Movie Magic

アメリカ在住大学生が映画を語るブログ

追悼ロジャームーアという俳優が歩んだ道を振り返る![考察と解説]

こんちくわ!Shygonです!

今回は突如俳優ロジャームーアが亡くなったということで、

彼の人生を振り返り、彼が映画界にもたらしたことなどを熱く語ります!

 

緊急企画ロジャームーアとは

この方はなんつたってジェームズボンドを演じたことで一躍スターダムにのし上がり世界的な知名度をものにしました。

1927年にイギリスで生まれたロジャームーアは終戦とともに除隊し、映画界に飛び込みました。

長い下積み生活を過ごし、ついに50年代初頭に大手映画会社と契約を果たすのです。

その後は俳優としてトントン拍子で一歩ずつスターへの階段を上っていきます。

有名になる俳優にありがちなドラック、女などのスキャンダルに見舞われることなく、とても珍しい健全な俳優でもあります。

 

 

007ジェームズボンド

1962年にはじめて映画化された後は様々な俳優が主人公ジェームズボンドを演じるたびに大きなニュースとなっていました。イギリス出身のイアンフレミングの推理小説が元となっており、最近では小説にはなかった経歴を映画で新しく語られることもあります。

 

このジェームズボンドは初代ボンドを演じたショーンコネリーに今でもスポットが当てられがちです。

確かにコネリーは偉大な俳優でこの007映画をシリーズ化するほどにまで育てた立役者です。しかし、僕はこのロジャームーアがいなかったら現代のように大人気シリーズにはならなかったと思っています。

 

初代ボンドを演じたショーンコネリーがボンドを引退したとき問題は起こったのです。コネリー=ボンドという一般的な常識がファンから離れず、2代目は大失敗に終わるのです。

その後コネリー復活を望む声の推薦もあり、1作のみの復活もしました。ですが、当時はコネリーがいなくなった瞬間007は終わりな状態でした。

 

そこで新しい風をボンド映画に吹き込んだのが俳優ロジャームーアでした。

 

コネリーは007として堅実に任務をこなし、時折スパイスの効いたジョークを言いつつもしっかり仕事はこなす、いわゆるエリートです。

 

しかし、そんなコネリーボンドとは一転し、

ムーアが演じたボンドはとても甘いマスクで女性と遊んでばかりなのです。

もちろんコネリー時代からボンドガールといわれるほど美しい女性はボンド映画には必要不可欠でした。

でもムーアはエリートではあるが、基本的に女性には目がなく、仕事をほっぽらかし、女性の尻をひたすら追っかけまくるのです。

そのムーアのボンド像は今でも受け継がれており、現在ボンドを演じているダニエルクレイグにもその兆候が垣間見れますよね。

そんな低迷していたボンドに新たなテイストをつけたし、世界的な人気シリーズに仕立て上げた俳優ロジャームーア。

その功が成し、今までにボンド映画7本出演と最多記録を保持しています。

 

ロジャームーアという人間は89歳でその人生の幕は閉じましたが、彼の生きた功績、映画界に与えた影響はこれからも、これからもスクリーン上で生き続けるのです。

そんな彼に黙とう。

 

びぇ!

映画「晩春」あらすじ感想:嫁入り前の娘と父親の家族物語

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松竹


こんちくわ!Shygonです!

「晩春」は、日本を代表する映画監督 小津安二郎 の作品です。
 
「東京物語」は世界的に知名度のある映画で、いまなお大きな影響を各方面に与えています。サイレント映画「大人の見る繪本 生まれてみたけれど」や男女の恋心を描いた「東京暮色」, カラー映画の「お早よう」など当時の日本社会を投影し、日本で目まぐるしく生きる人々にスポットを当てる作風が有名です。
 
そして今回は彼の作品の中でも海外からの評価も高い晩春をご紹介します。
 

サクッとあらすじ

早くに妻を亡くし、それ以来娘の紀子に面倒をかけてきた大学教授の曾宮周吉は、紀子が婚期を逃しつつあることが気がかりでならない。
妹マサの持ってきた縁談を承諾した紀子は、周吉と京都旅行に出かけ再度心が揺れるが、周吉に説得されて結婚を決意する。
紀子が嫁いだ晩、一人家に残る心を決めた周吉は、人知れず孤独の涙を流す。
引用元Wikipedia(晩春 (映画) - Wikipedia)
 

お見合い結婚にかける思い

戦後直後の1949年に製作されたこの作品は家族の中でも主に父と娘に主に重点を置き物語を語っています。
なので、全編100分の中で家族以外に場面がそれることがほぼなく、何らかの世の中の変化も家族同士の会話で起きた出来事を描いているのです。
 
作家の父ともう時期お嫁に行かなければならない娘を中心に父娘の家族ドラマが描かれ、さらに鎌倉、京都などの美しい街並みや景色を白黒映画ならではの魅力で語り尽くしています。

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松竹
では映画晩春魅力とは一体なんなのでしょうか?
それはまずはやはり俳優原節子と笠智衆でしょう。この俳優たちは小津監督が生涯を閉じるまでずっと彼はこの俳優たちを使い続けるのです。
戦後の日本女性の象徴としてずっと慕われた原節子のすごさは彼女の映画を見たことがある方はご存知でしょう。

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松竹
しかし、このブログではあえて笠智衆にスポットを当てたいと思います。
この晩春にいたって、僕は彼が天才としか言いようのない演技を披露していると思います。話を細かく砕いて進めると、様々なことが見えてきます。
 
彼は作家として一目置かれています。しかし、父親としては妻に先立たれてしまい、周りの身支度ができないため娘にかなりを依存しているようなのです。
彼は娘に生活のほとんどを手伝ってもらっているため生きるためにはなくてはならない存在なのですが、父親として年頃の娘を早く嫁に出したいという思いが少なからずあるのです。
 
ですが、彼女がいなくなると生活に不自由になるということと, 愛する娘がいなくなるので、正直乗り気ではなく、彼の妹の助言でやっと重い腰をあげました。
この映画で、笠智衆という俳優は優秀な作家として、娘を頼る作家として、そして娘を内心手放したくない父親としての顔を使い分けているのです。
様々な感情が彼の中で混在していますが、それを全く表に出さず、表情を一切変えないのです。
 
なので、娘が嫁に行きたくない理由として、彼女が挙げた父が身支度ができないことについてはもう先の長くない自分をはけのけ、将来のある娘のために新しく嫁をもらうと嘘をつきました
そして最後の父と娘で行った別れの旅行の際には、娘は嫁には行きたくないとごねりだします。年ごろの娘が自分を愛しているのを心では喜ぶも本心とは偽り、父親として娘を嫁に出す説得をしました。
 
常に自分のためではなく相手のことを思うあの父娘はなんて魅力的な家族なのでしょうか。決して自分の利益を重要視しないそんな家族こそが監督安津安二郎の考える理想の形なのかもしれないのです。
そして最後娘を嫁に出し、ほっとする父ですが家に帰った瞬間孤独な家で一人リンゴを剥きながら涙をポロポロ流し始めるのです。
 
この場面は本当になんともいえない感情です。父としての威厳、使命感と娘を思う気持ちがあの涙には含まれていると思うと心に通づ何かがあるのです。あのなんとも言えない風情のある顔は俳優笠智衆の実力そのものでしょう。
この映画はロードムービーの一種ですが、戦後の日本の古き習慣の中で悩む一父娘を中心に情緒溢れる家族ドラマなのです。無駄な色を決して付け足さず、シンプルな雰囲気を追求した結果が名作晩春なのかもしれない
びぇ!
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映画「大人の見る繪本 生まれてみたけれど」感想:初期頃のサイレント映画 ここから小津安二郎の伝説ははじまった!?

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松竹
こんちくわ!Shygonです!
今回は日本人として絶対知っておかなければならない監督
小津安二郎 
彼の初期の映画作品はあまり現存しているものがあまりありません。
 
その中でも本作「大人の見る繪本生まれて見たけれど」は現存している中でも非常に評価が高い作品になっております。
彼の作品は後に世界中から小津調と呼ばれ、尊敬されていました。この作品は初期作品ということもあり、無声映画になっていますが、彼の特徴がはっきり色濃く描かれており、映画の古さを感じさせないものとなっています。
 
1932年に作られた本作は無声映画です。劇中途中に会話が描かれたカットが差し込まれ、当時の西洋映画の特徴に非常に似ていました。
しかし、全部の会話が文字として映し出されるのではないため所々予想しながらみていくことも必要です。
 

サクッとあらすじ

良一、啓二のお父さんは、重役の岩崎の近くに引っ越して出世のチャンスをうかがっている。だが、兄弟の前では厳格そのもの。
引っ越しで転校した兄弟は早速地元の悪ガキグループと喧嘩した揚句、鬱陶しくなって小学校をずる休みするも担任の家庭訪問で知られ、二人は父さんから大目玉。
そのうち悪ガキ仲間と友達になり一緒に遊ぶようになる。その中には岩崎の子供もいる。ある日、みんなで「うちの父ちゃんが一番えらい」と自慢する話が出る。
兄弟も自分の父親が一番えらいと信じて疑わなかったが‥
 Wikipediaより引用
 

戦後の子供を切り取る

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松竹
引っ越ししてきたある家族の数ヶ月に焦点を当て子供目線から見る大人の世界を描いた作品となっています。
双子のような兄弟が転校してきて、新しい学校に馴染む姿から始まります。同じように父親が生きる大人の世界とはなんなのかを子供の目線から描くことで、とてもほんわかした家族ドラマに仕上がるのです。
 
無声映画ではありますが、皮肉まではいかない、冗談が散りばめられていて、当時の貧しい日本が世界に挑戦していく前夜の殺風景も見所です。
ここで小津監督は決して大人の目線から坦々と家族ドラマを描くのではなく、子供なりの気持ちや思いを主体に描くことで家族ドラマ自体に厚みを持たせたような気がしました。

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松竹
双子のような兄弟は父親がずっと偉い人になれと言われていたこともあり、父親のことを尊敬し、偉い人だと思い込んでいました。
しかし実際は金持ちの友達のお父さんにペコペコ頭を下げて、機嫌取りをしていたため失望と共に何らかの矛盾を感じてしまいました。
そこで強く父なりの家族の守り方に真っ向から対立した彼らは数日間ご飯を食べようとしません。しかしお腹の限界がきて、コソコソおにぎりを平らげていると、父親が話し始めたのです。
 
ここで兄弟は子供なりに大人の世界の現実を理解し、改めて父を家族の大黒柱として一目置くのです。特に全編通してなにも起こらない映画ではありましたが、こんなに情報の少ない中、感情の変化を描くのが難しいと言われている子供の目線から彼らの成長を描く作品に僕は感激しました。
なんせ父を認め、現実の世界に溶け込んで行く彼らの最後のシーンは見ものです。世界の小津の初期作品としてこれから確立される独特の映画スタイル、小津調の前線を垣間見れるのです。古い映画ではありますが、ぜひご鑑賞下さいませ。
びぇ!
 
 
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新作ワイスピ8語る!+ 前作の地上波初上陸の際の炎上語る![考察と解説]

こんちくわ!Shygonです!

 

今回は新作ワイルドスピードを熱く語ります!

 

この映画に関してはアクション映画ということもあり、僕がなにかを語るというのではなく、裏事情や、関連性のある話を語ります!

 

基本情報から、ワイルドスピードは2001年頃から始まるシリーズ作となっています。今作は8作目で、ほかのシリーズ作品などではよくある、路線変更や、失敗した前作をなかったことにするなど荒手な製作志向がないのが魅力的ですね。

一部時系列がずれているところがいりますが、公開されるたびに前作のスケールを超えてくるモンスター映画になっています。

 

前作スカイミッションについては車を飛行機から実際に落下させ、今作ではビルの上から滝のように車を落とし、ぶっ壊すシーンなどファンから見れば最高なのです。

 

今作に関して言えば専門家によると

シリーズ第8作目にあたる『ワイルド・スピード ICE BREAK』の全米公開が間近に迫っているが、イギリスの自動車保険サイト『Insure the Gap』が同映画シリーズ全7作を全て見直し、その映画内で実際に破壊された物品の被害総額を算出した。同サイトによると、その金額は約581億円に上るという。

その統計を詳細に調べると、169台の普通車が破損、142台の普通車が破壊され、37台のカスタム車、バス、電車、ヘリコプターなどの特殊車両が破壊された。それらに加え、51棟のビルが破損、31棟のビルが破壊され、432の物品が破損された。破壊された最も高額な車は『ワイルド・スピード SKY MISSION』に登場した約3.8億円のLykan Hypersportだった。意外なのは、主人公側の破損総額が約363億円であるのに対し、悪役側が220億円と、より少なかったことだろう。

 引用元

映画ワイルド・スピードシリーズ7作内での、物損の被害総額は581億円以上 | HYPEBEAST

 

もう言葉がでません。そんな数字ですよね

 

ではやっと本題に。。。

 

ワイルドスピード8に対する思い

全体的にまとまっててスッキリしました。

前半戦に巻き散らかした種をしっかり回収していて十分楽しめました。

アメリカがやっとキューバと国交回復し、その勢いでこの映画の始まりがキューバなのです。やはり時代のトレンドをしっかり押さえてくるのはさすがだと思いました。

そしてやはり前作のブライアンの死をどう描くかというところが僕の一番の注目ポイントでした。

そのつながりがなぜドレットが裏切ったのかとオチにつながっていくのです。

少し無理をしている設定かと少し思ってしまいますが、まとまっていたのでそんなに気にするところではないかと思います。

 

ファミリーの危機になったときある一人がブライアンに助けを呼ぼうと提案しますが、彼の生活があるからだめだと却下されていました。その際に心の中で勝手に突っ込んでしましたが、あのオチを見るとなんともいえない気持ちになります。

 

そしてこのブログ毎回触れるのが、監督です。今作実はこのシリーズ初の黒人の方が監督を務めています。

Fゲイリーグレイという方なのですが、この監督ご存じない方の方が多いのかもしません。

彼の前作straight outta Comptonは本当に僕の好きな作品なのです。

ラップを聞く方はご存じでしょうがNWAという伝説のラッパー集団の伝記映画を作っています。

beatsやEminemのプロデュースなどを手掛けているDr.DreはこのNWAの出身の方ですね。

僕はラップが結構好きなので、この映画のリズム感や方向性がとても映画の創作性とNWAの音楽の方向性があっていて、監督の手腕が目立っていましたね!

 

その勢いがこの新作ワイルドスピードにそのまま反映されていました。

 

 

そして最後に怒っています。

実はこの作品には関係ありません。この映画の公開記念で公開日に金曜ロードショーで某テレビ局が前作のワイルドスピード7を放送しました。

その際に最後の大事なシーンを時間の関係上、割愛していました。

やはりネットで物議を呼び、炎上しました。

僕も彼らの意見に全くの同意です。

前作の最高の出来といっても過言ではない最後のシーンをカットは本当に最悪です。映画を放送する権利などないと思っております。もう言葉が出なくなり、悲しいです。

 

一映画のファンとして、映画製作者に敬意を見せるということを放送側として少しでも考えたら、あのような悲劇は防げたと思っております。

さらにあの映画に関して言えば、重要なポストの俳優が撮影中に亡くなり、最後に映画で黙とうを捧げる、

For Paulと。

俳優としてこれほど名誉なことはなく、映画丸々一本を一人の俳優に捧げる行為自体一ファンとしてうれしい限りです。

彼ら映画製作者として、俳優として、僕らファンとして敬意を示すという意味でのあの演出に配慮してほしかったです。

 

映画を見る人にとって映画の製作者に少なからず敬意の意を込めることは僕は必要であると思います。

もう少し彼らの立場で物事をとらえてほしいものです。

彼らにとって映画というものは息子同様であり、命を懸けて作るものです。

その魂にそんな演出をされたらどう思うのでしょうか。

See You Again とともに俳優ポールウォーカーに敬意を示したかった。

そんな思いと同時に今の日本の映画に対する対応に悲しみがこみ上げてきました。

 

 

最後にこれはあくまで僕個人の意見です。

以上です。

 

映画「メッセージ」が観客に送る「メッセージ」とは? (あらすじ感想)

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©Paramount Pictures
こんちくわ!Shygonです!
今回は本を原作に映画化された
「メッセージ」
について熱く語ります!
2016年に製作された本作は中華系アメリカ人のテッド・チャンの本を原作に、言語学者が突如地球に現れた宇宙人と会話を試みるSF映画です。
 

サクッとあらすじ

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©Paramount Pictures
ある日突然宇宙人が世界計12カ所に上陸します。
そこで彼の伝えるメッセージを解読するために娘をなくしたばかりの女性言語学者に委託し、事件解説に走るのです。
男性物理学者も同行し、理論的に協力していくのです。同時に世界に混乱をもたらし、市民が暴走をはじめついには国レベルで武力行使で排除しようとし始めるのです。
しかし、主人公ただ一人はそれを信じようとせず文字の解明に突っ走るのでありました。
 

本編に登場する重要な言葉

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©Paramount Pictures

僕は映画にチラホラ出てくる様々なキーワードが重要かと思います。

 回顧録の意味とは?

この映画はじめに娘をなくし、悲しみにくれているところから始まります。その後解読に努めますが、それに娘との楽しかった記憶が回顧録として無造作に物語に組み込まれるのです。
 
ココがまず注目すべき点です。
なぜ一見関係のない娘との会話を彼女が解読中に流れてくるのでしょうか?

 娘ハンナの名前の由来とは?

劇中何度か娘の名前ハンナが出てきます。そして、ハンナが母親(言語学者)になんでこの名前なのかと聞いてくるのです。
そこで母親はhannahというスペルに注目します。ハンナは前から読んでも後ろから読んでもハンナと読めるのよ、と答えます。
 
ここで注目すべき点はこのくだりが一回ではないということです。
なぜ強調する必要があるのでしょうか?

 宇宙人の言語体系とは?

彼らの言語は徐々に解読が進み段々わかってくるのですが、ここで様々なことが浮き彫りとなってくるのです。
  1. 彼らの言語、言葉と文字が一致しないという点です。
  2. 彼らの文字が円状になっており、どこからがはじまりでありどこがおわりかが分からないという点です。
  3. 彼らの言語が表意文字であるという点です。英語のアルファベットのようにそれだけで意味が伝わらないものではなく、日本の漢字のように文字だけで意味が伝わるもののようなことを指します。
 

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©Paramount Pictures
一体この規則が導くオチとはなんなのか、ここで暴くのではなく、映画「メッセージ」のように、謎を残したまま次に進みたいと思います。

「メッセージ」の裏事情

 監督

監督を務めたのはドゥニ・ヴィルヌーブでこれまで「ボーダーライン」「ブレードランナー」の35年ぶりの続編「ブレードランナー2049」で監督を務め高い評価を受けています。「ブレードランナー2049」ではSF映画ながらアカデミー賞では2部門受賞しました。
 
 
彼の撮る作品はアクションやSFに出やすい陳腐さがなく妙に臨場感があるのです。ですが、現実過ぎた領域ではないのであくまで映画として描くのです。
これは僕の見解ですが現実離れしたSF的世界と日常生活の2つがあるとしたら彼の世界観は若干SF的世界ではありますが、きちんと日常の世界観を描くことも忘れてはいないのです。
 
今は亡き映画監督スタンリー・キューブリックのカメラワークソックリと感じてしまったのは僕だけでしょうか。彼の世界観でなぜか湧き出てくる臨場感の謎がやっと解けた気がしてます。
絵の容量と同じで奥に視点を一点構え、左右対称なので、奥に引き込まれていくのです。その不気味な状態からカメラが逃げてくれず、留まるのです。このカメラワークが見事功を成し、あの臨場感が出来上がっています。

 音楽家

次は音楽家です。これは「ボーダー・ライン」のときと同じ人でしたが、音楽家ヨハン・ヨハンソンはもう亡くなってしまいましたが僕の好みの音楽家です。
クラシック音楽を貫き、臨場感を引き出す低音のビート音と、希望や次の展開を予期するかのような高音が一度になり響き、映画に厚みを持たせるのです。
絶妙な両者の調和がこの映画の最大の魅力と言っても過言ではないのです。そして、最後にこの映画のメッセージとはなんなのでしょうか。
 

衝撃的な結末へ

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©Paramount Pictures

 
(ネタバレが含まれます。)
 
実はこの映画過去の回想として出てくる娘との回顧録が実は未来の話であったというオチになっているのです。
 
これには仰天ですよ!
 
これだから映画はやめられないんです。たまにくる魂にぐんとくるあの感じ、あれこそが映画の魅力であり、Movie Magicなのです。
 
ただ、単に未来の話でした〜というクソ映画ではないんです。上記のように曇天返し映画に数学的な理論が付け加えられていると言ったのはこのことなんです。
このオチを知ると上記の疑問がほぼ解決できるのです。劇中に突然でてくる彼女らの回顧録は宇宙人が伝達の手段として、主人公に特殊能力として与え解読の手助けをします。そして、娘の名前のハンナと宇宙人の言語が自然と繋がってきます。
 
つまり、彼らの生態、言語には時系列が存在しないということになります。ハンナのくだりを何度も流したのも、文字が円状で始まりと終わりが分からなくなっている文字系列も全て最後のオチに繋がっていく鍵であるのです。
そして最後に宇宙人の言語が表意文字であるのは作者が関係していると考えられるようです。原作者のデッド・チャンは中華系アメリカ人であり、彼が中国語、日本語などと英語との違いをこの作品に反映したらしいです。
そして、数学的な理論と僕が書いていますが、それは原作者が理数系を大学で先行していたこともあり、在学中のある理論を元に執筆したようです。そのため作品の全ての箇所に納得がいくのはそのためでしょう。
 

 どう評価するべきなのか?

本作をどう評価するか、一言で実に難しいです。
最後のオチがとんでもないことになっている曇天返し映画なのです。1990年代からでこのような部類の映画が数多く見られるようになりましたが、他の曇天返し映画は一回では気持ちがスッキリしなくても、なんとなく気持ちが晴れるオチが人々を虜にしますよね!?
 
本作はその曇天返し映画にガツガツな数学的な理論が重なったようなイメージなのです。それが難しい理由です。
いままでの曇天返し映画はガイ・リッチー監督作品のような人の勘違い系や、ちょっとしたシュールな人々の関係のズレを描き、最後に一気に落とされるような感覚の映画が多数を占めます。
なので、それらの曇天返し映画は現実世界かつSF要素は禁物でした。ですが本作は数学的な理論を付け加えることでSF的要素を加えた曇天返し映画が完成するのです。
いま思い出したものを上げると「ユージュアル・サスペクツ」、「ロック・ストック・ツー・バレルズ」、「スナッチ」、「マチスティックメン」などの人間関係のゴタゴタで起こるハプニングにはない曇天返しが映画「メッセージ」にはあるのです。
 
本作の原作者が持つ数学的観点からの設定付けと中華系ならではのバックグランドが上手く本作を引き立て、全く予想できない展開を生んだのですね!
 びぇ!
 

カンヌ映画祭の仕組みって!?〜各映画祭の違いとは?[解説]

こんちくわ!Shygonです。

今回は映画ではなく、ドラマでもなく、映画祭について特集します

僕自身映画祭は映画を語る上でとても重要な事であると思います。

なぜなら、これから公開されるであろう映画を選定する一種の指標にあり、この結果により映画の興行収入が変わってくるからです。

 

さらにその時代の旬な映画の特徴や背景をそのまま映し出しているのです。今回はその中でも世界三大映画祭に数えられ、世界で最も盛大に行われるカンヌ映画祭に焦点を当て、熱く語って言いたいと思います。最後に毎年5月の半ばに行われることもあり、予備知識として楽しんでいただければ幸いです。

 

毎回同様、いくつかのカテゴリーに分け、語りつくしますよ

 

1分でわかるカンヌの全容!?

カンヌはフランスの南地方に位置する小さな観光地、コートダジュールで行われている。(日本のカラオケチェーン、コートダジュールでピンときた方多いでしょうか)

 

毎年5月半ばになると世界中から映画関係者が挙って集まり、映画の売買が行われている。その年の一番早い大きな映画祭であるためそこからその年の目玉映画が出品されることが少なくない。若手映画製作者にとっては自分らの作品を世界にお披露目できる場所として、若者の登竜門として知られている。

 

最近ではカナダ出身の新税グザヴィエドラン監督兼俳優が世界的に知られるきっかけとなった映画祭だ。さらに映画祭としては世界最高峰の歴史を持ち、戦後直後から始まった長い歴史を持つ映画祭としても有名。同時に時代の流れとともに様々な事件に翻弄され、映画を語る上で無視することのできない催し物である。日本では有名なアカデミー賞とは大きく違い、世界中から作品が同じ土俵から評価され、カンヌの結果が今の時代を先行するくらい、常に時代の先端に位置付けられえている。

次の章で詳しく解説しよう。

 

 

カンヌの細かい仕組みとは!?

まず、選別の仕組みである。ここがほかの映画祭とは違うのだ。毎年審査員というものが変わるのである。それはカンヌ映画祭の事務員が選定し、だいたい前の年に脚光を浴びた監督が多いというのが一つの特徴である。映画という業界ということもあり、若い人はなりにくく、すでに世界的に知名度が高いクリエーターが審査員長を務める傾向にある。世界中から応募を受け、それを審査員長はじめその年の審査員たちがみんなで話あい、決めるのだ。なので、その年の審査員長がどんなタイプの映画が好きなのかで受賞してくる映画の傾向も違ってくるのである。

さらにここも他とは一味違い、投票する際に無名投票ではないということだ。例えば、アカデミー賞の際は無名投票で、毎年投票者が変わることはない。一回アカデミー賞の会員になればずっと毎年投票できるのである。

 

賞のカテゴリーは以下のようになっている。

パルムドール

映画祭において最高賞である。毎年、その結果によって大議論が巻き起こることが多々ある。だが、この賞を受賞した映画は他部門を受賞できないというルールが存在する。

審査員賞特別グランプリ

その名の通りである。この賞はわりと審査員長の意向が通ることが多いとされている。

 

後は通常通り各分野の賞が設けられている。

監督賞女優賞男優賞そして脚本賞である。

さらにもうひとつの面白い部門があるのだ。

ある視点部門

この部門は簡単に言うと野球でいう新人王にあたるものである。映画祭では若者に特化した、次世代の映画製作者に的を絞って評価するのはとても珍しいことである。さらにこの選定あまり映画製作の盛んではない国出身の監督も多く受賞しているということから、かなり公平かつ、本来の映画祭の意味をしっかり理解した選定になっていると僕は思い、毎年結果が楽しみなのである。

実際日本から様々な映画が出品されているが、いまだに受賞はない。

 

カンヌの傾向を徹底追及!

上記に示したように、様々な有名監督の登竜門であったことが世界的に知られているカンヌ映画祭。例を挙げるときりがないレベルである。

  1. 黒澤明:言わずとしれた世界のクロサワ。実は彼も羅生門という映画で初めて国際的に名前が知られ、世界のクロサワとまでいわれるようになったのであった。
  2. フランシスフォードコッポラ:名作ゴットファーザーを世に送り出した彼もカンヌで評価された監督の一人である。カンヌ自体が彼の登竜門ではないが、彼とカンヌは今でも密接な関係を保っている。
  3. マーティンスコセッシ:彼もまた一人。名作の域を超えたタクシードライバーをはじめて世に送り出した場所はココ、カンヌであり、彼のキャリアの原点でもあった。

このような有名監督や、特にイタリア出身の監督の受賞はカンヌでは常連である。

例えば、ヴィムベンダース、フランソワトリュフォーなども含まれる。

 

最後にこの話を紹介したいと思う。

世界的に有名な監督クエンティンタランティーノは2003年、カンヌ映画祭の審査員長を務めた。その祭、彼ただ一人だけ絶賛の喝采を送った映画オールドボーイ(韓国)の監督ポンジュノは彼のサポートもあり、今ではハリウッドでも撮るようになるまでの方にあったのである。

 

確かに映画オールドボーイは僕の本当にお気に入りの映画の中の一つである。そのような国、作風にとらわれず、評価するカンヌ映画祭はやはり時代の先を常に言っていると確信している。

毎年その年の傾向がわかる映画祭です。ぜひチェックをお願いします。

そして映画の繁栄を願うばかりです。

 

びぇ!

 

 

 

【完全保存版】Netflix「ストレンジャー・シングス」 あらすじ感想まとめ:さぁ不思議なドラクエの旅に出よう!!

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©Netflix

こんちくわ!Shygonです!

今回はNetflix製作のSFアドベンチャー

「ストレンジャー・シングス」

について熱く語ります!

2016年にスタートした本シリーズは架空の町ホーキンスで次々に起こる怪奇現象に少年たちが立ち向かうドラマです。

Netflix製作の本シリーズはNetflixの中でも代表する大ヒットテレビシリーズで2018年にシーズン2が配信され、2019年7月4日にシーズン3が配信されました。

  

サクッとあらすじ

 シーズン1

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1980年架空の町ホーキンス。

ある日、超能力や不思議な力を研究する秘密の研究施設からあるひとりの少女が脱走する。イレブンと名付けられた彼女は強力な特殊能力を持ち、それを恐れた政府は早速彼女の捕獲に尽力を尽くす。

だが、次第に町全体に不穏が訪れ、謎の事件が多発するようになってしまう。

様々な怪奇現象が次々に起こる中、ひとりの少年が謎の失踪を遂げると物語は思いも寄らない方向に急展開するのだった‥

 シーズン2

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あの事件から1年後。

警官のホッパーはイレブンを政府の目から隠すために、山奥に身を潜めていた。トランス状態の母親と会い、特殊能力を持った同じ境遇の子供たちのところへ尋ねたイレブンだったが、舞台のホーキンスの危険を知る。

一方、ホーキンスでは、カリフォルニアから転校してきた少女マックスが少年らのグループに加わる。

ウィルが再び裏の世界のなにかに取り憑かれると、ホーキンスの街全体に異変がではじめ、街全体で熾烈な攻防戦となる。

 

ほぼ無名の製作陣が成し遂げた偉業

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©Netflix

「ナイト・ミュージアム」「メッセージ」で知られるショーン・レビを製作に迎え、ダフィー兄弟が監督&脚本を務め、ほぼ無名のキャストで撮影されました。

唯一有名なヴィノナ・ライダーは様々なスキャンダルから映画業界から干されていた矢先の久しぶりの大ヒット作に恵まれました。

2016年にNetflixで配信がスタートし、シーズン2が2017年に配信されました。そしてすでにシーズン3の配信も決定しました。

 

80年代を彷彿させる作風

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©Netflix

本シリーズは映画ではないのに、様々な映画のオマージュがいたるところに描かれています。たとえばタイトルロールは印象的です。

あの名作「スターウォーズ」の面影を彷彿させるようなテイストはファンとしては興奮が収まりきりません。

あの文字の並び方やあの感覚などタイトルロールの出し方は「スターウォーズ」にそっくりと言えるほどその世界観からこのドラマは始まります。

そしてあの劇的な登場とともに鳴り響いてくる振動のようなドラム音、なにかを予知させる音楽が視聴者の興味を引きます。

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次に本シリーズのストーリーの内容です。

成長境いの少年たちのアドベンチャーといったら名作「グーニーズ」ですよ。

まだなにもかも信じきっていたあの時代を切り取り、彼ら少年の視点から映画を描く「グーニーズ」とこのドラマには様々な共通点があります。

信憑性の低い逸話を信じ、自分なりに考えた理論や目標を達成して行こうとするあの遊び心を本シリーズでは垣間見ることができます。

 

さらに「スタンドバイミー」の記憶も呼び起こされます。

噂だけを頼りに4人の男の子たちがひたすら線路を旅しに行くという物語で、このように少年たちの外の世界への興味からなるプチ旅行の走り映画へのオマージュも忘れていないのです。

そんな観点から「ストレンジャー・シングス」は70、80年代の映画へのリスペクトを感じます。

 

本シリーズを見ていると少し気になることが多々あったのです。キャラクターがタバコを吸うシーンです。本シリーズの前半戦の時点ですでに違和感を感じていました。

なぜなら、あまりにも喫煙者が多いからです。たとえ子供が前にいても、プカプカタバコをふかすのです。

最近になりタバコに対する規制が世界的に広がり、子供達への悪影響を懸念し、映画やドラマにはほとんど登場しなくなってしまいました。

この話はとても有名ですが、例えば大人気アニメのワンピースです。大人気キャラクターのひとりのサンジはよくタバコを吸っています。

しかし、アメリカ版のアニメではアメを舐めているという風に勝手に修正されているのです。

 

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©Netflix

1990年代初頭から徐々にそのような活動が米国国内で盛んになり、タバコのを吸っている登場人物が映画、ドラマ、アニメから姿を消しました。

でも本シリーズはNetflix製作ということもあり、テレビや映画館での鑑賞ではないためこのような規制なく好きなように製作できるのです。

 

上記で触れたオマージュを受けた作品は全て規制前時代の映画なのです。その当時はこのドラマのようにタバコを蒸すシーンが度々描かれているのです。

例えば、「スタンド・バイ・ミー」の冒頭シーンの隠れ家では、ひとりのヤンチャ坊主は子供にも関わらず、タバコをふかしていました。

これは今では絶対見ることのできないシーンの1つです。もしかすると監督はこのようなある意味無邪気な描写に憧れており、自分たちのガキの頃を思い出し、この作品作りに没頭していたのかもしれませんね。


個人的にこのようなところに映画やドラマの魅力が隠れていると思っています。

本シリーズは若い人にとってはただ面白いドラマにしかならないけど80年代に子供だった、本シリーズの監督や今は社会人の人たちにとってはあの無邪気な頃を思い出して、深い思入れがある情景ばっかりであるということです。

そして「グーニーズ」の頃に立派な大人だった人は「グーニーズ」を見たときに久しぶりに昔を懐かしみ、「ストレンジャー・シングス」では遥か遠い昔のような感覚で楽しむことができるのです。

 

つまり、ただ本シリーズは単に活発な子供達に焦点を当てているのではなく、子供を探し見守る親世代と無邪気な子供の両方の目線で描かれています。

上記に示した観点からこのドラマはある限定された世代のために作っているのではなく世代によって楽しみ方が違うので本当によくできたドラマだと思います。

びぇ!

 

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漫画「弱虫ペダル」を読んだ。

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今回このブログ初、漫画に手を出しました!なぜかそんなの単純な問題です。

この漫画面白すぎる!はじめてみたときなんか自転車か、あれスポーツなんかと軽い気持ちで見ていましたのさ、そんな気持ち今になって後悔ですよ!

なんでもっと早く出会わなかったのかよって!ということで今回今大人気!?

漫画弱虫ペダルを熱く語りたいと思います!

まだご覧になってない方はぜひ漫画を買って読んでみてください!

 

 

筆者の自転車愛!!!

この漫画とにかく自転車への愛情が紙を超えて伝わってくるのである。

スポーツ漫画はわりとそのスポーツの魅力が熱く語られている場合が多い。

僕でいうと映画である。

 

しかし、この筆者の自転車愛ほど凄まじく熱いものは他にないのではと考え込んでしまうほど僕ら読者を虜にしていしまうのだ。

僕は自転車は単なる移動手段にしか過ぎず、自転車というものにあまり深入りがないのだ。

でもこの漫画は自転車という競技の存在意義、そこにハマっていく人たちの気持ちを主観的に描き出し、それを僕ら素人も漫画を通じて体感できるという点が魅力的であると思う。

例に例えると体感型のゲームである、VRの世界でないのにこの漫画はそんな体験をしていると気づかないうちに思わせるのである。

漫画の描き方がどっちかというとオーバー過ぎるが、それがかえって自転車という競技の真意なのかもしれない。

キャラたちが自転車を漕ぐシーンも細かくそのシーン毎に場面展開されており、本当にワクワクしてくるのである。

どれだけ筆者が自転車という競技を愛し、理解しているかということである。僕は様々なスポーツ漫画をこれまで読んてきたが、これほどまでに熱意を感じる漫画はなかったと断言できるのである!

 

 

主人公がヘッポコすぎる件

よくスポーツ漫画にあるある、主人公が強すぎるという点。

試合を重ねるごとに強くなり、おまえはサイヤ人かとツッコミたくなるような話が多いのである。

例えば、メジャーである。僕のお気に入りの漫画の一つではあるが、茂野五郎の無敵さといったらねとなってしまう。

しかし、この主人公小野田坂道(名前から、どんだけ自転車愛してるの?藤川球児かよ!ってなる)は決して体格に恵まれた方ではなく、背は小さく筋肉のないオタクなのである。

しかし、彼の意外性が彼の高校を動かしていくのを目の当たりにするのが一つの楽しみである。

例えば、野球漫画「ダイヤのエース」がこの漫画に近いであろう。メジャーや巨人の星のように主人公が神ってないという点からである。

ただ、彼らの奇跡を引き起こすことが試合の展開の風向きを変え、自チームを勝利に向かわせる。

僕は実際に自転車のロードレースにでたことがないので、本当の意味での自転車の魅力はわからないがもしかするとこの意外性こそが最も重要なことであり、自転車の最大の魅力であると筆者は僕らに語り掛けているのかもしれない。 

 

あだ名カッコよすぎる件

この種の漫画は僕にとっては新しいと思う。登場人物それぞれにあだ名があり、それがかれらのココという勝負シーンで紹介されるのである。

この紹介の仕方や名前がロマンがあり、惚れてしまうのである。

例えば、主将の金城のあだ名である。彼は石道の蛇と呼ばれる。

こんなイケメンなセンスのいい名前があるのかと仰天するばかりである。

男には理解してもらえると思うが、スポーツ漫画にこのような一種の邪道がこんなにも光って見えるのは僕だけであろうか。

そしてそのあだ名の横にはシャレた説明がつくのである。石道の蛇の場合はどこまでも食らいつく、諦めないという意味で、となっていた。

そしてこれは人によってだが必殺技まであるというのだ。田所という巨体の選手の場合だと必殺技、酸素音速肉弾頭といって、ものすごいスピードをだしてコース内を駆け回るのである。

これをみると僕が子供時代によく見ていた「イナズマイレブン」というサッカーアニメを思い出すのである。

いつになっても男性にはこの興奮は付き物であるのかと思ってしまう。 

このようにこの漫画弱虫ペダルは懐かしい子供時代を思い出すと共に自転車という一種のスポーツの魅力に取りつかれてしまう危ない、中毒性のあるドラッグなのである。

びぇ!

 

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映画『Lion~25年目のただいま~』あらすじ感想ネタバレ:インドの田舎町で起きた奇跡の実話

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©Weinstein Company

こんちくわ!Shygonです

今回は「 Lion 25年目のただいま」 を熱く語りたいと思います。

はじめに

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この作品賞実は実話なんです。インドのある田舎街で迷子になった5歳の男の子が、25年の時を得て、家族を探し出す感動作になっています。

ある日、お兄ちゃんの仕事の手伝いをしていたサルーが止まっていた電車に乗り、ひと休憩。起きた時には遠く離れた、知らない別地に取り残されていた。
その後、オーストラリアに養子として出向くことになる。25年後、google mapが家族の再開を可能にしたのだ。

では様々なカテゴリーに分け、Lionの魅力を語っていきましょう!

 

映像が綺麗なのよ

この映画、とにかく映像が綺麗すぎる。カメラの性能も関係はしているであろうが、そこの領域をはるかに超えている、と感じるのである。

見せるところはしっかりカメラを引き、映像美を画面全体で表現する。人間同士の会話や、感情むき出しでそこにピントを当てたい時はそれ以外は目立たないよう最善の策を取られている。

 

映画の1つの醍醐味として、いま製作者がどこに、なにに焦点を当てているのか、それが作品の良し悪しを決める。

この映画はそこのさじ加減が難しいにも関わらず、映像をどう見せるかの方法がとても巧みであると思う。そして物語には起承転結がある。これに乗っ取らない物語に成功はない。

この映画、物語の起承転結は勿論、カメラワークや、カメラ構成で起承転結を物語っているというもの1つの特徴であり、同時に魅力である。

 

映像と音楽の調和

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©Weinstein Company

起承転結を描くカメラワークがあるとどうしてももう1つ欲しくなるものである。
音楽。これはいい映像には不可欠である。

どの映画にもたいていメインテーマが設けられているが、この映画のメインテーマは感心物である。ジョーズのような、ジュラシックパークのような、ヘイトフルエイトのような、

 

先に見える現実や、希望を音楽だけで表現するのだ。ただそこには嵐が吹き入れるであろう航海が待ち受けている、ような感覚も伺うことができるのである。
まさにそんな要素を含んだ音楽が圧倒的な映像美とともに流れてくる、鳥肌の立たない人がいるのであろうか、そんな映画であるのだ。

 

サルーの存在

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©Weinstein Company

この映画、これが最大の魅力であると思う。いや、思いではなく、本当のことである。

 

このサルー可愛すぎる。

切実に男女関係なくこれは反則レベルである。

 

基本的に現実から過去を遡るような形式なので、悪魔で回想シーンのみの登場であるが、この魅力にみんな間違えなく瞬殺である。

ただここだけで終わらないのが、この映画。おっさん化したサルーにも人として魅力の詰まった人物なのである。

自分の故郷を探すと決めた後も自分の中で葛藤をするのだ。彼自身開けてはいけない玉手箱を開けようとしている気がし、周りの親しい人に自分の取り乱した姿を見せてしまう。


映画として、義母と話し合うシーン、彼女との口論は見ものである。感情のぶつかり合いと思いきや、これは心のぶつけ合いなのである。

役柄上、普段感情をあまり表に出さないサルーであるが、映画として彼の真実を探し出すときの動揺は痺れるものがある。

 

「アクアマン」で知られる、義母を演じたニコール・キットマンはさすがオスカー俳優だけあった。単なる感情むき出しの話し合いではなく、なぜかこころに響く美声。

まるで、張り詰めた沈黙が僕らに投げかけるかのように空間全体で調和し、サルーと義母の会話を物語っている。

かたや、彼女との口論では普段見せない感情をむき出しで思いを伝えるのである。この演技が認められ、ニコール・キットマン、デブ・パテル、ルーニー・マーラは見事アカデミー賞にノミネートされた。

受賞には至らなかったが、3人とも存在感を残し、見事な結果であると思う。 最後に母と再開するのであるが、ここに1つオチ知らせざることが表向きになるのだ。最後のシーンにもしっかり工夫がされており、個人的には納得のいく作品であった。

びぇ!

 

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「ベターコールソウル」 感想ネタバレ:ブレイキングバッドの俊敏弁護士ソウル・グットマンはのび太くんだった!?

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©AMC

こんちくわ!Shygonです!

今回はテレビ界のアカデミー賞と呼ばれるエミー賞常連だった伝説のドラマのスピンオフ

「ベター・コール・ソウル」

を熱く語ります!

2008年にスタートしたドラマ「ブレイキングバッド」はシーズン5まで製作され、毎シーズンエミー賞で評価されるなど市場最高峰に面白いドラマがスピンオフになって帰ってきました。

 

ベターコールソウルって!?

「ブレイキングバッド」でおなじみの悪徳弁護士ソウルグットマン。彼の輝かしい弁護士人生には果てしない長い道があったのです。駆け出しのころは「滑りのジミー」と呼ばれ、バカにされていた暗い過去があったのです。

果たしてどうして彼がソウル・グットマンになったのか、彼がウォルターに会う前夜の話を主に描いています。「ブレイキングバッド」のクルーがカムバックして、他のキャラクターの過去も同時に描かれるため、ブレイキングバットのファンにとっては外せない作品です。 

 

キャラが濃すぎる

本作では大人気シリーズ「ブレイキングバッド」に登場するソウル・グットマンがどうしてそうなったのかを描く前日譚です。

大人気ドラマや映画では必ずと言っていいほどこのような部類のスピンオフが描かれますが、そのキャラクターが登場するまでのことを描きます。

 ジミー・マッギル

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©AMC

本シリーズの主人公で後のソウル・グットマンです。クセの強いグットマンを「ブレイキング・バッド」同様でボブ・オデンカークが演じます。

「ブレイキングバッド」当時は毎回服装が変わり、カラフルなスーツを着ているのが特徴的でしたが、出始めの彼はだらしなくて、いまにも壊れそうな車に乗って、サロンの一室の事務所を構える、いかにも落ちこぼれの弁護士です。

昔から変わらない独特な喋り方だけは唯一ソウル・グットマンを彷彿させます。

 マイク・エルマントラウト

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©AMC

ジミーの用心棒のマイクは「マッドバウンド 哀しき友情」で知られるジョナサン・バンクスが演じます。

マイクは「ブレイキングバッド」では何でも屋として下仕事をこなす老人でしたが、彼がどのように用心棒になったのかの出会いから描かれます。

マイクは寡黙な上、やることがえげつないのは昔からで、彼には自分と同じ道警察の道に進んだ息子がいたのでした。

しかし、謎の殉職を遂げてしまいます。息子の死を経験するなど彼の暗い過去も洗いざらい知らされます。

 懐かしのあのキャラたち

ブレイキングバッドファンにとってもう1つ楽しみがあるのです。物語の途中にいきなり突然懐かしいお方たちが出てくるということ

例えば、あの世話のかかるジャンキーのトゥコ、サラマンカ、あのイカつい足にドクロをつけた双子などが出てくるのです。

このようにいきなりくる嬉しさがあえうというのも1つの魅力でもあります。

ジョークの多用さ

本シリーズにはとにかくジョークが多いです。「ブレイキングバッド」にはあまり描かれていなかった新しい要素です。

本家でギャグ専門家であったソウル・グットマンが主人公なので、彼のキャラクター上ギャグ路線になったのだと思います。

昔の映画の人物についてや時事ネタもあるようです。なので、本家をよく知る人にはクスッと笑える魅力もあるようです。

 

ですが、本シリーズは「ブレイキングバッド」には程遠い面白さです。

あのドラマの1つの良さである始めのシーンに全く話の関係ないようなストーリーを組み込み、興味をそそり、そして最終的に全てが点と点で繋がるカラクリを同じように演出していますが、その効果が今ひとつな感じがあります。

ただでさえ、ハラハラドキドキがない作品なのにここで興味を引かないとどこで引くのであるのか。。。

 

そして、本シリーズはドラマの中の勢いの波がないのです。

「ブレイキングバッド」を見ていたときはスリルをたっぷり含んだ緊張感が視聴者を夢中にさせます。

反対に本シリーズの方向上、そのさじ加減が難しいのでそこの温度取りに難色を示すファンも多いかと思います。

まだ、どのような系列のドラマに仕上げるのか、方向性がしっかり決まってないように思えます。

びぇ!