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映画『バイス』あらすじ感想ネタバレ:政治界の影のドン ディック・チェイニーの伝記ドラマ

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Annapurna Pictures

こんちくわ!Shygonです!

今回はアメリカ政府の裏を描いた話題作

『バイス』

について熱く語りたいと思います!

2018年に公開された本作は元アメリカ副大統領ディック・チェイニーの伝記映画。

ブッシュ政権のもと いかにしてアフガニスタンとイラク戦争が始まったのかをチェイニーの視点からアメリカの裏をコミカルに描きました。

第91回アカデミー賞では、メイクアップ&ヘアスタイル賞を受賞しました。

 

ディックチェイニーはどんな政治家?

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(左)本人, (右)映画バイス

「史上最強の副大統領」や「影の大統領」などと呼ばれるなどその手腕が高く評価されているチェニーですが、彼の決断には疑問が多くあり、強硬な保守派政治家としていまなお影響力を持つ政治家です。

 

上最少年の34歳で大統領首席補佐官に就任すると、ジョージ・HW・ブッシュ政権の元で副大統領を務め、イラク戦争を始めた張本人でもあります。 

ドワード・スノーデンが暴露したCIAの国民を監視していた件の元の組織を作り上げた影の立役者として、様々なよからぬ噂が後を絶たない政治家でもあります。

 

これだけは抑えておけば大丈夫!

ディック・チェイニーがいかにして成り上がり、政治家として大成功したのかが描かれます。そして、結果的に多くの人を犠牲にし、全く意味がなかったイラク戦争をなぜ始めてしまったのかがチェイニー目線から描かれます。

アメリカの政治が物語なので背景が全くわからないと理解はきついです。

なので重要な人物だけピックアップしました。

 ディック・チェイニー

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( 左)増量した状態, (右)普段バージョン

クリスチャン・ベールがディック・チェイニーを演じます。

本作のため40ポンド(18キロ)増量して撮影に望み、喋り方も本人を完コピし圧倒的な存在感。

クリスチャン・ベールはいっつも急激に減量したり、本作のように増量したりとカメレオン俳優として不動の位置を築き上げた現代を代表するひとりです。

 ジョージ・HW・ブッシュ

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Annapurna Pictures

第43代アメリカ大統領。父も同じく大統領を務めた親子共に大統領を務めた政治家一家。イラク戦争をはじめた張本人です。

本作では「スリービルボード」の狂った警官のディクソン役でお馴染みのサム・ロックウェルが演じました。

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 ドナルド・ラムズフェルド

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(左)本人, (右)スティーブカレル

アメリカ国防長官などを兼任した政治家。チェイニーの上司としてチェイニーの若手の頃に世話をします。

本作では「40歳の童貞男」「バトルオブセクシーズ」「ビューティフルボーイ」の父親役で知られるコメディ俳優スティーブ・カレルが演じました。

最近になってシリアスな演技派になりつつある俳優ですが、本作では常にジョークを言ってみてはひとりでゲラゲラ笑っているような本来のスティーブ・カレル感が満載です。

 

シリアスな政治ドラマをコミカルに描く

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Annapurna Pictures

 社会問題を浮き彫りに描く映画の傾向

2017年に突如誕生したトランプ大統領の以後、様々なセレブリティがトランプ大統領の政策に反対を公言してきました。

映画でもいかに今のアメリカが間違った方向に向かっているのかを描く映画が圧倒的に増えてきているように思えます。

 

現代の世界情勢含めアメリカの現状を描く映画は事実を淡々と描き、そこから浮き彫りになる社会問題を映画を通して訴えかけます。

人種差別が色濃く残る南部の実情を描いた「グリーンブック」や依存症について描いた「アリースターの誕生」を含め多くがいまアメリカで取り糺されている社会問題です。

 本作でも多くの人間を意味もなく死なさせた最悪の戦争イラク戦争がなぜ始まったのかを中心にその中心人物たちにスポットライトを当てて描かれました。

 シリアスにかつコミカル

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Annapurna Pictures

社会派映画は芸術的には素晴らしい映画が多く、映画祭やアカデミー賞などの映画の祭典では評価されることが多いですが、興行的には恵まれないことが多いのです。

大衆向けではないし、映画として全く面白くないですもん。本作最大のポイントはその社会派映画の最大の欠点を解決していることだと思います。

監督を務めたアダム・マッケイはそんなシリアスな政治問題を描く映画でもめちゃくちゃふざけるのです。

 

本編の途中に勝手にギャグでエンドロール流しはじめたり、もうやりたい放題の2時間が続きます。

前作の「マネーショート 華麗なる大逆転」にも共通することですが、一般的には大衆的に興味がそそられないような政治問題や社会情勢をいかにして大衆向けにするのかのトリックがとても絶妙なんです。

 やっぱりクリスチャン・ベール天才説

本作のようなシリアスな内容を扱うのに、本編通じて常にふざけてるようなテイストの映画だと俳優の演技と脚本が締まってないとまとまりません。

極度に本人に似せたクリスチャン・ベールの映画がこの映画をよりリアルに臨場感のある場面を作り上げた最大の立役者であることは間違いありませんね。

 

びぇ!

 

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