映画「移動都市 モータル エンジン」感想ネタバレなし: ハリウッド版「ハウルの動く城」
こんちくわ!Shygonです!
今回はSFファンタジー大作
移動都市 モータンエンジン
について熱く語りたいと思います!
2018年に製作された本作は、60分戦争によって世界が崩壊後、移動型の都市で、他の移動都市の資源を捕食しながら生きてゆく世界を描く。
「ロードオブザリング」のピーター・ジャクソンが製作脚本を務めた。ジャクソン監督の右腕でVFXのクリスチャン・リバーの初監督作品。
サクッとあらすじ
60分戦争と呼ばれる戦いから1,700年が経過した地球。
人々は荒廃した大地をはうようにして進む巨大移動都市に暮らし、ほかの移動都市を取り込み資源を奪いながら生活していた。
そんな中、少女ヘスター(ヘラ・ヒルマー)は、ある目的を果たすために移動都市のロンドンへと潜入し、トム(ロバート・シーアン)という青年と出会う。
(シネマトディより引用)
移動都市が他の移動都市を資源のために捕食する、喰う喰われるの肉食強食の世界を舞台に、母を殺された娘の復讐劇。
移動型都市で生活をする。
原作の本を映画化へ
「ロードオブザリング」や「ホビット」シリーズで知られるピーター・ジャクソン監督が原作移動都市の映画化の権利を2009年に獲得したと報道された。
2006年に原作と出会い映画化を熱望するも、LoRのスピンオフ「ホビット」の製作がはじまり、中断していた。
2016年に突如ジャクソン監督の次回作が移動都市の映画化であると報道され、本作が映像化することが決まった。
長年ジャクソン監督のもとでVFXを担当し、「キングコング」でアカデミー視聴効果賞を受賞したクリスチャン・リバーが本作では初監督を務める。
無名キャスト&100億円
100億円という圧倒的な資金源を武器に、CGやVFXをふんだんに使いこなし、独特な世界を実現させた。
「ハウルの動く城」に似た世界観のもと、移動型の都市が他の移動都市を飲み込む。そんな一見実現不可能な世界をCGは可能にしたのだ。
まるでゲームの世界に飲み込まれたかのようにどデカイ移動都市の外観をグルグルカメラが飛び回り、腐敗したファンタジックな世界を魅せる。
そんな莫大な予算に比べて、キャストは全くの無名だらけ。
多少ドラマに出演した経験があるくらいの小娘がヒロインを務め、相手役の男性もほとんど名が知られていない。
ヒロインのヘスターはアイスランド出身のヘラ・ヒルマーが演じた。相手役のトムは同じくアイルランド出身のロバート・シーハン。
アジア人枠として、韓国出身でアメリカで歌手女優として活躍するジヘが出演。
敵役のサディアスを演じたのは、「マトリックス」や「ロードオブザリング」で知られる名俳優ヒューゴ・ウィービング。
主役級の全員が無名キャストで、ふたりのヒロインはどちらもアイスランド出身なのが本作の特徴です。
60分戦争とその後
「ハリー・ポッター」の額に傷があるように、主人公ヘスターには小さい頃の傷が残り、「ターミネーター」のような機械のガラクタが登場する。
「トランスフォーマー」のようなガラクタの寄せ集めた機械があちこちに散らばり、「パイレーツオブカリビアン」のような腐敗したダークな世界が描かれる。
どこかでみたことあるような描写に世界観をそのまま繋ぎ合わせたような親近感があったが、それを超える斬新さと新鮮度が一切なかった。
物語の世界観が壮大すぎて、2時間という時間の中でキャラクターの心情描写があまりにも稚拙すぎる。
たくさんの仲間に囲まれて、母を殺された復習を果たそうとする主人公たちですが、彼らの世界観にイマイチ感情移入ができなかった。
唯一無二な世界観で圧倒はされたものの、それからの人間的な描写にバトンタッチできず、感情表現が置き去りにされているような感覚。
SFファンタジーを描くときは、いかにキャラクターたちに観客が感情移入して、そのキャラに入り込んだかのようにするかが、映画の成功を握るカギとなる。
いかにも金のかかったCG描写は興奮するも、一瞬で冷め、我が身に戻ったときに、そこから映画を楽しもうとする感覚に戻ることができなかった。
それを裏付けるかのように、100億円以上かかった製作費と比べ、興行収入は85億円ほど。製作費すらも回収できない大失敗作になってしまったのだ。
ピータージャクソンは必ずやってくれる。そう信じて次回作を待とう。
びぇ!