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「マッドバウンド哀しき友情」が語る戦争と人種差別の現実とは!? [考察と解説] (ネタバレ)

 こんちくわ!Shygonです!

 

今回はNetflix配信の社会ドラマ

 

「マッドバウンド 哀しき友情」

 

を熱く語りたいと思います!

 

本作はアメリカ、ミシシッピ州の田舎を舞台に、第二次世界対戦後の帰還兵の友情を描いています。

 

戦争終結後未だに街には人種差別が街全体に蔓延る中、

白人と黒人の帰還兵たちが様々な問題にぶつかっていく中で育まれる友情を描いています。

 

 あらすじ

世界中を巻き込んだ第二次世界対戦が勃発する中、

ミシシッピ州では労働力を期待される若い人間が戦争に従軍しており、厳しい生活を強いられていた。

 

戦争が終結し、帰還兵が故郷へ帰ってくる中、

舞台となる田舎町では相変わらず人種差別が根強く残る街であった

 

戦争中では母国のために果敢に戦い勲章までもらった黒人兵は環境の変化に納得がいっていなかった。

 

そして、それは黒人だけが感じることではなく、白人兵も人種差別には納得がいっていなかったのである。

 

戦時中絶体絶命の中自分を救ったのが黒人であり、

戦争中は黒人だろうか白人だろうが関係なかった。

重要なのはどこ出身なのかである。

 

そんな葛藤を続ける両者は次第に馴れ初めはじめるが、、、

 

 

 マッドバウンドとは?

本作は2017年製作で、サンダルス映画祭で始めて上映され、絶賛された作品のうちのひとつです。

 

ディーリーという女流監督が務め、

キャストはキャリーマリガンはじめ有名俳優が多数出演しています

 

ラウラ(キャリーマリガン)

彼女は献身的な妻を演じます。

とても優しい性格の持ち主で、夫が黒人を嫌う中、

影でお金をあげたり、黒人には寛容な人柄として描かれています。

 

ヘンリー(ジェイソンクラーク)

農園の地主として、ラウラの夫を演じます。

父親の影響もあり、黒人を毛嫌いし、奴隷をこき使う反面家族の大黒柱でもある一家の父親です。

 

ジェイミー(ギャレットヘドライド)

ヘンリーの弟で役者を目指していました。

戦争に従軍すると戦場では大尉まで上り詰め、勲章を貰うなど輝かしい成績を残します。

しかし、戦後はPTSDに悩まされ、酒に溺れ散々迷惑をかけまくります。

 

パピー(ジョナサンバンクス)

ジェイミー、ヘンリーの父親であり、

とても古風な頑固な父親です。妻に先立たれたため息子たちと共に引っ越しします。

黒人を毛嫌いし、白人至上主義の一員でもあると考えられます。

 

ロンセル(ジェイソンミッチェル)

黒人一家に生まれ戦争で戦車の軍曹を務め帰国します。

しかし、いまだに残る人種差別の風習に反発的であり、

ドイツに従軍中ドイツ人に恋に落ちそのことを人生の中で最も後悔しています。

 

フローレンス(メアリー ビリジ)

ロンセルの黒人母親であり、ジェイミー一家の下で働いていますが、ラウラとは友好関係を保ちます。

決していうことはありませんが人種差別に対して反感をもち、サングラスをかけています。

 

 

 

 ナレーションが物語の進行役

本作主に戦後に帰還兵としてかえってきた2人の相反する立場の兵が自分の中で葛藤する姿を描いてします。

 

 

白人の帰還兵PTSDに悩まされて、酒に溺れます。

戦争での実績を自慢する傍らまわりからは飽きられ始めるのです。

そして、それを皮肉るかのように戦争前の過去のシーンを描き戦争がどれほど彼の人生において悪影響を与えるのか、

事実だけを淡々と描きます。

 

 

そして、黒人の帰還兵です。戦場では人種関係なくお国のために、人種の壁を超えて団結し一緒に戦うのです。

ところが故郷へ帰ってみるとそんな状況などなく人種の違いだけで使う場所や扱いが変わってくるのです。

そして、こんな人種差別をしているのはアメリカだけで、

ヨーロッパなどでは全くないと知ると反発し始めます。

 

 

本作においてナレーションとして様々な人たちが登場し、

物語の進行を担います。

 

 

ラウラ一家の妻としての葛藤や悩みを訴え、

 

ジェイミーは人種差別への反感と、親父と兄貴が人種差別者であることへの反感を持っています。

 

ロンセルは黒人として、戦場より良い環境のはずの故郷がそう思えなくなり、そして恋人を異国の地へ置いてきたことへの後めたい気持ちの中で葛藤を続けています。

 

色んな人たちの思惑が混在している中物語は思いもよらない方向へと舵取りするのです。

 

 

 思いも寄らないエンディングとは!?

冒頭シーンで父親パピーが亡くなったことで大雨の中、

息子2人が遺体を埋めるため穴を必死に掘るところから始まります。

 

雨が止んだあと父の遺体を地中に埋めるのですが、

2人では足りず通りかかった黒人一家に助けを求めます。

 

黒人一家はものすごく嫌な顔をするのですが、

結局その命令に従い助けることにしました。

ここの冒頭シーンを見るだけだとなにが起こってるかさっぱりわかりませんでした。

 

しかし、このシーンこそが最後の結末が語られる際最も説明が難しいシーンに出来上がり、答えの見つからない永遠の旅みたいなものに放り込まれる感覚がするのです。

 

2人の帰還兵は戦争に貢献したとして崇められる存在になるのですが、そんなのは一瞬でありすぐに忘れ去られてしまいます。

 

そんな戦争の辛さを帰還後も引きずるのですが、

それを分かち合えるのは戦争を知っている彼らのみです。

 

そこで人種の壁を超え痛みを共有し始めるのですが、

街の白人たちは黒人と一緒にいるのを許すことはせずついに実行に移してしまいます。

 

パピーは白人至上主義グループの一員として、黒人とつるんでいる息子ジェイミーとロンセルを捉え、ジェイミーの前でロンセルの拷問を始めます。

 

拷問の最後には、舌、目、金玉のとごを切り取るかをジェイミーに選ばせることまでします。

 

肌の色が黒いだけで拷問を受けたロンセルは一応一命を取り留めましたが、ジェイミーはこれにかなり憤慨します。

友達に拷問を行う際自分の父親が率先して拷問していたのを見て怒りが込み上げ、実の父親をジェイミーは殺してしまいます。

 

なので、冒頭シーンでお墓を作ってたジェイミー張本人が実の父親を殺していたのです。

 

そして、そこに通りかかった黒人一家が助けることを拒みたかった理由は息子を拷問した張本人の墓をつくっている最中だったからです。

 

 

 

  • 本作が訴える人種差別と戦争の関連性とは!?

戦争後、どれほど人は豹変し、それをまわりが全く理解できず悲惨な結末が待ち受けているか、という題材の映画はいままでも山ほどあります。

最近の映画では、

「アメリカンスナイパー」や「74日に生まれて」

など様々な名作が挙げられますが、

今作は他に人種差別という大きな問題を同時に取り扱っています。

 

 

黒人にとっては

 

我が国のためにと必死に命をかけて戦ったにも関わらず、

帰国後は白人とは一緒に讃えてもらうことができない

 

のです。

 

それは単なる肌の違いだけなのです。

そんな現状によく思っていない白人にも同じような態度をとる古風な人種差別者に怒りを覚えます。

 

PTSD人種差別の大きな2つの問題を重ね合わせることで見える新たな一面。

 

まだ考えさせられる映画、

それが本作「マッドバウンド 哀しき友情」です。

 

そして、本作で黒人一家の母親役を演じた

メアリー ビリジは本職が歌手にも関わらず役者顔負けの演技を見せています。

様々な映画賞で助演女優賞に輝いていることから賞レースに絡んでくることは間違いないでしょう。

 

びぇ!