Movie Magic

アメリカ在住大学生が映画を語るブログ

映画「大人の見る繪本 生まれてみたけれど」感想:初期頃のサイレント映画 ここから小津安二郎の伝説ははじまった!?

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松竹
こんちくわ!Shygonです!
今回は日本人として絶対知っておかなければならない監督
小津安二郎 
彼の初期の映画作品はあまり現存しているものがあまりありません。
 
その中でも本作「大人の見る繪本生まれて見たけれど」は現存している中でも非常に評価が高い作品になっております。
彼の作品は後に世界中から小津調と呼ばれ、尊敬されていました。この作品は初期作品ということもあり、無声映画になっていますが、彼の特徴がはっきり色濃く描かれており、映画の古さを感じさせないものとなっています。
 
1932年に作られた本作は無声映画です。劇中途中に会話が描かれたカットが差し込まれ、当時の西洋映画の特徴に非常に似ていました。
しかし、全部の会話が文字として映し出されるのではないため所々予想しながらみていくことも必要です。
 

サクッとあらすじ

良一、啓二のお父さんは、重役の岩崎の近くに引っ越して出世のチャンスをうかがっている。だが、兄弟の前では厳格そのもの。
引っ越しで転校した兄弟は早速地元の悪ガキグループと喧嘩した揚句、鬱陶しくなって小学校をずる休みするも担任の家庭訪問で知られ、二人は父さんから大目玉。
そのうち悪ガキ仲間と友達になり一緒に遊ぶようになる。その中には岩崎の子供もいる。ある日、みんなで「うちの父ちゃんが一番えらい」と自慢する話が出る。
兄弟も自分の父親が一番えらいと信じて疑わなかったが‥
 Wikipediaより引用
 

戦後の子供を切り取る

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松竹
引っ越ししてきたある家族の数ヶ月に焦点を当て子供目線から見る大人の世界を描いた作品となっています。
双子のような兄弟が転校してきて、新しい学校に馴染む姿から始まります。同じように父親が生きる大人の世界とはなんなのかを子供の目線から描くことで、とてもほんわかした家族ドラマに仕上がるのです。
 
無声映画ではありますが、皮肉まではいかない、冗談が散りばめられていて、当時の貧しい日本が世界に挑戦していく前夜の殺風景も見所です。
ここで小津監督は決して大人の目線から坦々と家族ドラマを描くのではなく、子供なりの気持ちや思いを主体に描くことで家族ドラマ自体に厚みを持たせたような気がしました。

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松竹
双子のような兄弟は父親がずっと偉い人になれと言われていたこともあり、父親のことを尊敬し、偉い人だと思い込んでいました。
しかし実際は金持ちの友達のお父さんにペコペコ頭を下げて、機嫌取りをしていたため失望と共に何らかの矛盾を感じてしまいました。
そこで強く父なりの家族の守り方に真っ向から対立した彼らは数日間ご飯を食べようとしません。しかしお腹の限界がきて、コソコソおにぎりを平らげていると、父親が話し始めたのです。
 
ここで兄弟は子供なりに大人の世界の現実を理解し、改めて父を家族の大黒柱として一目置くのです。特に全編通してなにも起こらない映画ではありましたが、こんなに情報の少ない中、感情の変化を描くのが難しいと言われている子供の目線から彼らの成長を描く作品に僕は感激しました。
なんせ父を認め、現実の世界に溶け込んで行く彼らの最後のシーンは見ものです。世界の小津の初期作品としてこれから確立される独特の映画スタイル、小津調の前線を垣間見れるのです。古い映画ではありますが、ぜひご鑑賞下さいませ。
びぇ!
 
 
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新作ワイスピ8語る!+ 前作の地上波初上陸の際の炎上語る![考察と解説]

こんちくわ!Shygonです!

 

今回は新作ワイルドスピードを熱く語ります!

 

この映画に関してはアクション映画ということもあり、僕がなにかを語るというのではなく、裏事情や、関連性のある話を語ります!

 

基本情報から、ワイルドスピードは2001年頃から始まるシリーズ作となっています。今作は8作目で、ほかのシリーズ作品などではよくある、路線変更や、失敗した前作をなかったことにするなど荒手な製作志向がないのが魅力的ですね。

一部時系列がずれているところがいりますが、公開されるたびに前作のスケールを超えてくるモンスター映画になっています。

 

前作スカイミッションについては車を飛行機から実際に落下させ、今作ではビルの上から滝のように車を落とし、ぶっ壊すシーンなどファンから見れば最高なのです。

 

今作に関して言えば専門家によると

シリーズ第8作目にあたる『ワイルド・スピード ICE BREAK』の全米公開が間近に迫っているが、イギリスの自動車保険サイト『Insure the Gap』が同映画シリーズ全7作を全て見直し、その映画内で実際に破壊された物品の被害総額を算出した。同サイトによると、その金額は約581億円に上るという。

その統計を詳細に調べると、169台の普通車が破損、142台の普通車が破壊され、37台のカスタム車、バス、電車、ヘリコプターなどの特殊車両が破壊された。それらに加え、51棟のビルが破損、31棟のビルが破壊され、432の物品が破損された。破壊された最も高額な車は『ワイルド・スピード SKY MISSION』に登場した約3.8億円のLykan Hypersportだった。意外なのは、主人公側の破損総額が約363億円であるのに対し、悪役側が220億円と、より少なかったことだろう。

 引用元

映画ワイルド・スピードシリーズ7作内での、物損の被害総額は581億円以上 | HYPEBEAST

 

もう言葉がでません。そんな数字ですよね

 

ではやっと本題に。。。

 

ワイルドスピード8に対する思い

全体的にまとまっててスッキリしました。

前半戦に巻き散らかした種をしっかり回収していて十分楽しめました。

アメリカがやっとキューバと国交回復し、その勢いでこの映画の始まりがキューバなのです。やはり時代のトレンドをしっかり押さえてくるのはさすがだと思いました。

そしてやはり前作のブライアンの死をどう描くかというところが僕の一番の注目ポイントでした。

そのつながりがなぜドレットが裏切ったのかとオチにつながっていくのです。

少し無理をしている設定かと少し思ってしまいますが、まとまっていたのでそんなに気にするところではないかと思います。

 

ファミリーの危機になったときある一人がブライアンに助けを呼ぼうと提案しますが、彼の生活があるからだめだと却下されていました。その際に心の中で勝手に突っ込んでしましたが、あのオチを見るとなんともいえない気持ちになります。

 

そしてこのブログ毎回触れるのが、監督です。今作実はこのシリーズ初の黒人の方が監督を務めています。

Fゲイリーグレイという方なのですが、この監督ご存じない方の方が多いのかもしません。

彼の前作straight outta Comptonは本当に僕の好きな作品なのです。

ラップを聞く方はご存じでしょうがNWAという伝説のラッパー集団の伝記映画を作っています。

beatsやEminemのプロデュースなどを手掛けているDr.DreはこのNWAの出身の方ですね。

僕はラップが結構好きなので、この映画のリズム感や方向性がとても映画の創作性とNWAの音楽の方向性があっていて、監督の手腕が目立っていましたね!

 

その勢いがこの新作ワイルドスピードにそのまま反映されていました。

 

 

そして最後に怒っています。

実はこの作品には関係ありません。この映画の公開記念で公開日に金曜ロードショーで某テレビ局が前作のワイルドスピード7を放送しました。

その際に最後の大事なシーンを時間の関係上、割愛していました。

やはりネットで物議を呼び、炎上しました。

僕も彼らの意見に全くの同意です。

前作の最高の出来といっても過言ではない最後のシーンをカットは本当に最悪です。映画を放送する権利などないと思っております。もう言葉が出なくなり、悲しいです。

 

一映画のファンとして、映画製作者に敬意を見せるということを放送側として少しでも考えたら、あのような悲劇は防げたと思っております。

さらにあの映画に関して言えば、重要なポストの俳優が撮影中に亡くなり、最後に映画で黙とうを捧げる、

For Paulと。

俳優としてこれほど名誉なことはなく、映画丸々一本を一人の俳優に捧げる行為自体一ファンとしてうれしい限りです。

彼ら映画製作者として、俳優として、僕らファンとして敬意を示すという意味でのあの演出に配慮してほしかったです。

 

映画を見る人にとって映画の製作者に少なからず敬意の意を込めることは僕は必要であると思います。

もう少し彼らの立場で物事をとらえてほしいものです。

彼らにとって映画というものは息子同様であり、命を懸けて作るものです。

その魂にそんな演出をされたらどう思うのでしょうか。

See You Again とともに俳優ポールウォーカーに敬意を示したかった。

そんな思いと同時に今の日本の映画に対する対応に悲しみがこみ上げてきました。

 

 

最後にこれはあくまで僕個人の意見です。

以上です。

 

映画「メッセージ」が観客に送る「メッセージ」とは? (あらすじ感想)

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©Paramount Pictures
こんちくわ!Shygonです!
今回は本を原作に映画化された
「メッセージ」
について熱く語ります!
2016年に製作された本作は中華系アメリカ人のテッド・チャンの本を原作に、言語学者が突如地球に現れた宇宙人と会話を試みるSF映画です。
 

サクッとあらすじ

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©Paramount Pictures
ある日突然宇宙人が世界計12カ所に上陸します。
そこで彼の伝えるメッセージを解読するために娘をなくしたばかりの女性言語学者に委託し、事件解説に走るのです。
男性物理学者も同行し、理論的に協力していくのです。同時に世界に混乱をもたらし、市民が暴走をはじめついには国レベルで武力行使で排除しようとし始めるのです。
しかし、主人公ただ一人はそれを信じようとせず文字の解明に突っ走るのでありました。
 

本編に登場する重要な言葉

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©Paramount Pictures

僕は映画にチラホラ出てくる様々なキーワードが重要かと思います。

 回顧録の意味とは?

この映画はじめに娘をなくし、悲しみにくれているところから始まります。その後解読に努めますが、それに娘との楽しかった記憶が回顧録として無造作に物語に組み込まれるのです。
 
ココがまず注目すべき点です。
なぜ一見関係のない娘との会話を彼女が解読中に流れてくるのでしょうか?

 娘ハンナの名前の由来とは?

劇中何度か娘の名前ハンナが出てきます。そして、ハンナが母親(言語学者)になんでこの名前なのかと聞いてくるのです。
そこで母親はhannahというスペルに注目します。ハンナは前から読んでも後ろから読んでもハンナと読めるのよ、と答えます。
 
ここで注目すべき点はこのくだりが一回ではないということです。
なぜ強調する必要があるのでしょうか?

 宇宙人の言語体系とは?

彼らの言語は徐々に解読が進み段々わかってくるのですが、ここで様々なことが浮き彫りとなってくるのです。
  1. 彼らの言語、言葉と文字が一致しないという点です。
  2. 彼らの文字が円状になっており、どこからがはじまりでありどこがおわりかが分からないという点です。
  3. 彼らの言語が表意文字であるという点です。英語のアルファベットのようにそれだけで意味が伝わらないものではなく、日本の漢字のように文字だけで意味が伝わるもののようなことを指します。
 

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©Paramount Pictures
一体この規則が導くオチとはなんなのか、ここで暴くのではなく、映画「メッセージ」のように、謎を残したまま次に進みたいと思います。

「メッセージ」の裏事情

 監督

監督を務めたのはドゥニ・ヴィルヌーブでこれまで「ボーダーライン」「ブレードランナー」の35年ぶりの続編「ブレードランナー2049」で監督を務め高い評価を受けています。「ブレードランナー2049」ではSF映画ながらアカデミー賞では2部門受賞しました。
 
 
彼の撮る作品はアクションやSFに出やすい陳腐さがなく妙に臨場感があるのです。ですが、現実過ぎた領域ではないのであくまで映画として描くのです。
これは僕の見解ですが現実離れしたSF的世界と日常生活の2つがあるとしたら彼の世界観は若干SF的世界ではありますが、きちんと日常の世界観を描くことも忘れてはいないのです。
 
今は亡き映画監督スタンリー・キューブリックのカメラワークソックリと感じてしまったのは僕だけでしょうか。彼の世界観でなぜか湧き出てくる臨場感の謎がやっと解けた気がしてます。
絵の容量と同じで奥に視点を一点構え、左右対称なので、奥に引き込まれていくのです。その不気味な状態からカメラが逃げてくれず、留まるのです。このカメラワークが見事功を成し、あの臨場感が出来上がっています。

 音楽家

次は音楽家です。これは「ボーダー・ライン」のときと同じ人でしたが、音楽家ヨハン・ヨハンソンはもう亡くなってしまいましたが僕の好みの音楽家です。
クラシック音楽を貫き、臨場感を引き出す低音のビート音と、希望や次の展開を予期するかのような高音が一度になり響き、映画に厚みを持たせるのです。
絶妙な両者の調和がこの映画の最大の魅力と言っても過言ではないのです。そして、最後にこの映画のメッセージとはなんなのでしょうか。
 

衝撃的な結末へ

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©Paramount Pictures

 
(ネタバレが含まれます。)
 
実はこの映画過去の回想として出てくる娘との回顧録が実は未来の話であったというオチになっているのです。
 
これには仰天ですよ!
 
これだから映画はやめられないんです。たまにくる魂にぐんとくるあの感じ、あれこそが映画の魅力であり、Movie Magicなのです。
 
ただ、単に未来の話でした〜というクソ映画ではないんです。上記のように曇天返し映画に数学的な理論が付け加えられていると言ったのはこのことなんです。
このオチを知ると上記の疑問がほぼ解決できるのです。劇中に突然でてくる彼女らの回顧録は宇宙人が伝達の手段として、主人公に特殊能力として与え解読の手助けをします。そして、娘の名前のハンナと宇宙人の言語が自然と繋がってきます。
 
つまり、彼らの生態、言語には時系列が存在しないということになります。ハンナのくだりを何度も流したのも、文字が円状で始まりと終わりが分からなくなっている文字系列も全て最後のオチに繋がっていく鍵であるのです。
そして最後に宇宙人の言語が表意文字であるのは作者が関係していると考えられるようです。原作者のデッド・チャンは中華系アメリカ人であり、彼が中国語、日本語などと英語との違いをこの作品に反映したらしいです。
そして、数学的な理論と僕が書いていますが、それは原作者が理数系を大学で先行していたこともあり、在学中のある理論を元に執筆したようです。そのため作品の全ての箇所に納得がいくのはそのためでしょう。
 

 どう評価するべきなのか?

本作をどう評価するか、一言で実に難しいです。
最後のオチがとんでもないことになっている曇天返し映画なのです。1990年代からでこのような部類の映画が数多く見られるようになりましたが、他の曇天返し映画は一回では気持ちがスッキリしなくても、なんとなく気持ちが晴れるオチが人々を虜にしますよね!?
 
本作はその曇天返し映画にガツガツな数学的な理論が重なったようなイメージなのです。それが難しい理由です。
いままでの曇天返し映画はガイ・リッチー監督作品のような人の勘違い系や、ちょっとしたシュールな人々の関係のズレを描き、最後に一気に落とされるような感覚の映画が多数を占めます。
なので、それらの曇天返し映画は現実世界かつSF要素は禁物でした。ですが本作は数学的な理論を付け加えることでSF的要素を加えた曇天返し映画が完成するのです。
いま思い出したものを上げると「ユージュアル・サスペクツ」、「ロック・ストック・ツー・バレルズ」、「スナッチ」、「マチスティックメン」などの人間関係のゴタゴタで起こるハプニングにはない曇天返しが映画「メッセージ」にはあるのです。
 
本作の原作者が持つ数学的観点からの設定付けと中華系ならではのバックグランドが上手く本作を引き立て、全く予想できない展開を生んだのですね!
 びぇ!
 

カンヌ映画祭の仕組みって!?〜各映画祭の違いとは?[解説]

こんちくわ!Shygonです。

今回は映画ではなく、ドラマでもなく、映画祭について特集します

僕自身映画祭は映画を語る上でとても重要な事であると思います。

なぜなら、これから公開されるであろう映画を選定する一種の指標にあり、この結果により映画の興行収入が変わってくるからです。

 

さらにその時代の旬な映画の特徴や背景をそのまま映し出しているのです。今回はその中でも世界三大映画祭に数えられ、世界で最も盛大に行われるカンヌ映画祭に焦点を当て、熱く語って言いたいと思います。最後に毎年5月の半ばに行われることもあり、予備知識として楽しんでいただければ幸いです。

 

毎回同様、いくつかのカテゴリーに分け、語りつくしますよ

 

1分でわかるカンヌの全容!?

カンヌはフランスの南地方に位置する小さな観光地、コートダジュールで行われている。(日本のカラオケチェーン、コートダジュールでピンときた方多いでしょうか)

 

毎年5月半ばになると世界中から映画関係者が挙って集まり、映画の売買が行われている。その年の一番早い大きな映画祭であるためそこからその年の目玉映画が出品されることが少なくない。若手映画製作者にとっては自分らの作品を世界にお披露目できる場所として、若者の登竜門として知られている。

 

最近ではカナダ出身の新税グザヴィエドラン監督兼俳優が世界的に知られるきっかけとなった映画祭だ。さらに映画祭としては世界最高峰の歴史を持ち、戦後直後から始まった長い歴史を持つ映画祭としても有名。同時に時代の流れとともに様々な事件に翻弄され、映画を語る上で無視することのできない催し物である。日本では有名なアカデミー賞とは大きく違い、世界中から作品が同じ土俵から評価され、カンヌの結果が今の時代を先行するくらい、常に時代の先端に位置付けられえている。

次の章で詳しく解説しよう。

 

 

カンヌの細かい仕組みとは!?

まず、選別の仕組みである。ここがほかの映画祭とは違うのだ。毎年審査員というものが変わるのである。それはカンヌ映画祭の事務員が選定し、だいたい前の年に脚光を浴びた監督が多いというのが一つの特徴である。映画という業界ということもあり、若い人はなりにくく、すでに世界的に知名度が高いクリエーターが審査員長を務める傾向にある。世界中から応募を受け、それを審査員長はじめその年の審査員たちがみんなで話あい、決めるのだ。なので、その年の審査員長がどんなタイプの映画が好きなのかで受賞してくる映画の傾向も違ってくるのである。

さらにここも他とは一味違い、投票する際に無名投票ではないということだ。例えば、アカデミー賞の際は無名投票で、毎年投票者が変わることはない。一回アカデミー賞の会員になればずっと毎年投票できるのである。

 

賞のカテゴリーは以下のようになっている。

パルムドール

映画祭において最高賞である。毎年、その結果によって大議論が巻き起こることが多々ある。だが、この賞を受賞した映画は他部門を受賞できないというルールが存在する。

審査員賞特別グランプリ

その名の通りである。この賞はわりと審査員長の意向が通ることが多いとされている。

 

後は通常通り各分野の賞が設けられている。

監督賞女優賞男優賞そして脚本賞である。

さらにもうひとつの面白い部門があるのだ。

ある視点部門

この部門は簡単に言うと野球でいう新人王にあたるものである。映画祭では若者に特化した、次世代の映画製作者に的を絞って評価するのはとても珍しいことである。さらにこの選定あまり映画製作の盛んではない国出身の監督も多く受賞しているということから、かなり公平かつ、本来の映画祭の意味をしっかり理解した選定になっていると僕は思い、毎年結果が楽しみなのである。

実際日本から様々な映画が出品されているが、いまだに受賞はない。

 

カンヌの傾向を徹底追及!

上記に示したように、様々な有名監督の登竜門であったことが世界的に知られているカンヌ映画祭。例を挙げるときりがないレベルである。

  1. 黒澤明:言わずとしれた世界のクロサワ。実は彼も羅生門という映画で初めて国際的に名前が知られ、世界のクロサワとまでいわれるようになったのであった。
  2. フランシスフォードコッポラ:名作ゴットファーザーを世に送り出した彼もカンヌで評価された監督の一人である。カンヌ自体が彼の登竜門ではないが、彼とカンヌは今でも密接な関係を保っている。
  3. マーティンスコセッシ:彼もまた一人。名作の域を超えたタクシードライバーをはじめて世に送り出した場所はココ、カンヌであり、彼のキャリアの原点でもあった。

このような有名監督や、特にイタリア出身の監督の受賞はカンヌでは常連である。

例えば、ヴィムベンダース、フランソワトリュフォーなども含まれる。

 

最後にこの話を紹介したいと思う。

世界的に有名な監督クエンティンタランティーノは2003年、カンヌ映画祭の審査員長を務めた。その祭、彼ただ一人だけ絶賛の喝采を送った映画オールドボーイ(韓国)の監督ポンジュノは彼のサポートもあり、今ではハリウッドでも撮るようになるまでの方にあったのである。

 

確かに映画オールドボーイは僕の本当にお気に入りの映画の中の一つである。そのような国、作風にとらわれず、評価するカンヌ映画祭はやはり時代の先を常に言っていると確信している。

毎年その年の傾向がわかる映画祭です。ぜひチェックをお願いします。

そして映画の繁栄を願うばかりです。

 

びぇ!

 

 

 

【完全保存版】Netflix「ストレンジャー・シングス」 あらすじ感想まとめ:さぁ不思議なドラクエの旅に出よう!!

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©Netflix

こんちくわ!Shygonです!

今回はNetflix製作のSFアドベンチャー

「ストレンジャー・シングス」

について熱く語ります!

2016年にスタートした本シリーズは架空の町ホーキンスで次々に起こる怪奇現象に少年たちが立ち向かうドラマです。

Netflix製作の本シリーズはNetflixの中でも代表する大ヒットテレビシリーズで2018年にシーズン2が配信され、2019年7月4日にシーズン3が配信されました。

  

サクッとあらすじ

 シーズン1

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1980年架空の町ホーキンス。

ある日、超能力や不思議な力を研究する秘密の研究施設からあるひとりの少女が脱走する。イレブンと名付けられた彼女は強力な特殊能力を持ち、それを恐れた政府は早速彼女の捕獲に尽力を尽くす。

だが、次第に町全体に不穏が訪れ、謎の事件が多発するようになってしまう。

様々な怪奇現象が次々に起こる中、ひとりの少年が謎の失踪を遂げると物語は思いも寄らない方向に急展開するのだった‥

 シーズン2

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あの事件から1年後。

警官のホッパーはイレブンを政府の目から隠すために、山奥に身を潜めていた。トランス状態の母親と会い、特殊能力を持った同じ境遇の子供たちのところへ尋ねたイレブンだったが、舞台のホーキンスの危険を知る。

一方、ホーキンスでは、カリフォルニアから転校してきた少女マックスが少年らのグループに加わる。

ウィルが再び裏の世界のなにかに取り憑かれると、ホーキンスの街全体に異変がではじめ、街全体で熾烈な攻防戦となる。

 

ほぼ無名の製作陣が成し遂げた偉業

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©Netflix

「ナイト・ミュージアム」「メッセージ」で知られるショーン・レビを製作に迎え、ダフィー兄弟が監督&脚本を務め、ほぼ無名のキャストで撮影されました。

唯一有名なヴィノナ・ライダーは様々なスキャンダルから映画業界から干されていた矢先の久しぶりの大ヒット作に恵まれました。

2016年にNetflixで配信がスタートし、シーズン2が2017年に配信されました。そしてすでにシーズン3の配信も決定しました。

 

80年代を彷彿させる作風

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©Netflix

本シリーズは映画ではないのに、様々な映画のオマージュがいたるところに描かれています。たとえばタイトルロールは印象的です。

あの名作「スターウォーズ」の面影を彷彿させるようなテイストはファンとしては興奮が収まりきりません。

あの文字の並び方やあの感覚などタイトルロールの出し方は「スターウォーズ」にそっくりと言えるほどその世界観からこのドラマは始まります。

そしてあの劇的な登場とともに鳴り響いてくる振動のようなドラム音、なにかを予知させる音楽が視聴者の興味を引きます。

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©Netflix

次に本シリーズのストーリーの内容です。

成長境いの少年たちのアドベンチャーといったら名作「グーニーズ」ですよ。

まだなにもかも信じきっていたあの時代を切り取り、彼ら少年の視点から映画を描く「グーニーズ」とこのドラマには様々な共通点があります。

信憑性の低い逸話を信じ、自分なりに考えた理論や目標を達成して行こうとするあの遊び心を本シリーズでは垣間見ることができます。

 

さらに「スタンドバイミー」の記憶も呼び起こされます。

噂だけを頼りに4人の男の子たちがひたすら線路を旅しに行くという物語で、このように少年たちの外の世界への興味からなるプチ旅行の走り映画へのオマージュも忘れていないのです。

そんな観点から「ストレンジャー・シングス」は70、80年代の映画へのリスペクトを感じます。

 

本シリーズを見ていると少し気になることが多々あったのです。キャラクターがタバコを吸うシーンです。本シリーズの前半戦の時点ですでに違和感を感じていました。

なぜなら、あまりにも喫煙者が多いからです。たとえ子供が前にいても、プカプカタバコをふかすのです。

最近になりタバコに対する規制が世界的に広がり、子供達への悪影響を懸念し、映画やドラマにはほとんど登場しなくなってしまいました。

この話はとても有名ですが、例えば大人気アニメのワンピースです。大人気キャラクターのひとりのサンジはよくタバコを吸っています。

しかし、アメリカ版のアニメではアメを舐めているという風に勝手に修正されているのです。

 

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©Netflix

1990年代初頭から徐々にそのような活動が米国国内で盛んになり、タバコのを吸っている登場人物が映画、ドラマ、アニメから姿を消しました。

でも本シリーズはNetflix製作ということもあり、テレビや映画館での鑑賞ではないためこのような規制なく好きなように製作できるのです。

 

上記で触れたオマージュを受けた作品は全て規制前時代の映画なのです。その当時はこのドラマのようにタバコを蒸すシーンが度々描かれているのです。

例えば、「スタンド・バイ・ミー」の冒頭シーンの隠れ家では、ひとりのヤンチャ坊主は子供にも関わらず、タバコをふかしていました。

これは今では絶対見ることのできないシーンの1つです。もしかすると監督はこのようなある意味無邪気な描写に憧れており、自分たちのガキの頃を思い出し、この作品作りに没頭していたのかもしれませんね。


個人的にこのようなところに映画やドラマの魅力が隠れていると思っています。

本シリーズは若い人にとってはただ面白いドラマにしかならないけど80年代に子供だった、本シリーズの監督や今は社会人の人たちにとってはあの無邪気な頃を思い出して、深い思入れがある情景ばっかりであるということです。

そして「グーニーズ」の頃に立派な大人だった人は「グーニーズ」を見たときに久しぶりに昔を懐かしみ、「ストレンジャー・シングス」では遥か遠い昔のような感覚で楽しむことができるのです。

 

つまり、ただ本シリーズは単に活発な子供達に焦点を当てているのではなく、子供を探し見守る親世代と無邪気な子供の両方の目線で描かれています。

上記に示した観点からこのドラマはある限定された世代のために作っているのではなく世代によって楽しみ方が違うので本当によくできたドラマだと思います。

びぇ!

 

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漫画「弱虫ペダル」を読んだ。

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今回このブログ初、漫画に手を出しました!なぜかそんなの単純な問題です。

この漫画面白すぎる!はじめてみたときなんか自転車か、あれスポーツなんかと軽い気持ちで見ていましたのさ、そんな気持ち今になって後悔ですよ!

なんでもっと早く出会わなかったのかよって!ということで今回今大人気!?

漫画弱虫ペダルを熱く語りたいと思います!

まだご覧になってない方はぜひ漫画を買って読んでみてください!

 

 

筆者の自転車愛!!!

この漫画とにかく自転車への愛情が紙を超えて伝わってくるのである。

スポーツ漫画はわりとそのスポーツの魅力が熱く語られている場合が多い。

僕でいうと映画である。

 

しかし、この筆者の自転車愛ほど凄まじく熱いものは他にないのではと考え込んでしまうほど僕ら読者を虜にしていしまうのだ。

僕は自転車は単なる移動手段にしか過ぎず、自転車というものにあまり深入りがないのだ。

でもこの漫画は自転車という競技の存在意義、そこにハマっていく人たちの気持ちを主観的に描き出し、それを僕ら素人も漫画を通じて体感できるという点が魅力的であると思う。

例に例えると体感型のゲームである、VRの世界でないのにこの漫画はそんな体験をしていると気づかないうちに思わせるのである。

漫画の描き方がどっちかというとオーバー過ぎるが、それがかえって自転車という競技の真意なのかもしれない。

キャラたちが自転車を漕ぐシーンも細かくそのシーン毎に場面展開されており、本当にワクワクしてくるのである。

どれだけ筆者が自転車という競技を愛し、理解しているかということである。僕は様々なスポーツ漫画をこれまで読んてきたが、これほどまでに熱意を感じる漫画はなかったと断言できるのである!

 

 

主人公がヘッポコすぎる件

よくスポーツ漫画にあるある、主人公が強すぎるという点。

試合を重ねるごとに強くなり、おまえはサイヤ人かとツッコミたくなるような話が多いのである。

例えば、メジャーである。僕のお気に入りの漫画の一つではあるが、茂野五郎の無敵さといったらねとなってしまう。

しかし、この主人公小野田坂道(名前から、どんだけ自転車愛してるの?藤川球児かよ!ってなる)は決して体格に恵まれた方ではなく、背は小さく筋肉のないオタクなのである。

しかし、彼の意外性が彼の高校を動かしていくのを目の当たりにするのが一つの楽しみである。

例えば、野球漫画「ダイヤのエース」がこの漫画に近いであろう。メジャーや巨人の星のように主人公が神ってないという点からである。

ただ、彼らの奇跡を引き起こすことが試合の展開の風向きを変え、自チームを勝利に向かわせる。

僕は実際に自転車のロードレースにでたことがないので、本当の意味での自転車の魅力はわからないがもしかするとこの意外性こそが最も重要なことであり、自転車の最大の魅力であると筆者は僕らに語り掛けているのかもしれない。 

 

あだ名カッコよすぎる件

この種の漫画は僕にとっては新しいと思う。登場人物それぞれにあだ名があり、それがかれらのココという勝負シーンで紹介されるのである。

この紹介の仕方や名前がロマンがあり、惚れてしまうのである。

例えば、主将の金城のあだ名である。彼は石道の蛇と呼ばれる。

こんなイケメンなセンスのいい名前があるのかと仰天するばかりである。

男には理解してもらえると思うが、スポーツ漫画にこのような一種の邪道がこんなにも光って見えるのは僕だけであろうか。

そしてそのあだ名の横にはシャレた説明がつくのである。石道の蛇の場合はどこまでも食らいつく、諦めないという意味で、となっていた。

そしてこれは人によってだが必殺技まであるというのだ。田所という巨体の選手の場合だと必殺技、酸素音速肉弾頭といって、ものすごいスピードをだしてコース内を駆け回るのである。

これをみると僕が子供時代によく見ていた「イナズマイレブン」というサッカーアニメを思い出すのである。

いつになっても男性にはこの興奮は付き物であるのかと思ってしまう。 

このようにこの漫画弱虫ペダルは懐かしい子供時代を思い出すと共に自転車という一種のスポーツの魅力に取りつかれてしまう危ない、中毒性のあるドラッグなのである。

びぇ!

 

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映画『Lion~25年目のただいま~』あらすじ感想ネタバレ:インドの田舎町で起きた奇跡の実話

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©Weinstein Company

こんちくわ!Shygonです

今回は「 Lion 25年目のただいま」 を熱く語りたいと思います。

はじめに

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©Weinstein Company

この作品賞実は実話なんです。インドのある田舎街で迷子になった5歳の男の子が、25年の時を得て、家族を探し出す感動作になっています。

ある日、お兄ちゃんの仕事の手伝いをしていたサルーが止まっていた電車に乗り、ひと休憩。起きた時には遠く離れた、知らない別地に取り残されていた。
その後、オーストラリアに養子として出向くことになる。25年後、google mapが家族の再開を可能にしたのだ。

では様々なカテゴリーに分け、Lionの魅力を語っていきましょう!

 

映像が綺麗なのよ

この映画、とにかく映像が綺麗すぎる。カメラの性能も関係はしているであろうが、そこの領域をはるかに超えている、と感じるのである。

見せるところはしっかりカメラを引き、映像美を画面全体で表現する。人間同士の会話や、感情むき出しでそこにピントを当てたい時はそれ以外は目立たないよう最善の策を取られている。

 

映画の1つの醍醐味として、いま製作者がどこに、なにに焦点を当てているのか、それが作品の良し悪しを決める。

この映画はそこのさじ加減が難しいにも関わらず、映像をどう見せるかの方法がとても巧みであると思う。そして物語には起承転結がある。これに乗っ取らない物語に成功はない。

この映画、物語の起承転結は勿論、カメラワークや、カメラ構成で起承転結を物語っているというもの1つの特徴であり、同時に魅力である。

 

映像と音楽の調和

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©Weinstein Company

起承転結を描くカメラワークがあるとどうしてももう1つ欲しくなるものである。
音楽。これはいい映像には不可欠である。

どの映画にもたいていメインテーマが設けられているが、この映画のメインテーマは感心物である。ジョーズのような、ジュラシックパークのような、ヘイトフルエイトのような、

 

先に見える現実や、希望を音楽だけで表現するのだ。ただそこには嵐が吹き入れるであろう航海が待ち受けている、ような感覚も伺うことができるのである。
まさにそんな要素を含んだ音楽が圧倒的な映像美とともに流れてくる、鳥肌の立たない人がいるのであろうか、そんな映画であるのだ。

 

サルーの存在

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©Weinstein Company

この映画、これが最大の魅力であると思う。いや、思いではなく、本当のことである。

 

このサルー可愛すぎる。

切実に男女関係なくこれは反則レベルである。

 

基本的に現実から過去を遡るような形式なので、悪魔で回想シーンのみの登場であるが、この魅力にみんな間違えなく瞬殺である。

ただここだけで終わらないのが、この映画。おっさん化したサルーにも人として魅力の詰まった人物なのである。

自分の故郷を探すと決めた後も自分の中で葛藤をするのだ。彼自身開けてはいけない玉手箱を開けようとしている気がし、周りの親しい人に自分の取り乱した姿を見せてしまう。


映画として、義母と話し合うシーン、彼女との口論は見ものである。感情のぶつかり合いと思いきや、これは心のぶつけ合いなのである。

役柄上、普段感情をあまり表に出さないサルーであるが、映画として彼の真実を探し出すときの動揺は痺れるものがある。

 

「アクアマン」で知られる、義母を演じたニコール・キットマンはさすがオスカー俳優だけあった。単なる感情むき出しの話し合いではなく、なぜかこころに響く美声。

まるで、張り詰めた沈黙が僕らに投げかけるかのように空間全体で調和し、サルーと義母の会話を物語っている。

かたや、彼女との口論では普段見せない感情をむき出しで思いを伝えるのである。この演技が認められ、ニコール・キットマン、デブ・パテル、ルーニー・マーラは見事アカデミー賞にノミネートされた。

受賞には至らなかったが、3人とも存在感を残し、見事な結果であると思う。 最後に母と再開するのであるが、ここに1つオチ知らせざることが表向きになるのだ。最後のシーンにもしっかり工夫がされており、個人的には納得のいく作品であった。

びぇ!

 

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「ベターコールソウル」 感想ネタバレ:ブレイキングバッドの俊敏弁護士ソウル・グットマンはのび太くんだった!?

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©AMC

こんちくわ!Shygonです!

今回はテレビ界のアカデミー賞と呼ばれるエミー賞常連だった伝説のドラマのスピンオフ

「ベター・コール・ソウル」

を熱く語ります!

2008年にスタートしたドラマ「ブレイキングバッド」はシーズン5まで製作され、毎シーズンエミー賞で評価されるなど市場最高峰に面白いドラマがスピンオフになって帰ってきました。

 

ベターコールソウルって!?

「ブレイキングバッド」でおなじみの悪徳弁護士ソウルグットマン。彼の輝かしい弁護士人生には果てしない長い道があったのです。駆け出しのころは「滑りのジミー」と呼ばれ、バカにされていた暗い過去があったのです。

果たしてどうして彼がソウル・グットマンになったのか、彼がウォルターに会う前夜の話を主に描いています。「ブレイキングバッド」のクルーがカムバックして、他のキャラクターの過去も同時に描かれるため、ブレイキングバットのファンにとっては外せない作品です。 

 

キャラが濃すぎる

本作では大人気シリーズ「ブレイキングバッド」に登場するソウル・グットマンがどうしてそうなったのかを描く前日譚です。

大人気ドラマや映画では必ずと言っていいほどこのような部類のスピンオフが描かれますが、そのキャラクターが登場するまでのことを描きます。

 ジミー・マッギル

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©AMC

本シリーズの主人公で後のソウル・グットマンです。クセの強いグットマンを「ブレイキング・バッド」同様でボブ・オデンカークが演じます。

「ブレイキングバッド」当時は毎回服装が変わり、カラフルなスーツを着ているのが特徴的でしたが、出始めの彼はだらしなくて、いまにも壊れそうな車に乗って、サロンの一室の事務所を構える、いかにも落ちこぼれの弁護士です。

昔から変わらない独特な喋り方だけは唯一ソウル・グットマンを彷彿させます。

 マイク・エルマントラウト

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©AMC

ジミーの用心棒のマイクは「マッドバウンド 哀しき友情」で知られるジョナサン・バンクスが演じます。

マイクは「ブレイキングバッド」では何でも屋として下仕事をこなす老人でしたが、彼がどのように用心棒になったのかの出会いから描かれます。

マイクは寡黙な上、やることがえげつないのは昔からで、彼には自分と同じ道警察の道に進んだ息子がいたのでした。

しかし、謎の殉職を遂げてしまいます。息子の死を経験するなど彼の暗い過去も洗いざらい知らされます。

 懐かしのあのキャラたち

ブレイキングバッドファンにとってもう1つ楽しみがあるのです。物語の途中にいきなり突然懐かしいお方たちが出てくるということ

例えば、あの世話のかかるジャンキーのトゥコ、サラマンカ、あのイカつい足にドクロをつけた双子などが出てくるのです。

このようにいきなりくる嬉しさがあえうというのも1つの魅力でもあります。

ジョークの多用さ

本シリーズにはとにかくジョークが多いです。「ブレイキングバッド」にはあまり描かれていなかった新しい要素です。

本家でギャグ専門家であったソウル・グットマンが主人公なので、彼のキャラクター上ギャグ路線になったのだと思います。

昔の映画の人物についてや時事ネタもあるようです。なので、本家をよく知る人にはクスッと笑える魅力もあるようです。

 

ですが、本シリーズは「ブレイキングバッド」には程遠い面白さです。

あのドラマの1つの良さである始めのシーンに全く話の関係ないようなストーリーを組み込み、興味をそそり、そして最終的に全てが点と点で繋がるカラクリを同じように演出していますが、その効果が今ひとつな感じがあります。

ただでさえ、ハラハラドキドキがない作品なのにここで興味を引かないとどこで引くのであるのか。。。

 

そして、本シリーズはドラマの中の勢いの波がないのです。

「ブレイキングバッド」を見ていたときはスリルをたっぷり含んだ緊張感が視聴者を夢中にさせます。

反対に本シリーズの方向上、そのさじ加減が難しいのでそこの温度取りに難色を示すファンも多いかと思います。

まだ、どのような系列のドラマに仕上げるのか、方向性がしっかり決まってないように思えます。

びぇ!

 

映画『ジョンウィック』感想ネタバレなし : 量産型アクションじゃない!?新感覚のアクション!!

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©2014 Summit Entertainment

こんちくわ!Shygonです!

今回は俳優キアヌ・リーブスの久しぶりの大ヒット映画

ジョンウィック

について熱く語ります!

2014年に公開された本作は「マトリックス」でお馴染みのキアヌ・リーブスの大ヒット映画です。

昔裏の社会でその名を轟かせた凄腕殺し屋が愛犬を殺されたのをきっかけに復讐するアクション映画です。

世界興行収入は合計400億近くにのぼり、キアヌ・リーブスの復活作として認知されています。

そして本作の大ヒットを記録して、次回作「ジョン・ウィック:チャプター2」が2017年に公開されました。 

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なぜ大ヒットを記録したのか

主演を務めたキアヌ・リーブスは本作で完全復活!と言われファンにとってはこれほどうれしいことはないでしょう。

これまで街の公園でひとりで悲しそうにご飯を食べているところをパパラッチに取られるなど「悲しみのキアヌ」と風刺されていたのが本作で状況が一気に変わりそうですね。

毎年数多くのアクション映画が世界中で撮られているのに、本作が大ヒットした具体的な理由は2つあると思います。

 アクションにおけるなぜ?

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©2014 Summit Entertainment

本作はアクション映画なので当然起承転結のような物語の進行が存在します。平凡な楽しい生活が冒頭シーンにあり、突然家族が不幸に巻き込まれる。

そこで元凄腕殺し屋が復讐するという、いかにもハリウッドが大好きな典型的な映画ではないのです。

物語は妻に先に立たれることから始まります。そんな死んだ妻から最後の贈り物愛犬が死後に送られてきます。

主人公はその犬を子供のように可愛がるのです。亡くなった妻の寂しさを愛犬で埋めるため、大事に大事に育てます。

 

そこで犬という癒しと残酷なアクションの前章とのギャップを作ります。

ですが、自分の可愛がっていた愛犬を自分の車を奪いに来たギャングに殺されてるという悲劇から本作が始まります。

本来この部類の映画には強い理由付けが必要ですが、本作を客観的に見るとそれを全く感じないのです。

 

癒し系代表そして動物代表の犬と残酷な描写という、相反するはずのふたつがアクション映画のなぜ成り立つのかの理由付けをするうえでとても重要になるのです。

復讐劇を何本もみてきた筆者ですが、こんなに主人公に同情したのははじめてかもしれません。

 

それくらい個人的に主人公に感情移入しました。

 映画の作り手はある程度登場人物に観客を感情移入させるためにあらゆる手段を講じます。

そんな中、映画の筋道の方向性に全く逆の要素をお組み入れることがこんなにも効果があるのかと感心させられました。

 アクション俳優としての演技への評価

この観点については俳優ウィリアム・デフォーの演技に尽きます。

「アクアマン」「永遠の門 ゴッホの見た未来」で知られる彼は主人公の元同僚だったのですが、マフィアの人間に高い金で雇われ、主人公の殺しを請け負う人です。

しかし、主人公に同情してしまい、中々手を下さず、、、という人物。

彼はこれまでの彼の出演作から、嫌味満点な意地の悪い人を演じるのが多い役なので、最後まで主人公と対立するのかと思っておりました。

 

しかし、いい意味で予想を覆すのが本作です。

元同僚としての人情のある良心が本作では描かれます。

顔つきが優しいほうではないため表情では彼に同情しませんが、事態がもつれはじめるにつれても、微動打にせず淡々と物事をこなします。

そんなに大根演技をせず、表情を変えずに主人公に気持ちをよせる、つまり顔芸ではなく、雰囲気ですべてを語るのがこの俳優の魅力だと思います。

俳優として何も言葉を発していない状態で状況を説明したり映画の雰囲気を作り出す俳優は映画の中で貴重な存在ですが、彼こそが本作におけるそんな位置付けなのです。

     アクションの特徴

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©2014 Summit Entertainment

アクション映画の最大のポイントはいかにアクションシーンで観客の心を掴むのかが成功のカギになってきます。

という観点から見ると本作は大成功した部類に間違いなく入ると思います。

本作で監督を務めたチャド・スタエルスキー監督はキアヌ・リーブスの代表作「マトリックス」でアクションスタントなどを務めた経験があります。

彼の最大の特徴はあらゆる武道に精通しており、カンフーから日本のアニメなどからインスピレーションを得て本作を撮影したようです。

「マトリックス」の本編では日本の武道を修行するキアヌのシーンが出てくるようにあらゆる分野の武道を極めた彼にしかできない技が本作のアクションシーンを引き立てるのです。

びぇ!

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カルト的映画マッドマックス4はなぜ愛されるのか?[考察と解説]

こんちくわ!Shygonです。

 

はじめに

2015年6月20日朝8時、おにぎりを片手に一人少年Shygonは早歩きでどこかへ目指して歩くのであった。朝の通勤ラッシュにもかかわらず、一人笑顔を眩しい太陽が照らすのであった。迷いなくまるで通勤途中のリーマンたちに犯行するのかのように。この男、行先は映画館。マッドマックスの最新作をみるために。

 

 

みんなのアイドルに成り上がったこの映画、その裏を探る!

リアル北斗の剣とネット上では炎上、映画館に何回も駆け込むツワモノまで発生する事態。実は僕もその一人であった。では熱狂する絶大的な支持者がいるのか。全てをさらけ出そうと思う!

ファン待望のシリーズ4作目。1作目1979年, 2作目1881年, 3作目1985年。実に長いブランクが空きやっとかという感じ。続編ではあるがストーリーキャストすべてが入れ替わり新しい場面からのスタート。

 

だいたいシリーズものは1作目が売れ調子にのり2, 3と手をだしリブートを試みるが失敗するのがよくあるオチに思えてくる。

しかし, この作品は違った。はじめの数分から僕はこの異様な雰囲気を感じた。実にすごい。息をのむほどだ。

ジョージミラーはマッドマックスで世に名前が知れ渡りアニメ映画は作ってはいるもののあまり記録的は大ヒットがない。70歳を超えそろそろ引退かと思っていたがこの大ヒットでまた火に足がついた。

 

2015年はさまざまなシリーズ大作の続編が6月くらいから秋にかけて公開し, スターウォーズでしめるような年になりそうだがこの映画は確実に今年の印象深い映画のひとつに入るであろう。

 

主演のトムハーディをチョイスしたのは誰だ。

この人以外にかっこよく雰囲気のあるマックスを演じられる人は他にいるのであろうか。もしかしたらマッドマックスシリーズをアクション映画としてスターダムにのし上げたメルギブソンを超えてもおかしくないほどの存在感をトムハーディは出している。

 

もう1つはシャリーズセロンの起用のだ。あんなに美貌を捨て丸坊主にし気迫の演技を実に興味が惹かれる。

シャリーズセロンという女優は2003年にもモンスターという映画でみずから美貌を捨て13 kgほど太りキレた演技を披露している女優なのだ。空いた口がふさがらない。あのときも今回もやはりハリウッドは違うと納得してしまうのだ。

日本の女優で演技のためにどんなことの惜しまない人が一体どれほど存在するのであろうか。マッドマックスは俳優たちの気持ちがこの映画のしびれるところをだしているのかもしれない。また, この映画はCGほとんどを使わず本物にひたすら追求しているところも売りのひとつだ。こういうところに惹かれる人は惹かれる。もちろん僕も惹かれる人の1人だ(笑)。

 

映画が単なる面白いだけで終わらないのもこの映画。

おめでたい話もある。この映画で主演2人を演じた人のスタントマン同士が結婚したみたいだ。撮影現場が実になごやかな雰囲気であったということがわかる出来事だ。ぜひ2人とも幸せになってください。

 

補足を補足と言わせないしればしるほど虜になる!?

実際この映画は世界の映画の祭典アカデミー賞でも評価されていて、普段あまり評価されることがないアクション、バイオレンス映画にもかかわらず第88回アカデミー賞最多の6部門受賞という結果になった。

 

僕はかなりアカデミー賞が大好きであり、学校を休んでまでアカデミー賞を待ち望んでいる人間である。その年の技術部門を全部かっぱらっているまさにその最中、僕は彼らであうかのように涙ぐんでしまったのです

 

監督のジョージミラーには監督賞どうしても受賞してほしかったが、、、あれは泣きそうだったよぅ 

 

あの映画マニア、クエンティン・タランティーノは以前、マッドマックスはメルギブソンしか認めないと断固姿勢を変えなかったみたいだが、この映画をみてすっかりファンになったみたいですー!

 

映画作りはpassion(=情熱)であるとよく言われる!?

この監督は70歳を超えているのにもかかわらずまだ現役バリバリでやっている。情熱さえあれば 老い は関係ないのか。若者の僕にはわからないが今の映画の世界をみるとそれが本当であるということが必然にわかってしまう。。。

 

さらにこの映画なんと、撮影時間3500時間を超えているんすよ!

そんなん は????? 

僕も理解できません、だって映画ふつう2時間前後でよ!

なので撮ったものを全部見るのだけで3か月!普通にえ、え、え、え、だよ!(笑)

 

圧縮しても収まりきらないから、映像自体を1.3倍くらいにし、音声をあとから後付けしているようなんすよこの映画

こんな編集誰が引き受けたのだろうと調べてみると監督の奥さんのマーガレットピクセルという方でした。これは妻でないとできないよっ笑

きちんとこの大仕事が認められてアカデミー編集賞を取っています!!!!!!!!!

一応安心ですわ!

 

最後にこの映画もう早速動画配信サービス Netflix で配信しています。

男性は必須!この映画に燃えない男は男じゃない!

実際女性にはあんまり共感を得られないようですが、、、僕の友達の多くがそうだから。。

 

でも、男性と話すきっかけや、距離を縮めるのには最適な映画であると思います。

ぜひ見てくださいね!

 

2015年6月20日、マッドマックスの感想を一生懸命書くためストーリーを振り返る。そして無意識にパソコンを閉じ, 再び急ぎ足で映画館に向かう一人の青年がいたでした。

 

びぇ!