビー好みの音楽が流れっぱなしになっているのです。

 

車同士がもの凄い音を出してカーアクションを繰り広げるときが最大の盛り上がりを見せます。

そしてそんな場面ではその臨場感を最大限に引き出すため、周りの音を抑えます。

 

しかしこの映画は本編の中でカーアクションが一丸の見せどころのはずなのに、

 

大音量の音楽が本編の音を支配します。

 

これは一番の長所を潰すことになるのです。

 

ではなぜ一番の見せどころを潰して映画として成り立っているのでしょうか?

 

それが主人公の特殊能力に繋がっていくのです。

 

これはネタバレになりますが、

主人公ベイビーは幼いころ車の中で口論していた両親の交通事故で先経たれます。

まだ幼い少年であった彼には辛すぎる経験でした。

 

それからというもの彼はIpodで音楽を聞いていないと感情を取り乱すようになってしまいます。

 

そして音楽を聴いている彼はまさに無双状態です

 

車の運転は言うまでもなく、

達人級でどんなに困難な状況でも出し抜く実力があるほどです。

 

そして、耳元で爆音で音楽を流しているのにも関わらず、相手の口元の動きを見て、

何を言っているか瞬時に理解し、返答までするというまさに天性の実力です。

 

カーアクション映画歌詞付きの音楽という、

水と油の関係のような相対する関係の2つが

こんなにも交じり合う映画は見たことがありません。

それを可能にしたのは紛れもなく、

主人公ベイビーの特質と音楽が生み出すリズム感です。



手話が表現する映画の斬新さ

主人公の同居人として老黒人が登場します。

ベイビーは白人の青年で、両親は回想シーンの中でどちらの白人なのがわかります。

 

その彼とこの足が悪く、手話を交わして話す両者の関係はそこまで本編では語られませんが

 

そんな両者が手話を返して会話するのは極めて新しく、

斬新と言えると思います。

 

アクション映画に関わらず、ほとんどの映画に手話が出てくることがほとんどないため、

してそれがアクション映画という一見手話のようなものと全く関わりがないもの同士を繋げる仕掛けはまさに斬新といえよう。

 

これはカーアクションと音楽の関係のようにここでも手話とカーアクションが交じり合っているように思えます。

 

ベイビードライバー

過去に傷を負った一人の青年の恋物語でもあり、裏では強盗犯として凄腕ドライバーをする犯罪アクション映画であるある「ベイビードライバー」

 

そして最後のシーンでは強盗として警察に顔を割れたため、愛する彼女と共に逃走を図ろうとする彼の目の前に警察に取り囲まれます。

 

彼女の前で自首を決心した彼は車のカギを川に投げ入れ、投降する姿はまさに男のロマンそのもののような気がします。

 

僕的には最後の幕の閉じ方が映画として最高に花のある描写であると思います。

 

びぇ!

「レイディー・バード」は思春期の娘と母親を描く史上最高の家族物語だ!![考察と解説] (ネタバレ)

こんちくわ!Shygonです!

 

今回はRottenTomatoesという映画サイトにて史上最高の好評価を受けた

 

「レイディー・バード」

 

について熱く語りたいと思います。

 

軽い気持ちで映画館にいき

 

思わず涙が出てくるほどの映画を久しぶりに見ました。

 

いままで多くの映画を見てきたShygonですが

ここまで自分と通ずる何かがあり、

共感する映画は他にないです。

 

本作は監督と脚本を担当し、

女優でもあるグレタ・ガービング経験談を元に、

思春期の中でたくましく生きる娘と母親の家族ドラマです。

 

あらすじ

2002年カリフォルニア州サクラメント

高校2年生のクリスティーンこと”レイディー・バード”は

髪を真っ赤に染め、カトリックの高校に通っていた。

そろそろ進学のことを考え始めた彼女は母親に東部に進学したいと打ち明けるのであったが、、、

 

サクラメントはド田舎と毛嫌いする娘と思春期を果敢に生きる娘を育てる母親の壮大な人間ドラマがいまはじまる。。。



「レイディー・バード」の背景

2017年に低予算で製作された「レイディー・バード」は

本作で監督兼脚本を務めた女優グレタ・ガービングの初監督作品であり、

彼女の経験を元に描かれているといわれています。

 

名門コロンビア大学を卒業後、女優として活躍する傍ら、

「フランシス・ハ」では脚本も兼任しました。

 

インタビューの中で、彼女は

「自分の経験ではないけど、

私の知ってることと通ずることがたくさんある」

と答えています。

 

そして、「6歳の僕が大人になるまで。」の女性バージョンのようなものを目指したとも語っています。

 

(僕がアメリカに来る決定打は「6歳の僕が大人になるまで。」であり、

だからこの作品が大好きなのです)

 

キャストはシアーシャ・ローナン、ルーカス・ヘッジス、ティモシー・シャメラと実力派若手が脇にそろっています

 

シアーシャ・ローナンは「ブルックリン」でアカデミー賞にもノミネートされ、

 

ルーカス・ヘッジスは昨年の

マンチェスター・バイ・ザ。シー」でノミネートされると90回アカデミー賞で本作の対抗馬「スリービルボード」にも出演している話題の俳優です。

 

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そして、ティモシー・シャメラ

「君の名前で僕を呼んで」では若干22歳ながら、

第90回アカデミー主演男優賞にノミネートされています。

 

つまり、この映画キャストが

 

若手のアベンジャーズ」で固められている!!!

 

ということです。

 

最後に本作で母親役を演じたローリー・メトカーフ

第90回アカデミー賞助演女優にノミネートされています。

 

まさにキャストはこれ以上の人材はいないのです。

天才たちが描く青春物語とは一体どのようなものなのでしょうか

 

イタすぎる「レイディー・バード」の生き様

高校2年生から3年生の一年間を、

コメディタッチで描き、

同時に青春期ならではの親子の葛藤を繊細に描きます。

 

クリスティーン・マクファーソンこと

「レイディー・バード」は本名を嫌い、

みんなには「レイディーバード」と呼んでと豪語するなど青春期ならではの、思い返してみるとイタすぎる体験ばかりです。

 

「レイディーバード」は日本語でてんとう虫で、意味は特にないそうです。

 

他にもカトリックの学校ながら髪をピンク色に染め、

神にお供えする麩菓子のようなものをボリボリ食べたり、

お店にある雑誌を万引きするなど

決していい生徒ではありません。

 

そして、友達にお金持ちの家を自分の家といって豪語するなど

自意識過剰な部分もあったりします。

 

それらを全部含めて自分を少しでも大きく見せ、

そんな自分を彼女は少しカッコよく思うのです。

数年後それを見返すと、イタい思い出として残りますが

それは誰もが通ってきた道のりであり

それが青春そのものなのです。

 

ゲラゲラ笑いながらも涙がポツポツ出てくる「レイディーバード」

監督のグレタ・ガービングは本作に限らず

彼女のコメディ観はとても僕のお気に入りです。

 

  • コメディ編

女性とは思わせない下品なネタをぶち込んでくるなど、

男性には決して描けない女性の繊細さ上品さが表現されているのと同時に

女性には決してない下ネタを次々と入れてくる前代未聞のタイプです。

 

本作はコメディ映画であるので全部はご紹介できないですが、その一部を取り上げます。

 

アメリカではタバコとエロ本は18歳になると買えます。(酒は21歳以上です)

 

18歳の誕生日を迎えるとすぐさまお店に駆け込み笑顔でタバコとエロ本を購入し、堂々と街角で読みながら、タバコを吹かすのです。

 

それはまさにいままでお調子者の典型的なパターンで僕が映画館へ足を運んだ際もゲラゲラ笑い声が聞こえてきました。

 

そうです、笑っていた人は僕も含めておそらく同じような体験をしているのでしょう

 

  • 感動編

本作は青春という非常に限られた難しい期間をコメディタッチで描くの同時に

思春期真っただ中の娘とそれを支える母親の親子ドラマでもあります。

 

ド田舎のサクラメントを毛嫌いし

ニューヨークに憧れをもつ娘ですが

お金がなく公立にいってほしいと願い母親の対立し

服の好みで意見が割れ、毎日が口喧嘩の連続です

 

思春期の娘は自分の名前すら好きになれず、なにもかもに納得がいかないためすぐに母親にアタリます。

 

車内でニューヨークに行きたいという娘とそれを断固として認めない母親は口喧嘩になり、ついに娘は走行中の車から飛び降りわざとケガをするなど手のかかる娘です。

 

そんな娘を陰から見守る母親はこの物語に限らず、

どの家庭でも共通することです。

 

エンディングシーンで娘がサクラメントを旅立つシーンでは

 

一度は母親は娘を送らないと見向きもしませんが

 

唯一の娘の大学進学には手紙をしっかりスーツケースに隠し入れ、最後まで意地をはった自分に後悔して涙するなど

 

思春期ならではの娘と母親の本音の言えないけど、

こころでは通じている妙な関係は涙がポロリと出てくるものです。

 

そして、新天地で新たな生活を始めた娘もはじめて自分の名を

本名であるクリスティーンと名乗るシーンは

感動以上に彼女に感情移入してしまうシーンでもあるのです。

 

思春期という感情がうごめきあう大変な期間を映画として描くのは難しいのにも関わらず、

コメディタッチで巧妙に観客を笑わす本作は絶賛の一言に尽きます。

 

「レイディー・バード」が魅せる裏ワザとは!?

本作実に映画とは感じさせない部分があります。

 

普通の映画は会話シーンの際は

 

一方が話し、終わったらもう片方が話始める

 

というのが普通です。

 

しかし、人というものはカッとなると人の話など聞いていられません。

 

本作は母親との会話はほどんど感情的になり何を言っているのかはっきりわからないのです。

 

娘の無謀な要望に母親は無視するのですが、

娘は全く動じず、動き回る母親を追いかけまわしながらひたすら主張するのです。

 

本作の親子間でも会話シーンは観客に伝える気など全くなく

 

言い争いの連続です。

 

でもそれが思春期であり、誰もに通ずることなのかもしれません。

 

いままで思春期について描く作品は多いですが、

こんなにも赤裸々にかつ、

コメディタッチで表現するのは非常にまれであり、

新しい作風です。

 

ぜひ映画館に足を運び、親子で見てほしいという切実な願いを込めて締めさせていただきます。

 

思春期を抜けはじめてまわりを理解するようになった僕だからこそ、

本作のことが理解でき、母親という偉大な存在にやっと気づかせてくれた、

そんな作品が本作「レイディー・バード」でした

 

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びぇ!