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「ナルコス」が描く麻薬密売人たちの壮絶な生き様とは?[考察と解説] (ネタバレ) ~ シーズン1, 2編 ~

こんちくわ!Shygonです!

今回は視聴者から絶大なる人気を誇る

NETFLIX製作のドラマ、「ナルコス」を徹底的に深く掘り下げ

熱く語りたいと思います。

さらにこの記事では主にシーズン1, 2の総括をし、熱く語っていきたいと思います。


ナルコスとは?

2015年の夏からNETFLIXでシーズン1の配信が始まり

全シーズンで4部構成で、南米地域の麻薬カルテルを描く物語です。

 

シーズン1が配信されるとすぐさま反響を呼び、続編が決定し、多くのファンを抱える作品となっています。

 

題名のナルコスはスペイン語の「麻薬ディーラー」をいう意味で、

シーズンごとに様々な環境、人物に焦点を当てて物語を進行させているのが特徴です。

 

 各シーズンの総括

シーズン1, 2: 「メデシン・カルテル」の繁栄と滅亡

史上最悪の麻薬王「パブロエスコバル」の繁栄と滅亡を描きます。

彼がどのようにして「メデシン・カルテル」という帝国を作り上げ、

アメリカに混乱を招くくらいのコカインを密輸したのか。

コロンビアを舞台にアメリカとの関係にも焦点が当てられます。

 

シーズン3 : 「カリ・カルテル」の繁栄と滅亡

舞台は再びコロンビア。

パブロ亡き後、その後釜を担った

「カリ・カルテル」のロドリゲス兄弟とその仲間たちがどのように覇権を取り、繁栄し、失脚していったのか

を描きます。

 

シーズン4 : 「フアレスカルテル」の繁栄と滅亡

舞台はコロンビアからメキシコに移ります。

カリの滅亡後、フエンテスが覇権を握り、1990年代最も恐ろしい麻薬王として、

空輸で大量の麻薬を輸送して巨万の富を築きました。その栄光と最期を描きます。


「ナルコス」の魅力とは?

  1. 物語

このドラマ見ていて全く飽きません。

事実を元にしているとは思えないくらい僕らには考えられないことが起きるのです。

登場人物ほぼ全員に魅力があり、よくキャラクターに焦点を当て

描かれているため予想を裏切り、常識を常に超えてくるのです。

 

そして、最大の魅力は歴史の勉強になるということです。

 

1970年代後半から1990年代まで一体なにが起こっていたのか?

どうしてアメリカが無視できないくらいの麻薬消費国になってしまったのか?

それは南アメリカ地域からの麻薬の流入が原因だったのですが、

なぜそんなことがおきてしまったのか?

このベトナム戦争後、アメリカを混乱に落とし込めた理由を

このドラマから学習できるのです。

事実を基にしているため、実際の映像が本編でもたびたび挿入され、

とても親近感がわくのです。

 

  1. ネット配信の強み

本作はNETFLIX製作のストーリミング配信の作品です。

 

なので、テレビや劇場とは違って様々な妨害が発生しません。

 

例えば、残虐シーンです。

残虐シーンの多さに左右され劇場公開やテレビだとスポンサーの協力があっての製作なため最悪公開できないなど様々な邪魔が入ってしまうのが事実です。

 

しかし、ネット配信なので、そのような心配は無用なのです。

なぜならネット配信を言い換えると、自主製作のようなものです。

事実に近い状態で、作品を作り上げるのが必須だった本作では

残虐シーンの多用は不可欠です。

そんな本作にはピッタリな条件下でドラマを撮ることができたのです。

 

そして、言語の問題です。

これもテレビや劇場だとみる人に制作側が歩み寄らないといけないため、

客層の理解できる言語でドラマを撮るのは当たり前です。

しかし、リアリティーを追及していた今作では、

舞台が南米であるため、全編のほとんどがスペイン語なのです。

これにより現実に近い状態で、このドラマを楽しむことができます。

要は、字幕で見ろ。ということなのです。

 

そして、本題に入ります。

今回の記事ではシーズン1,2に焦点を当て、熱く語っていきたいと思います。

 

シーズン1,2では「パブロ・エスコバル」の生涯にスポットを当て、物語進行していきます。


「パブロ・エスコバル」ってどんな人物?

パブロ・エスコバルは一時、世界一の麻薬王として暗躍し、

フォーブスの長者番付では7位にランクインするなど、

かなりの大富豪でした。

 

彼の組織「メデシン・カルテル」では

一日に15トンものコカインをアメリカへ空輸し巨額の富を得ていました。

彼の経営手腕は天才と称されるほど、もの凄いスピードでメデシンを世界に知らせました。

 

しかし、敵対した組織や警官たちを躊躇することなく殺したため、

マフィアだけでなく、アメリカにも敵視され、命を狙われます。

結局アメリカの手によって射殺されるのですが、

地元コロンビアでは、彼が殺された後でも英雄視され、

いまでも一部の層には人気があります。

 

彼がどれほど影響力があり、世界を混乱させた力があったのか、こちらのサイトに詳しく乗っておりましたので、ご覧ください。

http://gigazine.net/news/20160805-pablo-escobar-wealth-visualized/


「パブロ・エスコバル」が持つ影響力とは?

彼が牛耳っていた麻薬は

アメリカ国全体を混乱させるほど、社会問題に発展していきました。

いま現在アメリカは世界でも有数の麻薬大国として知られていますが、

その根底にあるのはパブロ・エスコバルが大量に密輸したからなのです。

 

上記の通り彼はメキメキと資産を増やし、世界でも有数のお金持ちへとなっていくのです。

まだ彼の裏の顔が知られていないときには、

彼は政治の世界まで顔を突っ込み、市の議員までなります。

最終的に大統領を狙っていた彼ですが、

その前に彼の悪行が表に出てしまいその道を断念せざるを得なくなります。

 

彼がどれだけ国だけではなく世界的に影響力を持っていたのか、本作ではよくわかります。

彼の行動一つ一つが世界を動かすまでになってしまうのです。



  • シーズン1,2の魅力とは?

映画やドラマを創作する際、とても重要なポイントがあります。

どの視点で物語を描くのかということです。

どの視点で物語を進行させていくのかで、出来上がる作品は全く違うものになります。

 

「ナルコス」では舞台のコロンビアを主体に話が進んでいくのですが、

主人公は2人いて、どちらも実在の人物です。

 

一人目は「スティーブ・マーフィ―」

彼はアメリカから麻薬の出所を探るため派遣されたDEA捜査官です。

 

二人目は「ハビエル・ペーニャ」

彼もスティーブ同様、DEA捜査官ですが、真面目なスティーブとは正反対で手段を選びません。そして、スペイン語が堪能なのも彼の特徴です。

 

物語自体は南米の麻薬戦争なのですが、視点をアメリカ人のDEA捜査官にすることで、

内容自体から少し距離をおき、客観的にこの麻薬戦争に焦点を置けるというのが

本作の最大の魅力です。

 

ですが、シーズン1、2はパブロ・エスコバルの人生が描かれるため

パブロ側とDEA捜査官との駆け引きはとても魅力的でした。

様々な水面下での交渉や彼らの心の動揺も大事な情報として鮮明に描くのです。

 

はじめは順調に「メデシン・カルテル」を拡大していくのですが、

彼の裏の顔が暴かれ、敵は皆殺しにしていると、

国は勿論アメリカからも指名手配されるようになり逃亡生活を余儀なくされます。

 

彼は自分が置かれている状況の変化と老いが重なり、

俳優としての演技は最高峰に難しいと思いえるのですが

パブロ・エスコバルを演じた「ヴァグネル・モウラ」は天才です。

 

家族を守るため、メデシンを守るため必死に逃亡していると当然ストレスはたまります。

そして、必ず来る老いとの闘いで疲れた果てた彼の生きざまはまさに伝説でしょう。

 

本作では決して彼の行いを英雄視して描いているのではなく、

彼の関わったとされる悲惨な抗争や事件も忠実に描いています。

 

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