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「東京物語」の魅力とは?-小津映画を語る![考察と解説] (ネタバレ)

こんちくわ!Shygonです!

 今回は日本人として絶対知っておかなければならない監督、

 

小津安二郎

 

彼はその後の映画界において絶大なる影響をもたらした数少ない映画人のひとりです。彼は日本の庶民を風情ある家族ドラマに仕上げ、かつ彼ら家族の感情を情緒豊かに表現します。

そして今回は彼の作品の中でも一番有名であり、今でも世界中から評価されている東京物語をご紹介します。

 

今作は1953年に製作され、大女優原節子が紀子を演じた紀子三部作の中でも一番最後の集大成となり、高度経済成長を背景に日本の家族体系が変化する様を描いています。

 

あらすじは

尾道に暮らす周吉とその妻のとみが東京に出掛ける。東京に暮らす子供たちの家を久方振りに訪ねるのだ。しかし、長男の幸一も長女の志げも毎日仕事が忙しくて両親をかまってやれない。寂しい思いをする2人を慰めたのが、戦死した次男の妻の紀子だった。紀子はわざわざ仕事を休んで、2人を東京名所の観光に連れて行く。周吉ととみは、子供たちからはあまり温かく接してもらえなかったがそれでも満足した表情を見せて尾道へ帰った。ところが、両親が帰郷して数日もしないうちに、とみが危篤状態であるとの電報が子供たちの元に届いた。子供たちが尾道の実家に到着した翌日の未明に、とみは死去した。とみの葬儀が終わった後、志げは次女の京子に形見の品をよこすよう催促する。紀子以外の子供たちは、葬儀が終わるとそそくさと帰って行った。京子は憤慨するが、紀子は義兄姉をかばい若い京子を静かに諭す。紀子が東京に帰る前に、周吉は上京した際の紀子の優しさに感謝を表す。妻の形見だといって時計を渡すと紀子は号泣する。がらんとした部屋で一人、周吉は静かな尾道の海を眺めるのだった。 

 引用元Wikipedia(東京物語 - Wikipedia)

この作品とにかく世界中の映画人が絶賛しています。日本を代表する監督といえば黒澤明の名が挙がってくるが、この人は彼より前に早くも自分のスタイルを確立し、

「日本人とは」という大変難しい質問に映画で答えた人

であると思います。

四季があり、伝統的な日本文化をこれほど正確にかつ魅力的に語る監督として彼の右にでる者は今現在いないと僕は思います。

 

そんななかでも東京物語はそんな彼の特徴が抜きん出て表現されています。

彼の作品のほとんどはいわゆる映画の華がありません。ただただ全編を通して家族のこじんまりした会話が続きます。しかし、その会話こそが小津映画の魅力であり、彼が映画を通して伝えたいメッセージでもあるのです。そして話に厚みを持たせるために特殊な人に焦点を当てるのではなく、

その当時の日本の一般家庭を描くことこそが日本を忠実にかつ魅力的に描き出せると

彼は考えたのです。

 

 

東京物語と高度経済成長

この作品、実は当時の日本の歴史的背景を重ね合わせてみると魅力が倍増するのです。

あの当時高度経済成長を期に若者が仕事を求めて都会に出ていくようになりました。

この家族もその例外ではなく、子供は成人すると都会へ出ていくのでした。

すると子供はどんどん親元を離れ始めるのです。これが核家族の始まりです。

 

尾道という穏やかな田舎に住む老人と時代の最先端を行く東京に身を置く若者を対比的に描くことで、日本の時代の家族体系の移り変わりを現実的にを映します。

 

 

 

時代の変化と家族の変化

母が亡くなり里帰りしてきた子供たちは葬式が終わると早速母からの形見をもらおうとしたり、その日に帰ろうとする姿を見た嫁入り前の末っ子京子が憤慨し、それを紀子に訴えるシーンが最後の方にありました。

紀子は兄姉の母に対する対応に怒っている京子に対して、みんな年をとるとそうなる、今は私(紀子)も京子に賛成だけれども、年をとると彼らのようになるのだと返答したのです。

彼女は彼らを決して非難することがなかったのです。

 

この映画においての紀子の位置づけについて触れておきたいと思います。

というのはこの映画、家族の話であるのに紀子は出てくる家族と直接血が繋がっていないのです。しかし僕はここに小津映画の魅力が詰まっていると思います。

あえて主要人物を家族の人間ではない人が加わるとその当時の家族像というものを

主観的にかつ客観的に描くことができるのではないかと思います。

 

最後のシーンにて父は子供ではない紀子に母の形見である時計を挙げるのです。そこに紀子と義父の間の友情を感じ、ほんわかする思いを感じるのです。

過激なアクションや、映画の王道芸を少しも描かず家族像を描くことのみに重点を置き、家族をひたすら描き続ける小津安二郎

僕はそんなに彼について知っているわけではないが、

家族物語以外に必要のない全ての観点を捨て、家族内の感情や時代に翻弄される彼らの姿を描くことを貫いた映画

 

東京物語

 

そんな頂点を極めたこの作品ほど映画として完成後が高いものは他にどれほど世の中に存在するのであろうか。

父と娘と彼らを取り巻く家族ドラマ、晩春は僕の大のお気に入り作品であるが、この作品もこれに匹敵するくらいの見た後に心にズンと圧し掛かる「何か」を僕は感じたのであった。

 

びぇ!