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Netflix『マインドハンター』シーズン2第7話8話9話あらすじ感想ネタバレ:アトランタ事件の終焉とビルの誤算

two fbi agent open the back of car and looking here from the scene of mindhunter season 2

アトランタ連続殺人事件のその後

鬼才デビッド・フィンチャー製作の犯罪プロファイリングから犯人を炙りだすクライムサスペンス。

FBI捜査員が犯罪者の共通点を洗い出し、凶悪事件を解決する手がかりを掴む様子を、事実をもとに描かれる。

 

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サクッとあらすじ

第7話

one fbi agent put a cross from the scene of mindhunter season 2

エド・ケンパーの犯人は必ず現場に戻ってくるという言葉を信じ、現場近くで不可解な行動をしていた白人を逮捕した。

男のテープが大量に発見され、成人誌からは男の精液が検出され、長らく続いたアトランタ連続殺害事件が解決したと思われた。

しかし、その男は妊娠した妻に隠れて、夜な夜な森に行き、ひとりでマスかきをしていただけで無罪の男であった。

 

解決したと思われていた事件が降りだしに戻ったので、ホールデンらは一から徹底的に証拠を洗い出すことにした。

何も手がかりがないまま時間だけが経っていく。被害者をあざ笑うために捜査域の近くに新たな死体遺棄をするなど、犯人サイドからの明らかな挑発行為が続く。

次の策としてホールデンらはメディアを有効活用してみることにした。被害者に関連する場所を大々的に報じ、犯人の注意を引いて、現場に現れるのを待つことにした。

 

事件が長引くといろんな機関が腹を立て始め、内部対立が巻き起こる。

アトランタは南部の中でもKKK(白人至上主義の団体)の活動が活発な地域で、犯人を黒人と主張するホールデンの説に反発する。

アトランタ市警からの要望が多く、ホールデンが動こうとしても決められた規定のせいで自由に捜査ができない。

チラシを刷るだけでも指示書を書いて提出しないといけないのだ。

さらにKKKを疑うのは、警察の内部にKKKの協力者がいる可能性がいるため、迂闊に捜査ができず、全てが空回りし、真相からまた一歩遠くなっていくのだった‥

第8話

two white fbi agent and one black police stand near police car from the scene of mindhunter season 2

やっとの思いで、犯人と思われる人物の盗聴が認められ、直近の死体の発見が川近くなため、24時間体制で橋の近くを張り込む作戦をスタート。

一方、仕事で平日はアトランタで過ごし、休日にしか家に帰ってこないビルに腹を立て、妻はついに耐えられなくなる。

ブライアンと話そうとアイスクリーム屋に出かけるも、一向に口を聞いてくれないビルは、お手上げ状態だが、週末は家族と過ごし、平日はアトランタで殺人事件を追う多忙な日々を過ごしていた

さらにウィンディ博士は恋人の女と意見が食い違い、口をきかない冷戦状態が続き、ついに2人は口論の末、別れてしまう。

 

一方、南部で黒人を殺すのは、白人だけだと言い張る地元警察はついにホールデンの説に乗っかることになり、橋を中心に張り込みを続けた。

予算の関係上、4週間が限度だったが、粘りに粘った結果5週間目にしてついに犯人らしき20代~30代の黒人男性を確保することができたが‥

第9話

Wayne Williams speaks something from the scene of mindhunter season 2

ウェイン・ウィリアムス

夜中の3時にひとりで川の近くをドライブし、目的が曖昧なウェイン・ウィリアムスは地元で音楽プロデューサーをする人物であった。

子供にスカウトのチラシを配り、たまにレコーディングをする彼の目撃情報や、車に謎のロープや手袋が無造作に見つかり、状況証拠は揃っていた。

しかし、重要の物的証拠が揃わず、彼の身柄の確保ができず、釈放するしか術がない。結局彼を逃してしまう。

 

その後も、ウェインが犯人だとほぼ確信するホールデンらは特例で彼の尾行と盗聴を認可され、彼の日々の生活を追うことになった。

彼の尾行に小型飛行機と車6台で追う姿はまるで大統領を乗せた護衛のようで当然ながら、ウェインには気づかれ、ポテトまで差し入れでもらうハメに

彼らを取り巻く状況はさらに悪化してしまう。メディアがウェインの誤認逮捕に気づき、彼の自宅までメディアが詰め寄る状況に。

「無実の人間を逮捕するとは何を考えているのか!」とウェイン自身が市長の家に押しかけ、大ひんしゅくを買い、彼の奇行はどんどん増していくのだった。

メディアでもアトランタ市警とFBIのずさんな捜査を問題視するインタビューに堂々を出演し、警察は居場所を失いかける。

だが、FBIの威信をかけ、彼の物的証拠から逮捕に繋げる。結果29人が亡くなり、2人の殺害および死体遺棄の罪でウェイン・ウイリアムスは起訴された。

 

2019年現在いずれの27件は未だに立件されていない。

最後の2件に関しては、大人の殺害であり、肝心の子供の殺害事件は未だに解決の目処が経っていないのだ。

そんなスッキリしない終わりを迎えたのだった。

 

感想

Denis Rader stands and looks down from the scene of mindhunter season 2

殺人鬼デニス・レイダー

ついに『マインドハンター』シーズン2がフィナーレを迎えた。

犯人の犯行現場を移す前夜がなければ、ハラハラドキドキの犯人を割り出すミステリー感もない一風変わったクライムサスペンスドラマは、最後まで腑に落ちない内容であった。

でもそれはいまに始まったことではなくて、このドラマがはじまったときからその兆候は常にあり、常に疑心暗鬼のままシーズンの中盤がすぎ、そのままシーズン2が幕を閉じた。

 

シーズン1から頻繁に登場するエド・ケンパーがホールデンの捜査の手助けをする構図は変わらず、刑務所で過ごす極悪人から心理的状況を聞き出しては、彼らから共通的を探し出し、未解決事件に役立てる。

シーズン1は異常なほどデスクシーンが多かったが、シーズン2は少し昇進し、現場に実際に入り、捜査に自ら乗り出していた、まるで新人刑事が踏むステップのように。

犯罪者の頂点に立つ男チャールズ・マンソンが登場し、彼が会話を支配し、暴君のように暴れるマンソンを目の当たりにしたり、元マンソン・ファミリーの殺害事件の首謀者の男と面会するなど、見どころの多いシーズンであった。

 

だが、これらのインタビューも全てD・フィンチャーの仕掛けた壮大な罠に決まっていると信じ、次のエピソードを開く。

それを信じ続け、気づくとシーズン2はフィナーレを迎えていた。「あれ?フィンチャーさん?」と疑問に思うほど、このシリーズは腑に落ちない。

これほど長引かせてアトランタの児童連続失踪事件を扱ったのに、29件中、2件しか立件されず、子供の捜査をメインでしているはずが、蓋を開けてみると、子供が失踪した事件は何ひとつ解決まで導かれてしない。

 

だが、フィンチャー監督の過去作品を振り返ると、必ずしも彼の作品でスッキリする作品はほぼない。代表作『セブン』ほど見終わった後に胸くそが悪過ぎる作品はない。

でも逆に彼が常に第一線で戦い続けられる理由はここにあるのだと思う。彼の映画は決して見ていて楽しいものではないのに、爽快感あふれるコメディでもない

ただ彼の作品ほど見終わった後に考え込む作家はいないし、あれほど観客の頭の中衝撃を走らせる監督は少ない。

『ゴーン・ガール』の見事な復讐劇はみる人を激震させたし、公開から20年経った今でも猛烈なファンがいるカルト映画『ファイト・クラブ』も忘れなれない大事な名作である。

 

シーズン1一風変わったミステリードラマという勢いだけで観客を魅了したが、シーズン2主人公たちのパーソナルなところまで掘り下げて描いた。

キャラクターそれぞれにドラマがあり、そこだけで一本の映画が完成するほど内容の厚い話ばかりであった。

メインプロットのアトランタでの捜査がサブストーリーなのか?と疑うほど、彼ら個人個人にドラマが存在し、それだけで観客を盛り上げる。

アトランタの事件は未だに解決されてないという衝撃の結末でシーズン2は終わったが、その残酷な現実こそがフィンチャーが描きたかった犯罪ドラマであったのかもしれない。

ほとんどの犯罪ドラマはハッピーエンドが約束される刑事ドラマで、結末は決まってひとつしかなかった。

だから『セブン』の誰も救われない結末が観客からはウケたのだろうし、一見評価されそうもないB級映画の雰囲気を醸し出す『ファイト・クラブ』は未だに根強いファンに愛されているのかもしれない。

Denis Rader wear female custume for his hobby from the scene of mindhunter season 2

女装癖のあるデニス・レイダー

シーズン1から断片的に登場し、シーズン2の冒頭で無造作に登場していたヒゲの白人がシーズン2の最終話で突然の首吊り行為をした。

この人物はカンザス州で10人を殺害したデニス・レイダーです。

シーズン1で彼について何も言及がなかったので、シーズン2で伏線回収があるのかな?と思ったら、シーズン2でも彼をスルー。

彼は30年以上警察の手から逃れた凶悪なサイコキラーで、2005年に逮捕された。

シーズン2でも彼について言及がなかったので、おそらくジーズン3は、警察が彼を捕まえるまでが描かれるのだと思います。

 

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びぇ!