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アメリカ在住大学生が映画を語るブログ

映画「ミッドナイトエクスプレス」の感想:深夜特急に乗って脱獄せよ!?

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Columbia Pictures

こんちくわ!Shygonです!

今回は麻薬の密輸で捕まった実話

ミッドナイトエクスプレス

について熱く語りたいと思います!

1978年に公開された本作は、トルコから麻薬の密輸に失敗し、刑務所に入れられたひとりの男が脱獄する実話。

ベトナム戦争の壮絶さを描いた「プラトーン」で知られるオリバー・ストーンが脚色し、臨場感溢れるドラマに仕上がっています。

 

 

密輸を体験するよ

チョコレート状に加工したハシシと呼ばれる大麻をぐるぐるに体に巻きつける。空港に着き、イスタンブールから出国手続きを行う。

バレずに出国して無事アメリカに着けるのか?そんな不安を体現するかのように、冒頭シーンで心臓のバクバク音が鳴り響く。

それは一刻とも動きを止めず、むしろ心臓が活発化する。

周りからみれば、本当にわかりやすい密輸だったのかもしれない。意味のわからないところで、汗がダラダラで、目が常に挙動不審。

横でトルコ語がダラダラと流れるシーンでさえも、あっ!驚く。そんなワンシーン、ワンシーンがリアルで、目を離せない。

 

作は原作者ビリー・ヘイズの実体験を基に書かれた同名小説を原作に映画化した。ただ映画で描かれたことと実際に起きたことが大きくかけ離れていることから、原作者ヘイズ自らが反発した。

だが、アメリカでは人気で評価が高かったので、その事実はほとんど報道されなかった。

事実に忠実に描けてないが、ビリー自身が体験した細かなピースまで、密輸人の心情を描き切る。

これまで多くの麻薬関係の映画やドラマはあるが、これほど実際の事実と近い関係にある作品は数少ない。

 

主人公の心情の変化を音楽のテンポで間接的に描き、いま主人公がなにも思っているのかをまるで本人が感じているような臨場感を再現しているのは見事。

異国の刑務所などにいると、なにを話しているかも分からず、暴力を好きなだけ振られる。

もう刑務官の足音すらも恐怖に覚えてくる、この現場は、経験したことある人にしか分からないであろう。そんなイカれた数々を疑似体験できる。

 

Catch the Midnight Express!

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裁判で涙ながらで訴える

直訳すると、"深夜列車を捕まえろ!"

一見普通の会話に見えるが、刑務所でこの言葉を言うと意味が変わってしまう。

"Catch the Midnight Express!"は脱獄せよ!という意味になり、英語のスラングの一種。

 

本作はトルコが舞台とされているが、実際に撮影されたのは、ほとんどがマルタ島なので、そこもひとつ現実味に欠ける。

主人公を演じたブラッド・デイビスは、友達と大麻を楽しみたいというちょっとした出来心で、4年もの間泥沼刑務所にブチ込まれてしまう。

そんなデイビス本人も不遇な人生を送ったのだ。本作では怪物的な演技を披露するも、他に際立った作品がない。

デイビス自身もアルコール依存症に溺れ、AIDSを原因に自らの命を落とす。そんな俳優ブラッドデイビスとビリーヘイズが重なり合うのがなんとも言えない。

びぇ!

 

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