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【隠れた名作】「ブルージェイ」感想ネタバレ: 中年男女の儚い恋を描く本作は最高の恋愛映画だ!

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©Netflix

こんちくわ!Shygonです!

今回はNETFlIX製作の低予算・長編映画 

Blue Jay(ブルージェイ)

 

2016年NETFILX製作の映画です。大々的に広告をする訳でもなく、ましてや配信後も脚光を浴びることがなかったため聞いたことのない方も多いのでしょうか。

ですが、観た方はご存知の通り、みんな口を揃えて言う、

最高すぎると。

なので、一種の隠れた名作だと僕は思っています。さらにこれも観た方共通事項、リチャードリンクレイター監督作品、ビフォア3部作に似ていると。

僕自身も友人からこの映画をみるように勧められ、気のならないまま見たのですが、見た後その謎に躊躇したことを謝るくらい良作であったのを覚えています。

なぜもっと脚光を浴びないのか不思議になってくる本作の本当の魅力に今回は迫っていきたいと思います。

 

では各カテゴリーに分けて熱く語っていきます!

 

サクッとあらすじ

アメリカのカルフォルニアを舞台に高校の時に町で有名だった仲良しカップルが突然12年後に故郷で再開する。

もうお互い違う道を歩み始めていて、突然再開にびっくりするのだった。久しぶりに会った彼らは昔を懐かしみ、思い出話にふけるが、徐々に彼らがなぜ別れたのかという本質に迫っていくのであった。

それは実に切なく胸が痛む話でもあった‥

 

上品だけどピュアすぎる恋愛映画

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©Netflix

本作は恋愛映画に部類されるのは間違えないが、その細かい分類に頭を抱えてしまう。

というのは、青春恋愛映画であるといえばそうであり、大人の恋愛映画であると言われればそうでもあるのです。

 

いまはもう別れた、昔の仲良しカップルの一日だけの再開の中の会話で、過去の彼らの関係の全容が明るみになります。

高校生だった自分たちの青春物語を懐かしむかのように、いい年した大人たちが再現するのです。それはとてもイタすぎますが、実に純粋な男女のジャレ合いなのです。

 

12年前と変わらず、昔の自分たちを追いかけるかのようにマネをする彼らは10代の高校生が恋愛をする恋愛映画に何一つかわりはありません。

自分たちは永遠に入れると信じ、後先考えずに当時恋人同士で流行っていたであろう恥かしい録画のテープを聞いてみては大笑いをするのです。

これは現代でいうTwitterなどのSNSでカップル共通のアカウントを作るのと変わらないことなのでしょうが、ほかにも夫婦を演じてみたりと、

まるでお茶目な若いカップルがイチャイチャするところが描かれるのです。

 

しかし、それはいま現在の話ではなく、まぎれもなく遠い過去の話なのです過去の話であればあるほど、一日の楽しい

カップルの時間の経過をこんなにも切なく、時間が止まってほしいと観る人に感じてもらえる映画は他にあるであろうか?

 

ただの現在軸でのカップルのイタイイチャイチャ話とは意味が全く違い、厳しい現実が目の前にあるにも関わらず、それから目を背け、過去の思い出に浸る大人の切なすぎる話なのです

 

映画として僕らが見ていることはその辺の10代が繰り広げる恋愛映画に何一つ変わりませんが、そこの根底にある彼らの心情や現実をふと考えたとき、180℃違った映画に生まれ変わってしますのです。

なので、青春映画ともいえるのですが、同時に大人の恋愛映画でもあるのです。

 

最後に‐Blue Jayという映画とは‐

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©Netflix

この映画の本編をご覧になった方はお分かりでしょうが、本作は全編白黒で描かれているのです。

最近技術も発展してきて、VFXなどのCGもかなり発達してきている中で、白黒映画にあえてする意味は何なのでしょうか?

 

最近の白黒映画として思い出す映画は、「ネブラスカ~二つの心をつなぐ旅~」や、「フランシス・ハ」などの良作などがあります。

この二つの映画もとてもいい作品であることは間違えないですが、本作ブルージェイはこれらの作品に匹敵するほど僕のお気に入りの作品であるといまは確信しております。

 

白黒映画にした理由として様々な理由が挙げられると思いますが、この映画に関しては時間軸は現在を描いていますが、彼らの世界へ引き込まれると、

現在の時間軸なのに彼らの過去も現在の彼らと違いがわからなくなってしまうのです。

 

いい意味での時間軸の錯乱を白黒映画は可能し、映画の魅力が増していくのです。 

 

それは紛れもなく画面の色を単色にし、無駄な色彩情報を省いたから成し遂げれたことなのかもしれません。

いまのカラー映画は様々な色彩が映画を色鮮やかにしていますが、それは同時に情報肥大化を可能にし、情報の多すぎにより、

 

本当に映画として伝えたいことを伝えにくくしてしまうときがあります。

 

それに比べ、白黒映画の情報の少ないことが逆に長所になるときがあります。

そのうまい使い方を本作ブルージェイでは垣間見ることができ、映画の魅力を感じることができるのかもしれません。 

そして、話は少し変わりますが、この魅力こそが昔の名作映画と言われる映画にもあり、僕が愛してやまない白黒映画を見る面白みでもあるのです。  

 

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これからはネタバレになります。

昔の思い出に老けていた彼らは徐々に現実へと引き来れていくのです。実は高校卒業後お互い違う道を送ることになったのですが、女性の方は既に結婚して子供までいる状況に。はたや男性の方はいまだ独身で、仕事をクビになったばっかりの状況でした。

交際中も手紙のやり取りをしていたのですが、男性の方は真髄をついた話を切り出せずに時間だけが経ってしまっていたのです。そのまま卒業までもつれこみ、女性の方が故郷を出る前、最後に一通の手紙をもらいます。

 

しかし、その手紙にもいつもと同じようなことがダラダラと書いてあったのです。その後距離的に会えなくなり、お互い自然消滅でその関係は消えていったのです。

ところが12年越しの再会後、女性は自分が見たこともない一通の手紙を彼の自宅で発見するのです。

 

それをあえて、隠して持って帰ろうと思う彼女だったのですが、最後の最後でバレてしまい、それがきっかけで喧嘩まで勃発してしてしまいます。

最後の別れ際に男性はそれを彼女に挙げるのです。そんなに頑なにその手紙を見せたくなかった理由がその男性にはあったのです。

 

実はその手紙高校卒業の最後の日に最後の手紙として彼女に「愛の告白」を書いた手紙だったのです。

つまり、男性は最後の手紙として2通り書いたのですが、その恥かしさから本当の気持ちを書いた手紙を最後まで渡すことができなかったのです。

そして12年越しに手紙を読んだ彼女は泣き崩れるのです。

 

そうなんです

もしあそこで違う手紙の方を男性が渡すことができれば、未来は変わっていたと、どちらも思ったのです。

こうして本編は幕を閉じたわけなのですが、この終わり方は本当に胸が熱くなり、考えることをあきらめてしまいそうになります。

これはあの男性だけに通ずることではなく、すべての男性に当てはまる気がしてしまう気がするのです。

普段あれだけ威勢がいい男性はいざという大事なときに限って間違った選択をしてしまうのだ、とあの映画は男性の無常さを訴えているのかもしれません。

これは恋愛映画の一部分として描かれたことですが、このことは恋愛に限らず全てのことに通づることだとと思います。

そんな考え出したらきりがない映画ブルージェイでしたみなさんはこれをどう感じるでしょうか?

びぇ!

 

 

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