映画「ザテキサスレンジャーズ」あらすじ感想:ボニーとクラウドを止めた伝説のカウボーイ
こんちくわ!Shygonです!
今回は伝説の殺し屋を対決した警察官
ザテキサスレンジャーズ
について熱く語りたいと思います!
2019年にNetflixで配信された本作は、アメリカの英雄的な銀行強盗の男女ボニーとクラウドを殺した警官たちのストーリー。
1967年に製作された名作「俺たちに明日はない」は、いまなお根強いファンに支持され、アメリカンニューシネマを代表する作品。
ボニーとクラウドをいかにして警官たちが追跡し、最後彼らを仕留めたのかが描かれます。
サクッとあらすじ
1934年アメリカ西南部。
貧困に飢える人々を熱狂させるひとりの男がいた。ボニー・パーカーはのちにアメリカ犯罪史史上最悪の犯罪者と恐れられるも、同時に民衆から英雄視されるのだった。
町で一番綺麗で秀才だったクラウド・バロウはボニーと共に各地の銀行を襲い、そのお金を民衆に分け与える。
警察官は撃ち殺し、銀行強盗を次々と成功させるふたり。
残虐性とカリスマ性で徐々に民衆の間では英雄視され始めるのだった。そんな状況に危機感を覚えた州警察は最後の手段としてあの男を呼ぶ。
名をフランク・ハマー。かつてあのテキサスレンジャーの隊長を務め、数々の任務についてきた男だ。相棒のメイニーと警察隊を結成し、最後の戦いに挑む。
テキサスレンジャーとは?
テキサスレンジャーは1820年頃に発足。元々はインディアンからの襲撃に備えるために、自警団として誕生しました。
アメリカ最古の法執行組織で、管轄内での行動が制限されない。映画「トゥルーグリット」でもテキサスレンジャーの姿が描かれているが、デカい帽子に長革靴とカーボーイの格好が普通。
脚本家ジョン・フォスコが長年温めてた企画で、候補としてロバート・レッドフォードやポール・ニューマンの名前が一時期上がっていたほど、フォスコにとって自信作なのです。
ロバート・レッドフォード最後の主演作はこちら
フランク・ハマー
元テキサスレンジャーの隊長。いまは引退し、自身の事業に成功。最愛の妻と共に暮らす。
ケビン・コスナーが演じます。インディアンとのラブストーリー「ダンスウィズウルブズ」で主演監督を務め、アカデミー賞に輝く。
アメリカきってのイケメン俳優でモテモテ。一度浮気が発覚したり、駄作を量産していた時期を乗り越え、最近やっと復帰。
メイニー・ガルド
フランクの相方。妻と子供がいながら、酒浸り金が底を尽きる。ようはどうしようもないやつ。
ウッディ・ハレルソンが演じます。いま1番と言っていいほど、波に乗ってる売れっ子俳優。彼がいるだけで映画が完成してしまうんすよ
「スリービルボード」 や「ハンソロ スターウォーズ ストーリー」にも出演してます。
英雄と英雄の一騎打ち
「俺たちに明日はない」は1967年に封切られると、アメリカンニューシネマと呼ばれる新しい映画の時代を象徴するほど、有名な作品となった。
公開から数十年経ったいまでも、根強い人気を誇り、前代なる人気を得ています。
それは当時犯罪者であったボニーとクラウドが民衆から英雄視されるほど、人気だったように
1930年初頭に、ボニーとクラウドは南西部を中心に次々と銀行強盗を続けました。
貧乏であった彼らは、金持ちからしか金銭は略奪せず、民衆に分け与えたことから、犯罪者ながら民衆からは英雄視されていた。
そんな彼らの快進撃は長くは続かない。彼らの名前が次第に大きくなり、被害が次々確認されると警察は本腰を入れて、ボニーとクラウドを抹殺するよう進めた。
警官が彼らによって次々と殺され、銀行は強奪される。しまいにそんな彼らを英雄視する民衆。
一刻も早くこの時代を終息させたかった上層部が思いついたのが、テキサスレンジャーの復活です。
警察として、正義のもと、犯罪者を捕まえる。
筋としては全然間違ってないのに、なぜかモヤモヤしてしまう。結局警察隊の作戦が功を成し、ボニーとクラウドの殺害に成功する。
警察官を各地で撃ち殺し、罪のない人が確認できるだけで13人が犠牲となった。そんな極悪人なのに、後味はすごく悪いのだ。
それは民衆の顔からしんみりと伝わってくる。わかってるんだけど、彼らは処罰を受けるべき人間、気持ちではわかってるけど、心の底からはうんと言えないのだ。
アメリカの名誉にかけて、素晴らしいことを自分はしたはずなのに、心に残るなにか。ボニーとクラウドはたぶん最悪の犯罪者だった。
けど同じ人間である。そして、恐慌の中、貧しい人たちに勇気と希望与えていた尽力者でもあった。
そんな心の葛藤に揺られながら、フランクハマーは任務を終え、妻の待つ家まで帰っていった。
ロケ地は、実際にボニーとクラウドが殺されたルイジアナ州バートンロッジのハイウェイ154で撮られてた。
ただ現在の現場はアスファルトに覆われているため、撮影のために、木を植えるなど再現し、本格的にリアルにこだわったのだ。
美化しすぎじゃないか?
「俺たちに明日はない」では、犯罪者ながら民衆に愛されたボニーとクラウドを英雄として描いてみせた。
1960年代のハリウッドはアメリカンニューシネマという新しい波が押し寄せ、反政府的な考え方や斬新的な若者文化を美化する作風のこと。
「俺たちに明日はない」をはじめ、筆者がアメリカに行くきっかけをくれた「イージーライダー」、そして「タクシードライバー」などが含まれる。
これらの作品の最大の特徴は、ちょっとひねくれ者やクセモノ、ときには犯罪者を描く。そんなニューウェーブが来る前の人たちは口を揃えて言うだろう。
"そんなんけしからん!"
と。ただ実際そんな一見バカバカしい映画が新たな時代を作ったのだ。
犯罪者だったボニーとクラウドを最大限に愛し、美化して描いたのが「俺たちに明日がない」だ。あんなに普通では考えられない人を主人公に激動の人生を描いたのだ。
それに比べて、本作は警官としてなにも間違ったことをしていないのに、ボニーの父親にあって感情的になっちゃったり、まるでボニーの気持ちに加担するような描写が描かれた。
個人的にどっちつかずの中途半端な映画に終わった。2時間という短い時間の中で両者の相反する心情を描くのは無理があった。
テキサスレンジャーほど愛国心に燃え、正義のもとで生きる人間が極悪人を捕まえる過程で、あんなに心は動いたのであろうか?
そういう意味で本作は色々と謎の残る作品だった。
びぇ!