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アメリカ在住大学生が映画を語るブログ

映画『僕のワンダフルジャーニー』あらすじ感想ネタバレ:転生を繰り返す犬が飼い主を追い求める続編

poster of movie A Dog's journey

犬と人間の交流を描いた心温まる話。

転生を繰り返して飼い主のCJを求めて、旅をする犬と人間を描いた前作『僕のワンダフルライフ』から2年の月日を経て続編が製作された。

"犬映画名手"で前作で監督を務めたラッセ・ハルストレム監督が製作にまわり、新鋭ゲイル・マンキューソ監督がメガホンをとった。

 

さぁCJを守ると決めた犬の決意を観てみよう。

 

サクッとあらすじ

『僕のワンダフルライフのおさらい』

scene from movie called A Dog's purpose

2017年公開の前作『僕のワンダフルライフ』は、犬が転生を繰り返しながら、愛する飼い主イーサンを探し出す物語

声のない犬が突然喋り出し、人間との友情を描いた本作は、人間と犬の交流をユーモア溢れる、心温まる映画に仕上がった。

何度離れ離れになっても決して諦めずにイーサンと探し出す求める主人公の犬との心の会話が観客をウルっとさせる感動作。

 

2010年に発行された同名小説A Dog’s Purposeを原作に、映画化された。

劇場公開されると、北米(アメリカとカナダ)で$68,000,000稼ぎ出し、最終的な世界興行収入は$205,000,000を突破し、その大部分が中国であった。

『僕のワンダフルジャーニー』

イーサンの孫娘CJはシンガーソングライターを夢みる少女。

綺麗な顔立ちに長髪のプロンド髪を靡かせる彼女は、友達に恵まれ陽気な性格の持ち主。

ただイーサンと仲の良くない母親のグロリアがCJを連れて家を出たため、イーサンの代わりにCJを幸せにすると決めた犬。

本作では4頭の犬がCJと助けようと奮闘します。

dog schepard from movie named A Dog's journey

ベイリー

前作のラストでボス犬として、登場したクリーム色のシェパード。CJの幼少期を影から見守る。

beagle of dog from movie named A Dog's journey

モリー

母親のグロリアに連れられて、引っ越してきたCJは新境地に上手く馴染めず、ひとりぼっちになっていた。そんなとき近くで心の支えになろうとする茶色&白のビーグル。

dog named big dog from movie named A Dog's journey

ビッグ・ドック

果敢な青春期を生きるCJは毎日のように母親と喧嘩をし、家出を繰り返す。大型で忠実なビックドックは、歌手を夢見てNYに旅立つCJの側で彼女の将来を静かに見守る。

dog named Max from movie named A Dog's journey

マックス

NYに移住後、場所でCJと再会を果たすマックス。歌手を夢みる少女が何もかも上手く行かない中、陰ながら彼女を応援する。

  

犬映画に中国の影

前作『僕のワンダフルライフ』の大ヒットを受けて、続編の製作が決まった。そこには新たに中国のアリババが出資し、本作の続編が実現された。

メガホンを取っていたスウェーデンの巨匠ラッセ・ハルストレム監督は製作にまわり、新税ゲイル・マンキューソが監督を務めた。

マンキューソ監督はアメリカ出身の61歳でテレビ製作に手掛ける女流監督

 

最近次々と中国マネーのおかげで映画化や続編が決まった例が多く、今回の件も裏に中国の莫大な資金が関係している。

主人公の少女CJの親友として中国からの移民家族が登場したり、中国の思惑が本作からも読み取れる。

 

4匹の個性豊かな犬の声を演じたのは、前作同様コメディアンのジョシュ・ゴッド。ジョシュはアナと雪の女王のオラフ役の声も演じている。

主演のCJを演じたのは、キャサリン・プレスコット。彼女はリリーコリンズ主演の拒食症に苦しむ子供達を描いたNetlifx映画『心のカルテ』などに出演。

 

感想

one young girl with brond hair walking with her dogs from the scene of movie called A dog's journey

前作僕のワンダフルライフは興行的には大成功したものの、批評的にはイマイチな映画であった。映画サイトRotten Tomatoでは35%といい出来とは必ずしも言えない。どっちかというとクソ映画になる。

ただ今回予想外の続編決定の報道に、よく調べてみると案の定中国の影が存在し、中国ありきの映画になった。

最近は『トランスフォーマー』のリメイク版など中国の潤滑な資金源のおかげで頓挫した企画が次々と映画化されている。

 

そんな中、中国が次に選んだ作品は機械が動き回るアクション映画でなければ、アカデミー賞ウケを狙ったドラマでもなく、犬映画だ。

前作『僕のワンダフルライフ』で監督を務めたラッセ・ハルストレム監督は70歳を超えたご高齢ながら、現役バリバリでいまなお映画を撮り続けている。

ハルストレム監督はキャリアの初期から犬をタイトルに入れたり(My life as a Dog)、とにかく彼の犬好きは有名である。

 

 

ハルストレム監督のTwitterのツイートで犬が大好きだと公言しているように、犬映画を量産しているのだ。

『ギルバートグレイプ』や『サイダーハウスルール』などが有名だが、彼は底知れない犬好き映画監督だったのです。

 

補足:彼がこれまでに監督した犬映画3本

『マイライフアズアドッグ』

『HACHI 約束の犬』

『僕のワンダフルライフ』

 

本作は駄作。

2010年代に入り、中国マネーによって数々の映画が救済されてきたが、中国によって映画化された映画のほとんどが批評的に大失敗をしている。

トランスフォーマーは典型的な例で、中国マネーの介入で、リメイクが決定したものの、呆れるほどの駄作感に映画感を残念がりながら出た人も少なくないだろう。

本作も中国マネー映画=駄作というレッテルを打ち砕くことができず、映画の裏に隠れたオトナの事情を大きく感じてしまう。

中国マネーが入った途端、白人のCJの親友が中国人男性になるし、いたるところに無理やりすぎる中国の影がある。

 

ただ本作を全体的に見渡すと、ディスれない。なぜだろうか?

犬映画なので、登場人物に犬が加わる。犬好き映画監督ラッセ・ハルストレム同様、筆者自身も犬が飼っていた経験があり、大の犬好きである。

犬があんなに可愛い顔して、あたりを走り回ってる映像が2時間も続くなんて、これほど人間の幸せが詰まった映像は他にないほど、幸せ養分を分け与えてくれる。

Youtubeの動画でネコとじゃれあっている映像が100万回再生を突破する謎現象みたく、2時間のストーリーありきの可愛い犬たちが走り回る。

週末になると犬の飼い主たちは犬をドッグランへ連れて行く家庭も多いだろうが、本作を例えるならば、映画がフリードッグランなのだ。

あの週末の朝早い時間に犬を連れて公園へ行く開放感と爽快感をそのままこの映画から近いものを感じる。

いくら映画がクソ映画だろうが、まともなストーリーが存在して、犬が2時間駆け回ってくれれば、それでいい、そう言いたい。

だから続編でメガホンと取らず、すぐに手を引き、製作に回ったラッセハルストレム監督は、さすがだろう。

 

中国のわざとすぎる裏ボス感とアジア人と白人の謎の交流など、観客は犬を見たいだけなのに、いらなすぎる要素てんこ盛りの映画であった。

 

びぇ!