Netflix『マインドハンター』シーズン2第4話5話6話あらすじ感想ネタバレ:チャールズマンソンから学ぶこと
アトランタで子供の失踪事件が多発!?
極悪殺人鬼にインタビューし、彼らの共通点を見出して、未来の極悪事件の早期解決に役立たせる。彼らの心理的状況からなぜ事件に至ったのかを読み解く、犯罪心理学の誕生の裏側をD・フィンチャーが描く!
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サクッとあらすじ
アトランタで子供が連続的に計11人が失踪し、そのうち8人が遺体で見つかった事件。
未だ解決の糸口が見つからない中、ホールデン捜査官はそのずさんな状況を知り、ひとりで操作に乗り出す。
FBI本部からは、地元の警察から直接依頼が来ないと協力できないとして口論に発展してしまう。
一方、ウィンディ博士はバーで魅力的なバーテンダーを口説き、デートに誘い出す。自分がレズビアンだということを伏せ、ボーリングをしながらキスをする女性ふたり。
ホールデンがひとりで捜査に取り掛かるころ、ビル捜査官の家庭が思わぬ事件に巻き込まれてした。ある日の夜、突然地元警察が息子ブライアンに事情聴取があると、自宅を訪問してきて‥
ホールデンはビルが自宅に急用で帰ったため、ひとりで刑務所をまわり事件の糸口を握る重要な共通点を探そうとしていた。
両親同伴のもと、息子ブライアンが警察に呼び出された。
警察曰く、ブライアンは自宅近辺で幼児が磔になり殺害されていた事件に関わったとして警察の保護監視中にされてしまう。
最近仲良くなった年上の友達に唆されて、事件の共謀者になってしまったのと、まだ幼いので実刑は間逃れたものの、無口で会話が成り立たないブライアンの姿に不安な気持ちになるビルの夫婦。
さらに事件後、オネショを1年半ぶりにしてしまうようになり、オモチャも幼い頃のオモチャで再び遊ぶようになり、成長するはずが、逆方向に向かっている息子の状況に頭を抱えるのだった。
テッド・ガン長官の手ほどきにより、ホールデンらはついにチャールズ・マンソンとの面会が実現する。
チャールズ・マンソンは、カルト集団の教祖として、70年代後半にカリフォルニア州の田舎で「マンソン・ファミリー」と呼ばれた集団の中で生活し、信者に無差別殺人をさせた。
マンソンは自らをキリストの復活と謳い、ヒッピーコミューンを結成し、カルト集団のリーダーであった。彼はアメリカの犯罪史を代表する犯罪者として、悪名高い。
ホールデンらは、マンソン関連の事件から、自分たちが追っている未解決事件の解決への糸口を探そうとしていた。
マンソンはとても小柄な人物でかなりのおしゃべり。自分の意見を決して曲げず、ベラベラ話し続ける。
「俺は誰も殺していないし、アイツら(信者たち)は自分の意思でやったんだよ。」と未だに罪を認めず、さらに「肉を食べるだろ?お前らだって殺しているじゃん!」と次々と言葉のマシンガンが降りかかり、まともに会話として成立しない。
マンソン・ファミリーの元信者に話しを聞いたり、マンソンの人物像をみじかな人から聴き出すホールデンら。一方、ビルは息子ブライアンのことをウィンディに告白した。
アトランタの子供失踪事件は急展開する。
アトランタ警察はこれまで沈黙を保ってきたが、事件が未解決のまま被害者だけが増えることに危機感を覚えたため、正式にFBIに捜査協力が依頼された。
アトランタ警察は、失踪した子供たちの行方を捜すために、250人体制で森や事件現場を探すも手がかりはいまだに掴めないでいた。
その無意味な捜査にホールデンらは、拉致地点や死体遺棄地点を重点的に捜査するようアトランタ警察に進言する。
それはインタビューをしたエド・ケンパーが言っていたことだ。殺人鬼は現場に絶対に戻ってくる。なぜなら殺害現場に戻り、殺しを追体験して同じ高揚感を得るために。
結果が出ないアトランタ警察は、ホールデンの策を受け入れつつ、被疑者と思われる男の逮捕状を強制的にとり、逮捕に踏み切ったのだったが‥
感想
『マインドハンター』の一番の見所は、謎に包まれた世紀を代表する殺人鬼たちの生態が垣間見れることである。
みんなチャールズ・マンソンが極悪人なのは知っているが、誰も近寄ろうとぜず、一体どんな人間なのかは謎のベールに包まれている。
だが、このドラマは実在したFBI捜査官の本が原作になっており、彼らが実際に対話をしてきた極悪人たちがスクリーンにて蘇る。
チャーリー・マンソンは、意外と小柄でとてもおしゃべりな人物。逆にバーコウィッツは自分ことを神格化して、殺しを楽しむ完全にイかれたサイコであった。
エド・ケンパーは2m超えの巨漢で、外観に圧倒されてしまう。だが、話し方はとてもソフトで優しい。
でも目を反らすと一瞬にして獲物にされそうな緊迫感が常に張り巡らされている。
日本でいうと、オウム真理教の教祖である麻原彰晃がその例に当たる。彼もチャーリー・マンソンと同じくカルト集団を作り上げ、信者を洗脳し、コミューンを作った。
だが、その狂気化した信者をありのままに操り、日本を激震させた地下鉄サリン事件を始め多くの日本人を恐怖のどん底に陥れた。
このドラマでも、元マンソン・ファミリーの一員を、殺人事件を起こした首謀者として、ホールデンがインタビューするシーンがあった。
そんな彼は、自分が洗脳され、過去の間違いを起こしたことを認めるも、彼は今ではすっかりキリスト教の信者になり、毎日をお祈りで過ごす日々を送っていたのだ。
これは信仰する対象が変わっただけで、彼自身は常に誰かの助けに依存し、どこかの組織に属していたい人物なのだ。
それまで凶悪犯は、生まれながらにして凶悪犯であった。
だが、凶悪犯の話しを聞いていくうちに、それらは全て環境がそうしたのであり、必ずしも生まれながらに凶悪犯のDNAが存在する訳ではない。
本編のほとんどのシーンが相変わらず会話シーン一色で塗り固められているが、ひとりひとり犯罪者の中でも、人を殺めることへの意識が違うのだ。
ある人は殺しはひとつの作品であり、それもひとつの性癖であった。
だがバーコウィックは殺しが好きで、レイプ目的ではないのだ。でもバーコウィッツが性欲と暴力が別のものだったのかというとそうでもない。
ウィンディ博士曰く、バーコウィッツにとって暴力=性欲であり、人によって性欲のベクトルが違っている。
犯罪ドラマを眺めていると、「極悪犯罪者ってヤバいよねw??」という切り口で、正常な人間からの視点でしか犯罪を解決しようとしない。
極悪犯罪が起きて、優秀な警察官が華麗に解決する。そこに出てくるのはいつも頭のイかれた、常人には到底理解できない心情が存在する。
だが、本作は犯罪ドラマの既存路線とは大きく離れ、「じゃあ極悪犯罪者からの見方を取り入れて、少しでも彼らの生態を観察しようぜ」というこれまでなかった観点から犯罪ドラマを描いている。
マンソンにしても、バーコウィッツにしても常人には考えられない思考と雰囲気をしているので、彼らの生態に少しでも触れてみるという実体験が、本作の底にはあるのだと思う。
ドラマの本編でも主人公たちの仕事内容を他人に説明すると、「マンソンにあったの?どんな人だった?」と興味津々に聞くシーンがやたら多い。
それは一定数の人間が犯罪者の心理状況に興味を持っていることを示している。シーズン1からマンソンの話しがよく会話の中で出ていた。
犯罪心理学を語る上でマンソンは通れずにはいられない極悪人で、本ドラマについに登場したマンソンの素顔は意外にも小柄であった。
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びぇ!