映画『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』あらすじ感想ネタバレ:全米4館から口コミで広がった感動作! 13歳の少女を描く青春映画!
こんちくわ!Shygonです!
エイス・グレード
を熱く語りたいと思います!
2018年に公開された本作はわすか4館での小規模公開でしたが、口コミで広がり全米で拡大公開されました。
アメリカのある小学校を舞台に、小学校生活最後の一週間にフォーカスを当て、子供たちが成長していく様をリアルに描きました。
AFIやナショナルボードオブレベューなどの数々の有名な批評協会で2018年ベスト10映画にランクインしました。
わずが2百万ドルの予算のインディペンデント映画が奇跡の偉業を達成しまたのです!
サクッとあらすじ
8年生のカーヤは卒業まであと一週間を残し、不安と孤独を感じていた。
友達とうまく馴染めない彼女は、なんとか克服するためにYoutubeに人生観を語ったビデオを投稿するのが日課であった。
来年度からは高校生になるという大人への一歩を踏み出す彼女には不安しかなく、現実逃避のためスマホと暮らす毎日であった。
ツイッター、インスタグラムにスナップチャット。
学校外でも常に子供たちはインターネット上で繋がり、生活の一部をシェアする現代の子供たちならではの状況をリアルに映し出す。
(アメリカでは1年生から8年生までが日本でいう小学校と中学校にあたり、9年生から4年間高校に通うのが普通です。)
ジェネレーションZに生きる子供たち
ジェネレーションZとは1990年代後半から2000年代前半に生まれ、生まれたときからインターネットが存在した世代のことを指します。
本作は13歳の世代を描いているので、がっちりジェネレーションZに含まれます。
筆者は97年生まれで世の中的にはその世代に入りますが、この僕でさえびっくりすることが多々ありましたのでご紹介します。
学校にスマホが当たり前
日本でいう中学校の世代の子供たちが当たり前のように学校にスマホを持っていき、スナチャ、インスタなどをフル活用します。
僕らの世代なんてガラケイですよ。しかも学校に持ち込み禁止なのでたまにヤンキーたちが先生と揉めてたのを覚えていますね笑
もうそれ以上の世代の人たちはガラケイすらもないですよね?w
ようはもう時代の変化が変わりすぎて20代前半の僕ですらいまの時代には追いつけてないです。
アメリカの学校風景
この記事を読まれているほとんどの人々がアメリカの学校風景が想像つかないと思います。
そんな本作は13歳のアメリカの子供たちが普段どんな学校生活を送っているのか忠実に描かれます。
誕生日パーティーでは友達を何人も呼び、誕生日プレゼントを渡し合う会やパーティーゲーム"Truth or dare"など普段から彼がやっているお馴染みの風景がいっぱい出てきます。
学校での授業風景から放課後のパーティーまでリアリティを徹底的に追求しました。
「ハイスクール・ミュージカル」などアメリカの学校風景を描いたドラマや映画はありますが、監督がインタビューで語っていた本作の強みをご紹介します。
本作で監督を務めたボー・バーハム監督は「ハイスクール・ミュージカル」みたいな作られた物語性が高い作品を目指したのではなく、実際に彼らがどんな生活をして成長していくのかの事実だけを描きたかったそうです。
なので、13歳の子供たちが主人公なのにアメリカではR指定され、13歳の子供たちが本作を見れないという状況になってしまったのです。
コメディアンから監督へ
本作で監督を務めたのはボー・バーハム監督です。
2010年初頭にYoutubeで楽曲制作をして投稿するところから彼のキャリアは始まります。その後コメディアンとして、シュールな笑いと音楽で地道にその知名度を上げて行きました。
2016年にNetflix製作でされた「ボー・バーナムのみんなハッピー」では音楽と笑いを融合させた独特のショーが反響を浴びました。
本作の最大の特徴は超低予算のインディペンデント映画なので、これといった有名俳優が誰一人出ていないです。
父親を演じたジョシュ・ハミルトンはアメリカの高校の実態を描いた「13の理由」で父親役を演じたり、数々のヒューマンドラマに出演しています。
主演を演じたエルシー・フィッシャーは本作をきっかけり様々な映画祭で賞に輝きました。彼女については次の賞で語ります。
平凡な少女の成長期
ニューヨークの小学校を舞台に少年少女の成長を記録する青春映画です。育ち盛りな時代な彼らには様々な問題が生じるのです。
初めて他の人を好きになり、恋をすることを覚えます。
友達と仲良くなり、人と関わるということを学び、妬みや嫉妬など交友関係には必ず存在する人間のダークな部分も同時に学びます。
これまでの青春映画
男の子は少年へと成長し、女の子はひとりの女性へと成長します。
そんな彼らならではの悩み事が凝縮され、人情的に描く本作の94分はまるで自分たちの過去を見るかのようです。
これまでひとりの少年が大人へと成長する姿を描いた青春映画は山ほど撮られてきました。僕の生涯ベストとも言える「6才のボクが、大人になるまで。」や俳優ジョナ・ヒルの初監督作品「ミッド90ズ」、70年代のイタリアを舞台にした「君の名で僕を呼んで」などきりがありません。
最近女性でも自由に映画を撮れる状況になるようになり女性の成長物語が数多く製作されるようになってきました。
青春時代真っ盛りの少女を描いた「レイディー・バード」はアカデミー賞でも評価されました。
そんな中本作は高校に進む前の女の子の話で、「レイディー・バード」は高校生か大学へと進むときの悩みや交友関係を主に描きます。
年代によって悩むことが違ってくるので全く違う映画になります。他の人には話せない女性ならではの悩みや問題があり、全ての女性が通る道なのかもしれません。
カーヤが大人の女性へと
カーヤはとくに美人でもなく、スタイルが綺麗でモデル体型でもありません。どっちかというとどこにでもいそうな女の子で、自分の外見や体型に悩むごく一般的な女の子です。
映画の主人公となると綺麗でスタイルがいい、一般受けする女の子が当てはまりそうですが、本作はそんな配慮など一切しておりません。
水着を着るシーンではお腹が少し出ていて、成長盛りのニキビがあり、ただの女の子です。
そんな彼女たちにしか悩めないことを描く本作は多くの人が共感することでしょう。
本作はなぜ全米から絶賛されたのか
超低予算のインディペンデント映画ながら全米に拡張公開され、注目を浴びた本作。女の子ならではのあるあるを赤裸々に描き、多くの共感を浴びました。はじめて人を好きになり、好きな男の子に振り向いてもらうように頑張ります。
このように世代関係なく全ての人間が一度は経験する甘酸っぱい記憶が描かれることもあれば、
現代っ子らしくスマホに生活のほとんどを依存するいまの若者の現状まで古典的な共感からいま現代ならではの出来事まで幅広く扱っているのが本作の特徴です。
びぇ!