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映画「仁義なき戦い 広島死闘編」あらすじ感想:伝説の極道はこうして歴史へと散っていった

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東映

ヤクザたちが己の命を賭け、自らの面子や義理を守り通す。

そのためなら殺人も意図しない。責任を取る意味で、指を詰めたり、一生親分に着いて行く意思を示すため、盃を交わす。

「仁義なき戦い広島死闘編」は1973年に公開され、仁義なき戦いシリーズの2作目にあたる。

前作仁義なき戦いで主演を務めた菅原文太が再び主演を。

ただこれほど主演が登場しない映画はほかにないほど、全く登場しない。

見終わったあとは、どないしたことか!(ちょっとイキって本作みたく方言の採用)と思わずツッコんでしまったが、実在したヤクザ山中の人生の一部を切り取った。

 

前作で、あれほど散々にヤクザたちが暴れまわり、バタバタと仲間が倒れ、その仕返しに敵を殺る。

その結果まわりを見渡すと誰ひとり生き残っていないほど、ありんこのように人が無残に死んでく。

村上常雄率いる村上組は勢力を伸ばしていた。その傘の下で、新しい世代の暴力の時代が築かれつつあった。

本作の主人公山中は無鉄砲な性格から、後に引けないほどの大事を何度も犯す。

だが、持ち前の明るい性格に、なぜかみんなから愛されるキャラクターの山中は、男として、少し敬意を示してしまう。

 

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最期まで極道を通す

殺人鬼として名を馳せた山中だが、死んだ後もヤクザの鏡として、語り継がれる。

山中は人を殺めるたびに予科練の歌を歌う。

まるで殺人鬼のルーティンのように。はじめて人を撃ったときは、その震えからかすれた口笛がご披露された。

のちに殺人鬼の異名で恐れられ、現場を重ねるたびに堂々と合唱するようになる。そんな映画のような人生を歩んだ男に、残された最期は決まっている。

後に引けなくなるほど、殺人を繰り返し、雲隠れを繰り返しては、警察に捕まる。脱獄をし、再び殺人を犯す。

街全体を包囲され、古い民家に逃げ込む山中。ヤクザとして、死ぬ最後まで極道を通した彼は華麗にその人生を閉じた。

 

まるで律儀な儀礼のように、小麦粉を銃にまぶし、口を大きく開け、銃口を口に突き刺す。

さすがの悪名高い殺人鬼とて、あれほど引き金を引いてきた男でさえ、躊躇してしまう。

"バン!"これまでに一度も聞いたことないような鈍音が一発街中に鳴り響く。

最後までヤクザとして、極道に極めた男は、こうして散ってゆくのだった。

主人公山中を演じた北大路欣也はいまでは名脇役として、いるだけで雰囲気のある画が出来上がるほど、名バイプレイヤーだ。

そんな彼の若かりし頃は、時代を代表する殺人鬼であったのだ。

びぇ!

 

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