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Netflix『ストレンジャーシングス』を絶対観るべき3つの理由

poster of strangerthings 3 and painting version

Empire
 
2019年7月4日Netflixでシーズン3が配信された。
 
アメリカの独立記念日に合わせての新シリーズの発表で、物語でも独立記念日近辺が舞台となる。
2日も経たないうちに全てのエピソードを見終わってしまった筆者だが、自身を持って言えることがひとつある。
 
『ストレンジャーシングス』は今年最高のドラマである。
 
かつてない壮大なアドベンチャーであり、笑いあり感動ありの8話であった。
緻密に考えられたストーリー性と、際立って目立つ独特なキャラ感、全てが素晴らしい
舞台が1980年代のアメリカ中部の架空の街に戻りたくなるような、そんな感覚に陥ってしまう。
 
では、なぜ人々はこんなにも熱狂的になるのか?
 
ネタバレはないので、これを機に見ていただきたい。
 

80年代への愛が止まらない

opening role of stranger things

1980年代のアメリカの架空の田舎町ホーキンスが舞台。
あるひとりの幼い少年が失踪することで、街全体が不可解な事件に巻き込まれていくホラーである。
裏の世界からくる謎のモンスターや、強力なパワーを持った少女が登場するなどSF感満載のドラマ。
 
SF作品に抵抗のある人は本作を避けがちだが、その一見陳腐そうにみえる設定こそが、舞台となった80年代と繋がってくる。
本作を手がけたダファー兄弟が幼い頃を過ごした80年代のサブカルチャーが好きで、本編のいたるところにその想いが垣間見れる。
冒険映画の金字塔『グーニーズ』やスピルバーグ監督の『E.T』などの幼い少年たちが活発に外の未知なる世界を探検しようとする映画や、『ハロウィン』やジョン・カーペンター監督の『遊星からの物体X』などのホラー映画からの影響を受ける。
 
さらに80年代前後の映画業界の背景も関係してくる。
1977年公開の『スターウォーズ』の公開は映画の常識を根底から変えた。それまでSF作品は一部のオタク用で子供の見るものという印象が強かったSF作品を大人こそが楽しむジャンルに乗り換え、そこから映画の系統がガラッと変わっていった。
 
80年代はそんな映画の系統がガラッと変わった時代を象徴する時代で、『ストレンジャーシングス』が仕掛ける層もそんなカラクリがある。
80年代に青春時代を生きた世代は、自分たちの若い頃を思い出す懐かしい作品になり、2000年代前後に生まれた、80年代を知らない若い世代は本作を通じて80年代の魅力に浸かる。
 
どの層でも楽しみ方は変わってくるものの、ミレニアム世代にとって馴染みのあるNetflixで良き時代の過去を描くのは、どの世代にとってもウケる仕組みになっていたのだ。
 

愛される個性的なキャラたち

one man with long hair and one young boy wearing hat is looking at something

主要キャストのほとんどが13歳~17歳の子役で締める。
子役だからとナメないでほしい。どの子も個性があり、愛されるキャラクターに出来上がっている。シーズン2までが前章だったのかと思わせるほど、シーズン3ではさらなる個性が突出して魅力的。
みんなをまとめるリーダー的な存在なマイクや、特殊能力を操る少女エル、さらにテクノロジーに詳しいギャグ担当ダスティンなど、個々にしっかり活躍できるフィールドが本編の中に用意されている。
 
さらに彼らの数個年上で18歳前後の世代は、彼らのお兄ちゃんやお姉ちゃんで、彼らを精神的にサポートする。
13歳とは思えない言動っぷりで活躍するが、子供っぽいところとのギャップが人間味を感じる。
同じ10代でも、数年違うだけで、悩みの種が変わってくるし、誰もが複雑な青春時代を生きる上で、共感できるポイントが多い。
 
子供に感動のドラマがあれば、大人はもっと複雑である。
警官として小さな街を支えるおじさんや母として日々子育てに追われ多忙な日々を過ごす母親にもドラマは必ず存在する。
小さな架空の街を舞台にそれぞれにとって置かれた状況で悩み、問題を解決していく様にドラマ性を感じるとともに、そこに異世界からの怪物が加わると、物語は一気に先の見えないジェットコースターのようになる。
シーズンを重ねる毎に、個々のキャラの魅力が滲み出てくるのがドラマも特徴だが、俳優がそれを演じきるほどの実力がないと、それを表現することができない。
 
こちらの記事によると『ストレンジャーシングス』シーズン3のギャラがどんでもなく跳ね上がっているらしい。
メインキャストは一話あたり約2200万円~2700万円支払われている。13歳の子供がそんな大金を受け取る自体が考えられないが、前シーズンの約320万円からだいぶ上がったことがわかる。
それほど演技が評価され、全世界のファンがこのドラマを心待ちしているかということだ。
 

やめられない中毒性のある物語

gross strange monster which is red and black

これまで本編のストーリー性より本作の背景に隠れているポイントについて言及してきた。背景に眠る本作の魅力がわかったところで、緻密に計算されたストーリーの面白さについてだ。
このドラマは様々なチームに分かれて、同時進行で物語が進んで行く。だいたい3つから4つのパートに分かれ、それぞれのグループがどんな場面に直面して、どんなことが起きているのか断片的に描く。
 
描くパートが多いから、ここでもダフィー兄弟の映画愛が試される。物語の肝心な気になる展開をバッサリ切って、違う話に切り替える。
これは『スターウォーズ』が効果的にはじめって活用したことで有名だが、ここでも80年代前後の映画に話が繋がってくる。
 
"お!お!おっ”と言わせておいて、肝心のオチを映さず、次のグループにバトンが渡されるソワソワ感。観客が常にやめられない状況を残し、さらなる展開へ期待感を作り上げる。
80年代の文化に親近感が湧くたかわら、現実とはかけ離れてるSF作品だからこそ、両方の旨味を十分に生かし、予想だにしないワクワクするストーリー運びが可能になるのだ。
 

one funny boy is attacking with spray

さらにキャラクターの魅力について。
生身の人間にも通じる話だが、思いもよらぬギャップが垣間見れたとき人間は、一気にその人への好感度が上がる。
 
筆者の一番すきなキャラクターであるダスティンを例に挙げて説明する。
彼はこのドラマではコメディ担当で、常に観客を笑わせてくれる。13歳とは思えないキャラの出来上がりと鋭いギャグを華麗にキメてくる
彼が映るだけで笑う準備をするし、映るだけで笑い出しそうになる。歯が抜けていて、口角が上がるとあるはずの歯が生えていない。
そんなツラをしてテクノロジーに詳しいし、彼の大活躍で城内を脱することも少なくない。
 
さらにシーズン3で、彼の好感度が爆発的に上がる。ネタバレはできないので、気になる人は以下の解説記事にアクセスして下さい。シーズン3の全話を解説しました。
本来の印象とのギャップを見せるキャラはダスティンに限らず、ほぼ全てのキャラクターがより一層魅力的に変化を遂げているのがシーズン3の最大の特徴です。

とりあえず観るべきだと言いたい

シーズン1は8話、シーズン2は9話、シーズン3は8話構成だ。
全シーズンをNetflixにて独占配信中なので、ぜひこの夏休みを使ってみてほしい。平凡な田舎街に住む少年と少女が未知なる世界へ冒険する話であるとともに、SFアドベンチャーのような想像もできない物語性がやみつきになり、やめられなくなる。
多くのメンバーがいるアイドルに必ずひとりは応援したくなる子がいるからと、同じように必ずひとりは好きなキャラクターがいるはずだ。
 
びぇ!
 
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