映画「レディーバード」感想ネタバレ:思春期の娘と母親を描く史上最高の家族物語!!!
こんちくわ!Shygonです!
今回はRottenTomatoesという映画サイトにて史上最高の好評価を受けた
レイディー・バード
について熱く語りたいと思います。
軽い気持ちで映画館にいき思わず涙が出てくるほどの映画を久しぶりに見ました。いままで多くの映画を見てきた筆者ですがここまで自分と通ずる何かがあり、共感する映画は他にないです。
2018年に製作された本作は監督と脚本を担当し、女優でもあるグレタ・ガービングの経験談を元に、思春期の中でたくましく生きる娘と母親の家族ドラマです。
サクッとあらすじ
2002年カリフォルニア州サクラメント。
高校2年生のクリスティーンこと”レイディー・バード”は髪を真っ赤に染め、カトリックの高校に通っていた。
そろそろ進学のことを考え始めた彼女は母親に東部に進学したいと打ち明けるのであったが、、、
サクラメントはド田舎と毛嫌いする娘と思春期を果敢に生きる娘を育てる母親の壮大な人間ドラマがいまはじまる。。。
「レイディー・バード」の背景
2017年に低予算で製作された「レイディー・バード」は本作で監督兼脚本を務めた女優グレタ・ガービングの初監督作品であり、彼女の経験を元に描かれているといわれています。
名門コロンビア大学を卒業後、女優として活躍する傍ら、「フランシス・ハ」では脚本も兼任しました。
インタビューの中で、彼女は「自分の経験ではないけど、私の知ってることと通ずることがたくさんある」と答えています。
そして、「6歳の僕が大人になるまで。」の女性バージョンのようなものを目指したとも語っています。
(僕がアメリカに来る決定打は「6歳の僕が大人になるまで。」であり、だからこの作品が大好きなのです)
若手アベンジャーズ集結!!!
キャストはシアーシャ・ローナン、ルーカス・ヘッジス、ティモシー・シャメラと実力派若手が脇にそろっています。
シアーシャ・ローナンはアカデミー賞にノミネートされた「ブルックリン」や「ふたりの女王メアリーとエリザベス」に出演するアイルランド出身の若手女優です。
ルーカス・ヘッジスは昨年の「マンチェスター・バイ・ザ・シー」や「スリービルボード」にも出演しているいまもう大注目の俳優です。
ティモシー・シャメラは「君の名で僕を呼んで」 では若干22歳ながら、
第90回アカデミー主演男優賞にノミネートされ、「ビューティフルボーイ」ではドラック依存症に悩まされる青年を熱演し、話題になりました。
最後に本作で母親役を演じたローリー・メトカーフは第90回アカデミー賞助演女優にノミネートされています。
まさにキャストはこれ以上の人材はいないのです。天才たちが描く青春物語とは一体どのようなものなのでしょうか
イタすぎる「レイディー・バード」の生き様
高校2年生から3年生の一年間をコメディタッチで描きます。同時に青春期ならではの親子の葛藤を繊細に描きます。
クリスティーン・マクファーソンこと「レイディー・バード」は本名を嫌い、みんなには「レイディー・バード」と呼んでと豪語するなど青春期ならではの、思い返してみるとイタすぎる体験ばかりです。「レイディー・バード」は日本語でてんとう虫で、意味は特にないそうです。
他にもカトリックの学校ながら髪をピンク色に染め、神にお供えする麩菓子のようなものをボリボリ食べたり、お店にある雑誌を万引きするなど決していい生徒ではありません。
そして、友達にお金持ちの家を自分の家といって豪語するなど自意識過剰な部分もあったりします。
それらを全部含めて自分を少しでも大きく見せ、そんな自分を彼女は少しカッコよく思うのです。
数年後それを見返すと、イタい思い出として残りますが、それは誰もが通ってきた道のりであり、それが青春そのものなのです。
笑いあり涙あり女性の青春物語
監督のグレタ・ガービングは本作に限らず、彼女のコメディ観はとても僕のお気に入りです。
コメディ編
女性とは思わせない下品なネタをぶち込んでくるなど、男性には決して描けない女性の繊細さや上品さが表現されているのと同時に女性には決してない下ネタを次々と入れてくる前代未聞のタイプです。
本作はコメディ映画であるので全部はご紹介できないですが、その一部を取り上げます。
アメリカではタバコとエロ本は18歳になると買えます。(酒は21歳以上です)18歳の誕生日を迎えるとすぐさまお店に駆け込み笑顔でタバコとエロ本を購入し、堂々と街角で読みながら、タバコを吹かすのです。
それはまさにいままでお調子者の典型的なパターンで僕が映画館へ足を運んだ際もゲラゲラ笑い声が聞こえてきました。そうです、笑っていた人は僕も含めておそらく同じような体験をしているのでしょう
感動編
本作は青春という非常に限られた難しい期間をコメディタッチで描くの同時に思春期真っただ中の娘とそれを支える母親の親子ドラマでもあります。
ド田舎のサクラメントを毛嫌いし
ニューヨークに憧れをもつ娘ですが、
お金がなく公立にいってほしいと願い母親の対立し
服の好みで意見が割れ、毎日が口喧嘩の連続です。
思春期の娘は自分の名前すら好きになれず、なにもかもに納得がいかないためすぐに母親にアタリます。
車内でニューヨークに行きたいという娘とそれを断固として認めない母親は口喧嘩になり、ついに娘は走行中の車から飛び降りわざとケガをするなど手のかかる娘です。
そんな娘を陰から見守る母親はこの物語に限らず、どの家庭でも共通することです。
エンディングシーンで娘がサクラメントを旅立つシーンでは一度は母親は娘を送らないと見向きもしませんが、唯一の娘の大学進学には手紙をしっかりスーツケースに隠し入れ、最後まで意地をはった自分に後悔して涙するなど
思春期ならではの娘と母親の本音の言えないけど、こころでは通じている妙な関係は涙がポロリと出てくるものです。
新天地で新たな生活を始めた娘もはじめて自分の名を本名である
クリスティーン
と名乗るシーンは感動以上に彼女に感情移入してしまうシーンでもあるのです。
思春期という感情がうごめきあう大変な期間を映画として描くのは難しいのにも関わらず、コメディタッチで巧妙に観客を笑わす本作は絶賛の一言に尽きます。
「レイディー・バード」が魅せる裏ワザとは!?
本作実に映画とは感じさせない部分があります。普通の映画は会話シーンの際は一方が話し、終わったらもう片方が話始めるというのが普通です。しかし、人というものはカッとなると人の話など聞いていられません。
本作は母親との会話はほどんど感情的になり何を言っているのかはっきりわからないのです。
娘の無謀な要望に母親は無視するのですが、娘は全く動じず、動き回る母親を追いかけまわしながらひたすら主張するのです。
本作の親子間でも会話シーンは観客に伝える気など全くなく言い争いの連続です。でもそれが思春期であり、誰もに通ずることなのかもしれません。
いままで思春期について描く作品は多いですが、こんなにも赤裸々にかつ、コメディタッチで表現するのは非常にまれであり新しい作風です。
ぜひ映画館に足を運び、親子で見てほしいという切実な願いを込めて締めさせていただきます。
思春期を抜けはじめてまわりを理解するようになった僕だからこそ、本作のことが理解でき、母親という偉大な存在にやっと気づかせてくれた、そんな作品が本作「レイディー・バード」でした
びぇ!