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アメリカ在住大学生が映画を語るブログ

映画「レディプレイヤー1」感想ネタバレ:20世紀を代表して21世紀を担う者へ

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Warner Bros. Pictures

映画レディースプレイヤー1

こんちくわ!Shygonです!

今回はVRゲームが発達した近未来を描いたSF映画

レディープレイヤー1

について熱く語りたいと思います!

 

2018年に製作された本作は、スティーブン・スピルバーグ監督のSF映画です。70歳を超えたいまでも定期的に作品を発表するスピルバーグ監督ですが

「ここ最近で1番辛く時間のかかった作品だ」

というほど、労力とお金がかかってる作品です。

でも予想をはるかに超えて大満足の作品でした!!!

 

サクッとあらすじ

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Warner Bros. Pictures

 

2045年。環境汚染や気候変動、政治の機能不全により世界は荒廃していた。その為スラム街で暮らさざるを得ない状況に陥った地球上の人類の多くは、オアシスと言う仮想現実(VR世界)に現実逃避し入り浸っていた。

現在オアシス内では、創始者であるジェームズ・ハリデー亡き後公表された彼の遺言により、勝者にはオアシスの所有権と5000億ドル(日本円で約56兆円)相当のハリデーの遺産が授与される「アノラック・ゲーム」が開催されていた。

ハリデーがオアシス内に隠したとされるアイテムイースター・エッグ (コンピュータ)イースターエッグ”を探すプレイヤー“ガンター(エッグハンター)”達が日々3つの鍵を手にする為の関門となるゲームに挑んでいるが、始まって5年経っても誰も鍵を手に入れられなかった。

オハイオ州コロンバスのスラムに住む若者ウェイド・ワッツことガンターパーシヴァルも勝者となるべく日々奮闘していたが、ゲームにはオアシスの独占を欲す世界第2位の大企業IOI(イノベイテブ・オンライン・インダストリーズ)社社長ノーラン・ソレントが送りこんだガンターチーム“シクサーズ”もいた。
ウェイドは第一の試練を突破するが、現実世界でも彼に魔の手が及び、レジスタンスのアルテミスやオンライン仲間たちと共にソレントの陰謀に立ち向かっていく事となる。

 (Wikipediaより抜粋)

 

オタクたちを熱狂させるサブカルの世界

本作を一言で表現すると、オタクたちの夢の場所とだと思います。どの時代も若者を熱狂させてきたサブカル文化の集大成がこの映画。

名作映画の小ネタから、スーパーヒーロー、アニメなど少年時代に誰もが通る人気キャラクターを度々目にするのです。

そのキャラクターを映画に出すために、スピルバーグ監督は長い時間をかけたと言われています。

Wekipediaのページにどんなキャラクターが元ネタとして出てきているのか、一覧がありますが、多岐に渡ります。

 

名作映画のオマージュや絶対出会うはずのないキャラクターたちが一斉に集合する豪華さ。

スマブラに大集合するキャラクターたちのように、本作では世界中のサブカル文化の集合体が大乱闘を起こすイメージ。

 名作映画へのオマージュ

名作映画へのオマージュを挙げるとキリがないくらいたくさんのシーンが再現されています。

例えば、ターミネーターがマグマの中に消えていく映画史の中でも超有名なシーン。

そのシーンを彷彿させるかのようなシーンがあったり、映画シャイニングシーンがそのまま使われてたり。

 

「シャイニング」の原作者スティーブンキングが映画版を気に入っていないなどの映画の小話までいーーーーっぱい映画ファンを沸かせるシーンがあって最高なんですよね!!!

 

さらにメガゴジラがそのまま出てきて暴れたり、ホラー映画チャイルドプレイの不気味なお人形チャッキーがナイフ持って暴れたり、やりたい放題です。

僕が1番驚いたのは、大友克洋監督作品「AKIRA」の赤いバイクが冒頭シーンでデスレースに参加してたり。

もう言い出したらキリがないネタ量。徹夜して語れるほど散りばめられたネタ。最高の一言ですよ。

 

70歳超えてなお引退を知らないレジェンド

 チーム・スピルバーグ

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Lainey Gossip

誰もが知る世界的巨匠スティーブン・スピルバーグが監督を務めました。

他にもスピルバーグ監督作品常連のカメラマン ヤヌス・カミンスキーや編集技師はマイケル・カーン。最近では監督作品のほぼ全ての作品を彼らが担ってます。

 

製作陣の本作の特徴は、音楽です。

「スターウォーズ」「インディージョーンズ」などを手掛けてきた常連のジョン・ウィリアムスが本作では担当出来なかったのです。

他作品のスケジュール上、彼が降板したかわりにアラン・シルブェストリが作曲。

彼は「バックトゥーザフューチャー」のロバート・ゼメキス監督の常連作曲家で、本作だけ臨時でのスピルバーグ作品参戦でしたね。

 

世界中のサブカル界隈で人気を博してきたキャラクターを登場させるため、長らく時間をかけた本作でしたが、製作費は175億円です。

大作の中でもかなりお金のかかる映画でしたが、これだけ世界中から誰もが知ってるキャラクターをひとつの映画に大集結させるのには安い値段だと思ってしまう‥

 

莫大な製作費に対して、全世界興行収入は600億円近くなので余裕で黒字です。

個人的には正直もう少し大ヒットしてほしかったと思っています。率直に1000億の大台は超えて欲しかったです。

(ちなみに興行収入1000億円は「ハリーポッター賢者の石」や「ファインディングニモ」とかです。)

 

 日本文化に日本人俳優!!!

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Warner Bros. Pictures

2018年夏に公開された当時、日本でも相当話題になりました。

スピルバーグ監督が久しぶりの大作という大作を撮るということと、日本人俳優が出演しているからです。

森崎ウィンは主人公パーシヴァルのチーム仲間のひとりを演じ、華麗に英語を話していました。

ミャンマー生まれのトリリンガルで期待の日本人として、その甘いボイスにイケメンなアイドルはこれからも大活躍しそうですね!

 パーシヴァル

本名ウェイド・ワッツの淡白な少年。ゲームの創始者バリデーの大ファンで映画、アニメ、ゲームなど様々なサブカルに浸透するオタク。

アメリカ映画のザ主人公みたいなキャラクター。

タイ・シェリダンが演じます。X-MENのヒーロー サイクロップスを演じていました。本作が大作映画の主演初です。

デッドプール2の解説はこちら

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 アルテミス

本名サマンサ。短髪赤髪の華奢な女の子。

頼り甲斐のある元気な女の子だが、顔にある生まれつきのアザがコンプレックス。レジスタンスの一員として、父親を殺された恨みを持つ。

オリヴィア・クックが演じます。ほとんど有名作品の出演がなく、本作がメジャー映画で初ヒロインを演じる。

 

主要キャラクターはVRゲームでの繋がりしかなく、ゲーム名で呼び合っているのが特徴です。

パーシヴァルもアルテミスも歴史上の偉大な人物から拝借されています。

パーシヴァルらのチームは計5人いますが、他のキャラクターはトシロウやショウなど日本ぽい名前も出てくるので、親近感が湧きますよね。

 

20世紀映画史の集大成

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Warner Bros. Pictures

1978年代アメリカ。ベトナム戦争が悪化し、国民の不満も爆発寸前であった。世界中に冷戦の波が押し寄せ、世界のあちこちで代理戦争が起きていた。

第二次世界大戦で世界大戦に終止符を打つも、戦争が世の中消えたことはこれまで一度もない。そんな今日も世界中のどこかで人殺しをしている輩がいる。

 

いまスティーブン・スピルバーグという名前を聞くと全員が知っている大物。しかし、彼が映画界に入り、駆け込みの頃、だれも彼の名前を知らなかった。

そんな若く映画熱がだれよりも熱いスピルバーグが世界に名前を知らせたのは29歳の時に撮ったジョーズであった。

それから彼の名を知らない人がいないほど、世界的に有名になり、70をすぎたいまでも精力的に活動している。

 

1970年代には若きスピルバーグの他にも、ロバート・ゼメキスやジョージ・ルーカスやブライアン・デ・パルマなど当時まだ無名であった監督がゴロゴロいた。

いま思えばあの世代ほど世の中を熱狂させた世代はいないし、あれほど面白そうな世代はいないと思う。

テレビが一般家庭に溶け込むようになってから急激に映画業界の先行きが怪しくなり、映画関係者の頭を悩ますことになった。

そんなときテレビでは味わえないでかいスクリーンで対抗するなど時代の変化が見受けられた。

 

そんな時代に乗るかのように映画の質も格段と上がった。

スピルバーグの「ジョーズ」「E.T.」は新しい感覚のファンタジー作品やホラー映画の域を確立させ、ジョージ・ルーカスは「スターウォーズ」で映画のすべての根底を変えてしまう。

そんな彼らに共通することは名作を若い頃に生み出しちゃったことで以後、それを超える名作が取れないというスランプ。

 

スピルバーグも例外ではなく、批評家の間では30歳の時に撮った「ジョーズ」を未だにスピルバーグは超えられない。と比喩されることが多い。

スピルバーグの作品は個人的にはあんまり好きではないので、一概には言えないが、「ジョーズ」のインパクトに比べると他の作品の勢いは消えてしまう。

これまでダラダラと語ってきたわけだが、僕が本当に本作で言いたいことは、20世紀を代表するスピルバーグが21世紀に残した最大のものこそが本作だと思う。

インタビューでスピルバーグはここ最近の作品で1番大変だったし、時間がかかった。と語っていた。

 

本作はその努力の結晶が本編を見ればすぐにわかる。これまでのスピルバーグが築いてきたものの集大成なんだと思う。

製作費175億円と莫大な額が使われたが、それを大きく凌ぐ映画界への置き土産をもたらしたのだと確信している。

ジョーズを超えたのか?という質問には個人差あるし、わからないが、僕はそれに匹敵するほどの内容が映画一本に含まれているような気がする。

 

いまだに第一線で活躍を続けるスピルバーグ監督ですが、いつその息が絶えるのかはだれもわからない。

ただひとつだけ言えることは20世紀の人間から21世紀を担うであろうすべての人間に対してのメッセージとして受けれるとともに、サブカル文化をこれからさらに発展させるのだと思う。

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Warner Bros. Pictures

最後にゲームマスターが語った言葉がすごく気に入ったので、紹介させて下さい。

 

"Reality is only thing"

"現実だけが本当にリアルなものだから"

 

これを本編の最後に持ってくる映画としての落ち度が素晴らしいと心から思ってしまった。

もちろんこの言葉は本作を閉める重要な言葉として受け取られるが、スピルバーグ監督自身が僕ら観客に伝えたい言葉でもあると思う。

これまで子供達にファンタジーの世界を魅せ続けて数十年。毎年のように世界にバラ色にしてくれるスピルバーグ監督だからこそ伝えられるメッセージなのだ。

 

あまりスピルバーグ監督の作品を心からみたい!と思ったことがなく、「レディープレイヤー1」も興味を持たなかった。

いまではそんな気持ちをもっていたことに後悔するほど、本作に出会えてよかったと思う。

びぇ!

 

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